権利関係

【改正民法対応】「 保証・連帯債務 」はこれで解決!|WEB宅建講座スタケン

投稿日:2020年5月8日 更新日:

こんにちは!

前回は宅建士の出題範囲から「時効」についてお伝えしました。

権利関係の第5回目となる今回は、「 保証・連帯債務 」について取り上げていきます。

時効と同じく保証も馴染みがある言葉ですが、きちんと内容を理解しておかないと実際の試験において答えを導き出すことができません。

そのため、保証と連帯債務の違いはもちろんのこと、それぞれの性質を把握したうえで落ち着いて問題を解くようにしてください。

では、さっそく一緒に見ていきましょう。

そもそも保証とは

保証とは債務者が債務を履行することができない(借りたお金を返すことができない)場合に、その主たる債務者に代わって債務を履行すると約束することを指します。

保証契約は責任が伴う重要な契約であることから、口頭ではなく書面で契約を結ばなければなりません。

また、保証契約は債権者と保証人の間で成立するものなので、仮に債務者が拒んだ者であっても保証人となることができる点も覚えておいてください。

保証人の資格を有している人について

原則として、債権者(お金を貸している人)が指名する場合は誰でも保証人となることができます。

しかし、主たる債務者が保証人を立てる義務を負う場合には制限が出てくるので注意が必要です。

例:AさんがBさんにお金を借りるにあたって、Aさんが自ら保証人を探してくると言った場合

このケースにおいて、保証人は行為能力者で弁済能力が十分に認められる人でなければなりません。

仮に保証人が途中で破産等に陥った場合には、債権者は主たる債務者に対して「保証人を代えてください」と提言することができます。

保証債務について

保証とはなんなのかについて一通り理解できたところで、ここでは保証債務の性質についてご説明します。

保証債務の性質は主に次の4つです。

● 付従性
● 随伴性
● 補充性
● 分別の利益

それぞれ順に、見ていきましょう。

付従性

付従性とはまず、主たる債務が成立しないときには、保証債務も成立しないことを指します。

また、主たる債務が消滅したときには保証債務も消滅します。(ex,AさんがBさんに500万円を貸しており、CがBの保証人となっていたもののBさんが債務を完済した場合。)

そして、主たる債務者に生じた事由は保証人に及びますが、保証人に生じた事由は主たる債務者に及びません。

なお、付従性を学ぶ際に併せて注意しておきたいのが、主たる債務者の債務が重くなっても保証人の債務が重くなることはないという点です。

あくまで保証人は債務者が返済不能に陥った時のサブ的な存在であることから、保証人の債務まで重くなってしまってはあんまりですよね。

随伴性

随伴性とは、主たる債務が移転した場合には保証債務も移転することを指します。

補充性

保証人はあくまでも、債務者のサブ的な存在であることは先に述べた通りです。

そのため、債務者が弁済不能に陥らない限り保証人が登場することは基本的にありません。

補充性とは次の2つの抗弁権のことを指しています。

● 催告の抗弁権
● 検索の抗弁権

催告の抗弁権」とは、債権者が主たる債務者に支払いを請求せず保証人に支払いを求めてきた場合、保証人は「まずは債務者にいってください」と弁済を拒むことができる権利のことを指します。

検索の抗弁権」とは、主たる債務者が弁済を行うのに十分な資力を持っている場合において保証人は「債務者自身で支払うことができます」と弁済を拒むことができる権利のことをいいます。

分別の利益

たとえば、債務者が負っている債務が800万円で保証人が2人いるようなケースでは保証人1人あたりの保証債務は400万円となります。

つまり、保証人は主たる債務の額を保証人の人数で割ることができ、これを分別の利益といいます。

連帯保証ならびに保証債務の違いについて

連帯保証も先述した保証債務の一種であることから、基本的な部分は変わりありません。

ここでは保証債務と連帯保証で異なる点について下記にまとめていますので、きちんとおさえておきましょう。

● 分別の利益がない
● 催告の抗弁権がない
● 検索の抗弁権がない

分別の利益がない

たとえば、主たる債務が800万円で連帯保証人が2人いる場合でも負担は割り勘とならず、それぞれが800万円の保証債務を負うことになります。

催告の抗弁権がない

債権者が主たる債務者に請求せず連帯保証人に弁済を求めてきた場合であっても、連帯保証人はそれを拒むことができません。

検索の抗弁権がない

主たる債務者が十分な返済資力を有していた場合であっても、そのことを理由に連帯保証人は弁済を拒むことができません。

連帯債務について

連帯債務は連帯保証と混同しがちですが、まったくの別物ですので注意が必要です。

たとえばAさんがBさん、Cさんと飲み会を行ったとしましょう。

3人で8,000円分飲み食いをしてレジに向かったところ、レジが割り勘お断りだったためAさんがまとめて8,000円支払いました。

この場合、主たる債務は消滅していますがAさんからしたら納得いかないですよね。

そこで、このような場合においてABCはお店に対して連帯債務を負っているという解釈になり、AさんはBさんとCさんにそれぞれの負担分を請求することができます。

このことを連帯債務といい、AさんがBさんとCさんそれぞれに支払いを求めることを「求償」というので覚えておきましょう。

まとめ

今回は「保証」と「連帯保証」、そして「連帯債務」についてお伝えしました。

保証債務と連帯保証の違いはもちろんのこと、連帯保証と連帯債務の違いも本試験ではよく問われます。

ここまでお読みいただいてわかったかと思いますが、非常に混同しやすい分野でもあるので繰り返し勉強して知識を定着させていきましょう。

次回は「共有」「区分所有法」についてお伝えします。

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織瀬ゆり

織瀬ゆり

某信託銀行退職後、フリーライターとして独立。在籍時代は、株式事務を中心に帳票作成や各種資金管理、顧客対応に従事。宅建士およびFPなど複数資格を所持しており、金融や不動産ジャンルを中心に幅広いジャンルで執筆活動を行っています。プライベートでは2児の母として育児に奮闘中。

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