宅建試験合格を目指す人の中には「模試をやろうか迷っている」という人もいるのではないでしょうか。
「宅建試験は過去問の焼き直し」という意見もあるため「模試は後回しにしよう」などと思ってしまうのも理解できます。
しかし、模試を受けることでしか得られないメリットも複数あります。
この記事では、過去問だけでは合格が難しい理由や、宅建合格者の多くがやっている「模試」を受けるべき理由について紹介します。
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この記事で学べること
宅建模試を受けることでしか身につかない4つのメリット
宅建は「過去問をやれば合格できる」と思われがちですが、過去問以外の対策として、模試を受けることでしか得られないメリットを紹介します。
模試を受けるメリットは下記の4つです。
- 時間配分が分かる
- 見慣れない問題に強くなる
- 法改正に対応した問題に強くなる
- 本番の試験をイメージできる
それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
宅建模試のメリット①時間配分が分かる
模試を受けることで、自分の時間配分を考えることができます。
どれだけ過去問をやり込んでいても、限られた時間というプレッシャーの中で、初めて見る問題を正しく解くのは難しいものです。
宅建は「権利関係」「宅建業法」「法令上の制限」の分野に分けられていますが、誰にでも得意不得意分野があるでしょう。
そこで、模試を受けることで、どの分野にどれくらい時間をかけるか、どの分野からスタートするか、見直しの時間はどれくらい必要か、など試験本番での時間配分を考えることができます。
宅建模試のメリット②見慣れない問題に強くなる
見慣れない問題に強くなるのも、模試を受けることでしか得られないメリットです。
宅建は過去問の焼き直しとは言え、宅建試験本番で全く同じ問題は出題されません。
たとえ同じようなことを問われていても言い回しが違っているため、問題の印象は異なるでしょう。
つまり、試験本番ではどれも見慣れない問題なのです。
試験本番で頭が真っ白にならないためにも、模試を受けて見慣れない問題に対応できるようにしておきましょう。
過去問をしっかり周回して自信がある人こそ、見慣れない問題だと焦ってしまう可能性があります。
宅建模試のメリット③法改正に対応した問題に強くなる
模試を受ければ、法改正に対応した問題も実践できます。
当然ですが、過去問には法改正に着目した問題はありません。
法改正に合わせて内容を変更したり、問題自体が削除されていますが、新たに変更になった部分に着目した問題は模試でしか実践できないのです。
特に、法改正された部分は試験で問われやすいと言われているので、模試を受けて「どのような文章で問われるのか」など確認しておくと良いでしょう。
宅建模試のメリット④本番をイメージできる
試験本番をイメージして、マークシート形式で解くことも重要です。
塗りつぶすだけのマークシートは簡単に感じますが、マークシートに慣れていないと回答欄を飛ばしてしまったり、自己採点ができなかったりなど、ちょっとした問題が起こりやすいです。
小さなことですが、模試を受けてマークシートにも慣れておくことをおすすめします。
また、試験本番はいつもと違う環境で行われます。
特に、ここ最近の試験は感染症対策で窓を開けて行うため「外の騒音がひどくて全然集中できなかった」などと言う意見もありました。
事前にいつもと違う環境で模試を受け、宅建試験本番のイメージを想定しておきましょう。
宅建の模試はいつからやるべきなのか
模試を受けるべき理由は分かっても「いつ頃から、何回くらい受ければいいの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
勉強のペースは人それぞれですが、10月中旬に試験を受けるとして、約1ヶ月前の9月上旬から中旬までに1度は模試を受けてください。
そこから自分の苦手な分野を再度復習し、1週間に1回ほどのペースで合計4回は模試ができると、試験本番も焦らず自信を持って挑めるでしょう。
模試が不要ではない!宅建は過去問をやり込むだけでは足りない理由
宅建試験合格を目指す多くの人が「宅建は過去問をやれば攻略できる」という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。
たしかに、宅建試験は過去問から約7〜8割出題されると言われ、合格するには過去問を何度もこなすことが重要です。
では、なぜ毎年多くの受験者が「過去問をやれば攻略できる」と分かっていながら、不合格になるのでしょうか。不合格になってしまった受験者全員が「過去問をやっていなかった」ということは考えにくいですよね。
もちろん「時間がなくて過去問が2周しかできなかった」などという人もいるかもしれませんが「過去問はしっかり解いたのに」「過去問の正解率は良かったのに」不合格になってしまった人もいます。
つまり、宅建試験で結果を出すには「過去問をやり込む」だけでは足りず、他にも対策が必要になります。
受験者が宅建試験の難易度をあげた
宅建試験の歴史を見ると、第1回目の試験は1958年に行われたので、60年以上もの歴史がある国家資格ということになります。
初年度の合格率は93%と、かなりの高確率で合格していますが、そこから少しずつ合格率は下がり、今から約40年前からの合格率は一度も20%を超えていません。
このように過去の合格率を見ると、宅建試験が少しずつ難化していることがわかります。
宅建試験が難化した理由の1つは、受験者が「過去問をやれば攻略できる」という言葉を信じ、知識レベルをあげてきたからでしょう。
過去問をやり込んで受験し合格してきた歴史を見ると、当然、過去問を完璧にする受験者が多くなるわけです。
受験者の知識レベルが高まると、自然とそのレベルに満たない受験者が不合格となります。宅建試験はそれを繰り返し、難易度をあげたのでしょう。
過去問やるのは「当たり前」
近年の受験者は「宅建は過去問をやれば攻略できる」という言葉を聞いたことがあるため、本気で合格を目指している人が「過去問をやり込む」のは、もはや当たり前です。
実際、宅建試験に合格した人の多くが、過去問を7周以上周回し、さらに「過去問だけなら8~9割くらい正答」できるレベルまで仕上げています。
「そんなに何度も解く時間がない」という人には少し厳しいかもしれませんが、合格を目指している人は、当たり前に過去問をやり込んでいます。
宅建の人気が高まった
ご存知の通り、宅建士は人気の国家資格です。
過去10年の受験申込者数を見ても、 毎年の申込者数は20万人を超えています。
宅建士とよく比較される国家資格の「令和2年度受験申込者数・受験者数」を比較してみましょう。
国家資格の名称 | 受験申込者数 | 受験者数 |
宅建士 | 259,284人 | 204,250人 |
行政書士 | 54,847人 | 41,681人 |
マンション管理士 | 14,486人 | 12,198人 |
管理業務主任者試験 | 18,997人 | 15,667人 |
上記の表を見ると、宅建士の人気が群を抜いて高いことが分かります。
一般的に受験者数が多ければ多いほど合格率は低くなる傾向があるため、宅建の人気が高くなるに連れ、学習意欲も向上し試験難化が進んだのでしょう。
まとめ
模試を受けることでしか得られない4つのメリット
- 模試を受けることで、試験本番での時間配分を考えることができる。
- 過去問とは違う、見慣れない問題にも強くなる。
- 法改正に対応した問題も実践できる。
- 試験本番の環境をイメージできる。
- 模試は9月上旬から中旬までに1度は受ける。
「宅建試験は過去問の焼き直し」という意見もあるため「模試は後回しにしよう」などと考える人も少なくありません。
しかし、宅建試験は難化しており、合格率も毎年15~17%の国家資格です。
結果を出すには、もはや「過去問をやり込む」だけでは足りないのです。
もちろん過去問も重要ですが、試験本番に備えて積極的に模試も受けましょう。
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