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【事例・業務コンサルティング】ベルエステート株式会社

【事例・業務コンサルティング】ベルエステート株式会社
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投資利回り12%。エリアマーケティングでリノベに「根拠」を。

ベルエステート株式会社

千葉県は木更津、袖ケ浦、君津、富津を中心に賃貸・売買の仲介業務を行なう。地域に根差した事業展開に地主の信頼も厚い。平成元年の創業から間もなく30年。目指すは『お客様が安心して、何でも相談できる不動産会社』

導入前の課題

オーナー(管理外)からの空室相談にどのように回答するべきか
・全16戸、空室4戸
・この1年半、空室決まらず
・前回は4.2万円でようやくの成約だったが、オーナーが5万円以上の成約にこだわる

導入の効果

・現空室4戸+その後の空室2戸のリノベーション受注
・満室達成
・管理受託

難題の空室対策

木更津駅至近に店舗を構え、地域の不動産取引を担うベルエステート社。地域密着で活躍する同社には、その信頼の高さから、管理委託の是非に関わらず様々な相談が持ち込まれると云います。
しかし、中には厄介な案件も…。
「空室に困っているオーナー様がいるんですが、対策するにも状況が厳しすぎて…」
声をかけていただいた物件は、4階建て・エレベーターなしのファミリー向け築古マンションでした。

オーナーの納得をどうやって得るか

堀切(ベルエステート):
当社に相談が来た時点ですぐに難しい案件であることは分かりました。全体の1/4が空室で、前回の成約は1年半前。RCでも間取りは陳腐で、4階建て・エレベーターなし。空室は上り下りのつらい3階・4階が中心です。しかも、オーナー様は5万円より家賃を下げずにどうにかしたいと仰っている…。

前回の成約が4.2万円でやっとでしたから、普通に考えたら「それ以下」まで家賃を下げないと決まりませんよね。ちょっとやそっとの空室対策では「約1万円の賃料差を埋めつつ早期契約」なんて不可能です。
家賃を下げるか、大々的な空室対策をして家賃を上げるか、どちらかだと思うのですが…、しかし、どちらの提案もオーナー様の希望とは正反対で、納得してもらえそうにありません。

相談を持ちかけたのは、コンサルタントの原田さんでした。
「どんな空室対策が提案できると思いますか?」
苦笑いで問いかけた私に、原田さんは「調べてみなければ分からないですね」と答えたのを憶えています。

企画をするなら「根拠」が必要

原田(オーナーズエージェント):
堀切さんから話を伺って、まず4部屋ともリノベーションだろうなと思いました。陳腐化した物件が、何もせずに1万円以上高く決まるという状況は、はっきり言って奇跡です。しかも、そんな奇跡は半年以内に4連続で起こったりしません。

とはいえ、安易な大型施工はオーナー様の財産を圧迫します。リノベーションをするにしろ、しないにしろ、まずは周辺地域のニーズを調べなければ最適解は出ないだろうと考えました。

堀切さんには当社の「Mr.マーケティング」を使ったエリアマーケティングをご提案し、ご快諾いただきました。ベルエステート社とともにすぐに調査を開始し、周辺の約1000戸の間取りや構造、賃料、稼働率等を調べ上げました。

結果、当該物件の意外な魅力が判明します。調べてみると、周囲の物件の大半が、木造または軽量鉄骨の2階建てアパートだったのです。
それもそのはず、当該地域は某ハウスメーカーの勢力圏であり、似たような賃貸アパート商品が大量に供給されている状態でした。これはRC造のマンションの希少性を十分に活かせるエリアです。

マンションタイプの魅力を前面に押し出し、周囲にない大胆な間取りを提供することができれば、十分に空室改善・賃料アップが見込める。
私たちのリノベーション企画に「根拠」が備わった瞬間でした。

ターゲットを絞ったリノベーション提案

堀切:
このエリアでは、ファミリータイプの賃貸ニーズの幅はそれほど広いものではありません。一般的な単身者はアパートで満足してしまいますし、お子さんのいる世帯も、子供が大きくなるにつれて自宅を購入してしまうからです。
よって、リノベーション企画は以下のようなターゲット設定で進めました。

・広めの1LDK:家賃手当が出るような余裕のある単身者、またはカップル
・2LDK:カップル、夫婦、小さい子ども連れの夫婦

アパートばかりの地域で、我慢して今の物件に住んでいる人も少なくありません。そんな市場にRCのお洒落な1LDK/2LDKをつくったら、必ず早期の空室解消が叶うはず。
調査結果に基づいた企画でしたので、リノベーションの効果については自信がありました。

ただ、高額投資に後ろ向きなオーナー様でしたので、施工費がネックでしたね。
工期は2ヶ月程度で、コストは1戸あたり300万円。4部屋で約1200万円という大型リノベーション企画でしたから。

案の定、企画を持ち込んだ段階では、オーナー様は首を縦に振って下さいませんでした。
「もう少しこのまま募集を続けてみる」
その意見が変わったのは、続けざまに2件の解約が発生し、空室が6戸に増えてからです。

はまったターゲット設定。利回り12%を実現

原田:
最終的には6戸すべてがリノベーションされました。間取りも、もともと3DKであったところを、広めの1LDK/2LDKに変更していきます。

エレベーターのない物件のため、4階の2部屋は単身者・カップル向けの1LDKに、3階以下の4部屋は、小さいお子さん連れの夫婦向けに2LDKへと改装することを提案しました。特に2LDKの4室には力を入れ、ターゲットに小さいお子さんがいることを前提に、全室にカラー畳を用いた和モダンテイストの和室を導入しました。

和室は敬遠される傾向にありますが、それは和室が悪いのではなく「古臭い」「野暮ったい」という印象になっていることが問題なんです。デザインに気を配れば、畳の部屋はメリットも大きく、強い武器となります。

たとえば、畳であれば子どもの怪我防止のためのフロアマットやジョイントマットを用意しなくて済みますし、安心して寝転がることもできます。しかも、畳の下は全て床下収納とし、普通の洋室では得ることのできない贅沢な収納スペースを確保しました。増えるばかりのおもちゃに、すぐに着られなくなる衣類…、小さいお子さんのいる夫婦に、この和室は「刺さる」と考えました。

さらに、4室それぞれに赤・ブルーバイオレット・イ草・シルバーの4色のカラーコンセプトを与え、「この1室以外に同じデザインの部屋はない」というプレミア感を付与。若い感性に響くような刺激的な内装に仕上げました。

堀切:
リノベーション後――、1年半前に4.2万円でしか決まらなかった3DKの部屋が、2LDKへのリノベーションによって見事、7.3万円で成約を勝ち取りました。
賃料アップ3万円ということは、年間36万円の収益改善。リノベーション費用は1室300万円ですから、投資利回りは12%です。

これだけの結果を、センスや当てずっぽうで引き当てるのは難しいと思います。リノベーションという選択肢は選べても、ここまではっきりと成果に繋がる間取り・コンセプトには調査結果なくして辿りつけなかったでしょう。最初に原田さんがおっしゃったとおり「調べてみなければ」分からなかったことです。今回の調査結果は、地元で営業する私たちにも新しい発見を与えてくれました。

当該物件はその後も順調に稼働しています。また、このリノベーションを機に、オーナー様より同物件の管理も受託することができました。コスト意識の高いオーナー様だからこそ、「お金をかける意義」が形として見えたことが気に入ったのだと思います。
(ベルエステート株式会社 堀切太郎様)

堀切様はシャイな方なので・・・

空室対策・建築プロデュースを得意とする、コンサルタント 原田。

なぜこの企画なのかを説明できるか

当事例でもそうであったように、訴求力を失った物件のオーナー様は、その物件に改めて多額の投資を行なうことを躊躇われます。空室であることが普通になってしまうと、お金をかけてもその空室を埋められないのではないか、という感覚に囚われてしまうのです。

しかし現実には、再投資なくして収益改善は叶えられません。賃貸管理会社の仕事がプロパティマネジメント=オーナー様の収益の最大化であるなら、私たちはどうにかして、オーナー様の再投資を促さなければならないでしょう。
そして何より、オーナー様に「ギャンブル」をさせないことです。堀切さまのおっしゃる通り、「センスや当てずっぽう」のリノベーションでは成果に繋がらないからです。
賃貸経営の成功のヒントは、現場をくまなく調べて初めて目の前に姿を現します。

導入企業

ベルエステート株式会社
千葉県木更津市東中央2丁目1-15
店舗代表者:石井知明
事業内容:センチュリー21加盟。千葉県は袖ケ浦、木更津、君津、富津各市を中心に一般住宅、事業用地等の仲介業務及び賃貸業務を行う。
URL:http://www.c21bell.co.jp/


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