学習記録

【独学で宅建合格】試験によく出る「 物権変動の対抗問題 」

投稿日:2020年10月29日 更新日:




宅建受験生の応援ブログ、 今回のテーマは「 物権変動の対抗問題 」。

こんにちは、今年こそ宅建合格を勝ち取りたい崖っぷちすぎる受験生です。不動産会社のサラリーマンが宅建試験に何度も落ちると、状況はもう崖っぷち。似たような境遇の方、一緒にがんばりましょう!

 

前回は「物権変動」について学びました。今回はその続編となる「物権変動の対抗問題」にフォーカスします。

物権変動の対抗問題 :先に登記をした方が勝つケース

前回の記事で紹介した「詐欺・強迫により生じた物権変動の対抗問題」。

不幸にも対抗関係になってしまった二者のうち、所有権を主張できるのは、詐欺でも強迫でも「登記を先にした方」という結果でした。

根拠となるのは民法177条。そこには「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない」と書かれてあります。

対抗関係

民法では、このように登記を怠る者に不利益を与えることで、「自分の財産を守りたいなら登記しようね」と促す狙いがあるそうです。

登記は義務ではありません。しかし、法務省によると、登記簿を一般公開することで「権利関係などの状況が誰にでもわかるようにし,取引の安全と円滑をはかる役割をはたしています」とのこと。義務でなくとも登記してほしいわけです。

そして、177条のような規定で登記の必要性を暗に示し、登記を促すことで、スムーズな取引を実現しようとしているのですね。

 

さて、詐欺・強迫の他にも二重売買のような構図に至るケースはさまざま。「先に登記をした方が勝つケース」がいくつかありますので、紹介していきます。

 

物権変動の対抗問題:契約解除後に売却されたことによる対立

例えば、売主AがBに不動産を売り、B名義の移転登記も完了したとします。

ところが、Bが代金を払ってくれないため、Aは契約を解除したものの、Bは自分が名義人であるからと不動産を第三者Cに売ってしまった場合。

この時の二重売買の(ような)構図は、詐欺・強迫の場合と変わりません。所有権はAからBに移った後、契約解除によりAに戻ります。しかし、解除後とは言え、Bと売買契約を結んだCにも所有権があるように見えます。

従ってBが、あたかもA・Cに不動産を二重売買したような構図になるわけです。両者は図らずも対抗関係になり、先に自分名義の登記をした方が所有権を取得できることになります。

 

物権変動の対抗問題:時効完成後に売却されたことによる対立

次は、不動産の取得時効後に売却され、占有者と第三者が対抗関係になるケースです。

例えば、Bが所有の意思を持って平穏かつ公然にAの不動産を占有していたとします。20年が経ち(善意・無過失なら10年)、取得時効が完成したことで所有権は占有者Bに移ることになりますが、一方で時効完成後にAが第三者Cに不動産を売却してしまった場合。

この時、占有者Bには取得時効による所有権が、第三者Cには売買契約による取得権がそれぞれあるように見え、Aによる二重売買の様相を見せることになるのです。この場合も、先に不動産登記をした方が所有権を取得できます。

 

時効完成前ならどうなるの?

では、時効完成前にAが第三者Cに不動産を売却した場合はどうでしょう。

この場合、占有者BはCに対して当然に取得時効を主張できることになります。

なぜなら、Cが「第三者」でいられたのは不動産を買う時まで。買ってしまった以上、占有者BにとってCは「取得時効が完成する時の所有者」であり、時効により所有権を失う「当事者」になるからです。

時効ですから、Bには登記なんて必要ありません。もちろん、占有者BとCは対抗関係にもありません。時効が完成した時、占有者BはCに向かってこう言うかもしれませんね。

伊〇山「お前の負けーっ!!!」(ドラマ「半沢直樹」より)

 

物権変動の対抗問題:遺産分割協議後に(元)持分を売却されて対立

さて、ともすると「争族」とも揶揄される相続。相続発生時ならトラブルの火種はいっぱい。いかにも対抗関係は生まれそうです。宅建試験でよく問題になるのは、遺産分割協議の“後”の対抗関係です。

 

例えば、故人である被相続人Aが、相続財産となる不動産と、相続人B・Cを残したとします。B・Cは遺産分割協議を行ない、すべての不動産をBが相続することになったものの、Cが第三者Dになぜか不動産を売り払ってしまった場合。

「遺産分割協議をしたんだよな…」と甚だ疑問を抱く内容ですが、Cの驚くべき蛮行により、相続人Bと第三者Dは結果的に対抗関係になってしまいます。

なぜか。

まず、遺産分割協議によりBが不動産を相続すると決まった時、不動産の所有権は被相続人Aが死亡した時点にさかのぼるとされています。そのため、Aが死んだ時点で不動産はBが相続したと解釈されるわけです。

従って、被相続人Aが死んだことで、不動産の所有権における「Cの持分」(所有権の半分)はいったん相続人Cに移った後、遺産分割協議により自動的にBに移転し、(元)持分扱いになると考えられます。

争族

 




やはり登記がカギになる

一方、相続人Cと売買契約を結んだ第三者Dにも所有権があるように見えます。つまり、相続人Cを起点に、相続人B、そして第三者Dに不動産が二重売買されたような構図が出来上がるわけですね。

B・Dどちらも気の毒ですが、この場合も、先に不動産登記をした方が所有権を取得できます。BとしてはCが持っていた(元)持分を取り返すため、またDにとっては売買契約の結果として得たはずの所有権(同じくCの持分)を手にするため、それぞれ登記が必要になってくるのです。

 

ただ問題は、争点が不動産におけるCの(元)持分という点。所有権の半分なのです。もし、これでBが先に登記をしたら、不動産は完全にBの所有となります。

遺産分割協議に関係なく、Bは所有権のもう半分を自分の持分として相続していますから、少なくとも自分の持分については当然に所有権を主張できるのです。そこにCの持分が加われば、不動産を単独で所有できることになります。

しかし、Dが先に登記をしたら厄介です。Dは不動産の所有権の半分を手に入れることになり、Bももう半分を持っていますので、不動産はBとDの共有状態になります。

 

遺産分割協議前ならどうなるの?

では、遺産分割協議前に相続人Bに無断で、相続人Cが第三者Dに不動産を売り払った場合はどうでしょう。

結論から言うと、相続人Bと第三者Dは対抗関係にはなりません。しかし、第三者Dの権利が保護されるためには結局のところ登記が必要になってきます。

残念

というのも、民法909条の規定に「遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない」と但し書きがあるからです。

第三者Dにとって遺産分割協議は関係のない話です。

それに遺産分割協議は必ずしなければならないものでもありませんし、期限もありません。不動産を買った後、急に「遺産分割協議をしたので残念ですが不動産はあなたの物ではなくなりました」なんて言われても困るわけです。

そのために、民法では但し書きを加えて第三者保護を図っているのです。しかし、無条件で保護されるわけではないようで、権利を主張するためには登記が必要とされています。結果だけ見ると「やはり登記が必要」「登記しましょう」ということになるわけです。

 

さて、「物権変動の対抗問題」について見てきましたが、お分かりいただけたでしょうか。宅建コントにも物権変動の回がありますので、ぜひこちらもご覧になってください。

 

【芸人宅建コント20】「物権変動」契約解除後に不動産が売却された場合

 

では、最後に例題を解いて、「物権変動の対抗問題」についてさらに理解を深めていきましょう!

 

例題1.取得時効後

【〇×問題】AがBから甲土地を購入したところ、甲土地の所有者を名乗るCがAに対して連絡してきた。Cが時効により甲土地の所有権を取得した旨主張している場合、取得時効の進行中にBA間で売買契約及び所有権移転登記がなされ、その後に時効が完成しているときには、Cは登記がなくてもAに対して所有権を主張することができる。

 

【解説】
正解は「

不動産の取得時効が完成する前に元の所有者Bから不動産を買い受け、現所有者となったA。このAは、取得時効により主有権を主張しているCと対抗関係にはありません。

むしろ、元所有者Bに代わり、取得時効が完成したことで所有権を失うことになる現所有者に過ぎません

大事なのは、所有者がAでもBでも関係なく、Cの取得時効が完成し、所有権を主張していること。そもそも対抗問題が生じていないため、Cは所有権を主張するのに登記を必要としません。従って、本問は〇となるわけです。

 

例題2.遺産分割協議後

【〇×問題】被相続人Aが死去し、相続人BとCが遺産分割協議を行なった結果、相続財産である甲不動産の所有権をBが相続することとなった。しかし、遺産分割協議後にCは第三者Dに甲不動産を売却した。このとき、Bは遺産分割協議の結果からAの死亡と同時に甲不動産の所有権がBに移ったとする民法909条の規定に基づき、登記がなくても甲不動産の所有権を第三者Dに対して主張できる。

 

【解説】
正解は「 ×

遺産分割協議の後、相続人が(元)持分を第三者に売却したり譲渡したりした場合、遺産分割協議で(元)持分を相続開始時(非相続人の死亡時)にさかのぼって相続したはずの相続人は、第三者と対抗関係になります。

そのため、登記がなくても所有権を主張できるとする本問は×となります。

ちなみに、第三者Dが先に登記をした場合、Cの(元)持分を所有することになります。従って、甲不動産はBとDの共有状態となります。

 

使っている教材の紹介

ちなみに、私が使っている教材はスタケン宅建講座という通信講座です。

なぜゴリラなのかは謎ですが(笑)、ゴリラマーク以外で一番の魅力はやはりコスパ。大手予備校だと、受講料や教材費で20万円近くかかりますからね…。一方、スタケンは3万円前後。かなり安い方だと思います。

しかも、「合格したら、受講料を全額返金」してくれるのは嬉しいですね!

これから教材を揃える方はぜひ検討してみてください。




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崖っぷちすぎる受験生

宅建士資格の取得をめざすのも、 勉強不足のため宅建試験に2回落ちてしまい、上司に目を付けられてしまう。周りの同僚はスタケン宅建講座を使って次々と合格しており、状況はすでに崖っぷち。もう後がない。いつ勉強するの? 今でしょ!

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