学習記録 権利関係

【独学で宅建合格】宅建の基本「 意思表示 」と契約の無効・取消

投稿日:2022年1月31日 更新日:

宅建受験生の応援ブログ、今回のテーマは「 意思表示 」と契約の無効・取消。

 




今年こそ宅建合格をつかみ取りたい「崖っぷちすぎる受験生」のブログにようこそ。

今回は「意思表示」契約の無効・取消について。権利関係で最序盤に出てくる単元です。とても基本的なことですので、しっかり理解してから次の単元に進みましょう。

意思表示 とは何か

《意思表示》とは「契約を成立させるために当事者が意思を表すこと」

複数の当事者による意思表示がマッチングすることで”契約”という法律行為は成立するのです。この意思表示、次のような段階に分けられます。例を参考に意思表示の流れを見ていきましょう。

 

【意思表示の例】新築物件を買いたい

―買主(下の図では A)—
①《動機》いい感じの新築物件がほしいなあ…
②《意思》甲物件なら良さそうだな。希望どおりだし、買おう!
③《表示》「甲物件を買いたいのですが!」
―売主(下の図では B)―
①《動機》甲物件を高値で売りたいなあ…
②《意思》お、この人なら高値で売れそうだ!
③《表示》「オッケー、売ります!」

意思表示2

このように、双方が自らの動機に従って意思表示を行い、お互いの思惑が一致することで契約が成立する運びとなります。

ちなみに、契約は口頭で可。書面での契約が必須というわけではありません。口頭で契約するなんて不安すぎますけどね(笑)

契約

ただし、人間関係とは複雑なもの。

相手方が嘘を言ったり、自分が勘違いしたりして、誰かが損をしてしまう契約が生まれることもあります。私人間の法律関係に対して正義を貫こうとする民法では、いろいろな条件下での意思表示について、契約の「無効」、または「取り消し」を定めています。

 

契約の無効・取消

《無効》とは、契約締結後でも、初めから契約が無かったことになること。契約はそもそも無かったことになりますので、契約履行の請求はできません。すでに履行されている場合は、返還を請求することができます。

一方、《取り消し》は、主張すれば契約時から無効にできることを指します。取り消しを主張できる者が「取り消します」と言えば、契約時にさかのぼって、契約行為自体が無効になるわけです。

では、どのような条件下で無効や取り消しが可能になるのでしょうか。

 

無効となる場合

◆虚偽表示…買主と売主が手を組み、嘘の契約を結ぶこと。

例えば、借金取りから財産を守りたいAが、悪友Bに買ってもらうふりをしてもらい(通謀)、名義だけ変えて他人の目をあざむこうとする例が挙げられます。意思表示の《動機》と《意思》が一致しておらず、虚偽の売買契約となるため、契約自体がそもそも「無効」となります。

虚偽表示

◆心裡留保…本人の真意を心のうちに留め、真意とは異なる内容を表示すること。

例えば、売主Aが買主Bに、売る気もない物件を冗談で売ろうとするような事態を指します。こんなことって実際にあるのか不思議ですが、仮に契約が締結した場合、皆さん、どうなると思います?

2パターンあるのですが、買主Bが善意なら契約は有効、悪意なら無効となるようです。スタケンの例題で初めて心裡留保の学んだとき、売主Aはいったい何がしたいんだと悩みました。いまや迷宮入りです。

心裡留保

 

契約を取り消せる場合

◆詐欺…相手をあざむいて不当な契約を結ばせる行為。

◆強迫…恐怖感を与えて契約を迫る行為。

詐欺も強迫も同じパターンですので、一つにまとめました。どちらも主張すれば契約を取り消すことができます。悪には厳しいのです。

詐欺と脅迫

それでは例題を解いて、さらに理解を深めていきましょう。

 

【例題】この内容は〇か×か(意思表示)

売主Aが、買主Bに住宅用地を売却した。売買契約を締結した後で、売買に関して売主Aの詐欺行為が発覚した場合、発覚時点で当該売買契約は当然に無効となる。

 

正解は「 × 」です。

詐欺の場合は取り消せるだけですので、主張しないで契約を無効にすることはできません。ちょっとイジワルな問題でしたが、わかりましたでしょうか??

最後に、取り消せるグループの大物「錯誤」を紹介します。

 

錯誤

◆錯誤…勘違いのこと。《表示の錯誤》と《動機の錯誤》の2種類あり。

この単元で最も難しいのが、この錯誤でしょう。

他とは格が違うので、あえて見出しをつけさせていただきました。

この難しい錯誤。実は2種類あり、表示の錯誤、動機の錯誤に分かれます。それぞれ見ていきましょう。

 

表示の錯誤

《表示の錯誤》は…

例えば、私がお部屋を借りる際、貸主が希望したのと別物件の契約書を持ってきたとします。言われるがままサインしてしまった私。後になって、「えっ、戸建ての賃貸だったのに1K借りてる!?」となった場合…。

この場合、契約書にサインすることが”表示”に当たります。私は「戸建てを借りたい」と思っていたわけですから、該当する契約書にサインしたいところ。でも、実際にサインしたのは1Kの契約書。つまり、”表示”の段階で間違いがあったわけです。

この場合、私は主張することで契約を取り消すことができます

 

動機の錯誤

一方、《動機の錯誤》は、契約当事者の見えない動機が、勘違いにより契約内容と食い違ってしまっていたことを指します。

なんだか難しいですね。前述した意思表示の流れで説明するとこんな感じです。

 

【動機の錯誤】
《動機》犬を飼える新築物件がほしいなあ…
《意思》甲物件なら良さそうだな。ここにしよう!
《表示》「甲物件を借りたいのですが!」
《契約》ラッキー♪ 良い物件を借りることができた!
《発覚》げっ、ペット不可ってなってるよ!
《主張》犬を飼いたいから契約取り消しで…。え、ダメなの!?

 

そう、ダメなんです‼

動機なんて他人にはわかりませんからね。言わなきゃわかりません。ただし、「お部屋で犬を飼いたい」という動機を事前に表示していれば、主張することで契約を取り消すことができるとのこと。《動機の錯誤》は事前表示で取り消し可、というわけです。

話す

さて、契約が無効、または取り消せる色々なパターンを見てきました。思った以上にボリュームが多くなってしまいましたね。

無効と取り消しの話は、2者間ですとまだわかりやすい話なんですが、ここに第三者が絡んでくると途端にややこしくなってきます。

宅建試験でも出題されやすいと聞きますので、しっかり押さえておきたいですね。第三者を交えた話は、また機会を設けて個別に書いていけたらと思います。

 

使っている教材の紹介

ちなみに、数ある宅建教材のなかで私が使っているのはスタケン宅建講座というゴリラマークの教材です。

なぜゴリラなのかは謎ですが(笑)、ゴリラマーク以外で一番の魅力はやはりコスパ。大手予備校とか通信講座とかだと、受講料や教材費で20万円近くかかりますからね…。一方、スタケンは3万円前後で試験対策ができてしまうので、かなり安い方だと思います。

しかも、「合格したら、受講料を全額返金」してくれるのは嬉しいですね!

これから教材を揃える方はぜひ検討してみてください。

 

それでは、今回はここまで。次回は「第三者が絡む虚偽表示」について見ていきます。




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