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宅建士の登録申請に必要な書類や登録方法を総まとめ!宅建士証交付までの流れとは

投稿日:2021年11月19日 更新日:

努力が実を結び宅建試験に合格された方、おめでとうございます!!

…なのですが!!!

まだ宅建士になれたわけではありませんっ!!

一息つきたいところですが、宅建士として業務に従事するには宅建士の資格登録が必要です。そう、この登録がかーなーり!面倒大変なんです。

ご存知の方も多いと思いますが、提出書類を準備するのがけっこう厄介だったり、2年以上の実務経験がない場合は講習を受ける必要があったり……

宅建士への道のりはまだまだ険しいのです。

ここでは1年前に晴れて宅建試験に合格し宅建士を取得した自分が、宅建士の登録方法や宅建士証交付までの道のりをご紹介します。

本記事のまとめ
  • 宅建士の登録をするためには3つの要件がある
  • 実務経験が2年未満と2年以上では登録の流れが異なる
  • 宅建士として登録を受けると3つの独占業務をこなせるようになる
  • 現時点で宅建試験に合格していない方は、まずは試験に合格しよう
  • 宅建士の資格を最短で取得するなら、勉強のモチベーション維持に特化したスタケンの利用がおすすめ!
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宅建士の登録するための3つの要件

宅建士に登録できるのは、試験に合格することはもちろん、宅地建物取引業法第18条第1項各号に掲げる欠格要件に該当せず、次のア~ウのいずれかに該当する方と定められています。

(ア)宅地建物取引業の実務(一般管理部門は除く)の経験が2年以上ある者
(イ)国土交通大臣の登録を受けた宅地又は建物の取引に関する実務についての講習を修了した者
(ウ)国、地方公共団体又はこれらの出資により設立された法人において宅地又は建物の取得又は処分の業務に従事した期間が通算して2年以上である者

上記のように、宅建士に登録するには2年以上の経験が必要で、2年以上の実務経験がない人は講習(登録実務講習)を受けなければならないのです(やっと試験終わったのにまた勉強…)。

ちなみにこの実務経験、不動産会社でも総務や人事といったいわゆる管理部門の仕事は含まれません。

合格から宅建士の登録や宅建士証の発行するまでの流れ

宅建合格後の手続きは、「実務経験が2年未満の場合」「実務経験が2年以上の場合」で流れが異なります。

ここからは、それぞれの流れについて解説します。

実務経験が2年未満の場合

実務経験が2年未満の場合には、登録は以下の流れになります。

  1. ①宅建試験に合格する(宅建士試験合格者になる)
  2. ②「登録実務講習」 に申し込み、履修し、合格する
  3. ③宅建資格登録の申請をし、宅建士に登録される(宅建士資格者になる)
  4. ④宅建士証の交付申請をし、宅建士証を受け取る(宅建士になる)

登録実務講習は、先述のように宅建試験に合格した実務経験2年未満の人に向けたもので、修了することにより「2年以上の実務経験を有する者と同等以上の能力を有する者」と認められます。

この登録講習は全国の資格取得対策スクールなどで行われています。

受講の流れは…

・約1か月の通信講座を受講し、
・2日間スクーリングに通い、
・修了試験を受けてこれに合格

となっています。

登録実務講習を終えると登録実務講習修了証がもらえますが、これは後から説明する宅建士登録の際に必要になるのでなくさないようにしましょう!

ちなみにこの登録実務講習、各機関で1年を通して複数回実施されていますが、1~2月がピーク

また、小規模な機関では1~2月にしか行っていない場合があります。

善は急げではないですが、2年以上の実務経験がない人は早めに動く必要がありそうです。また、受講には機関により異なりますが、2万円程度の費用がかかります。

登録実務講習の有効期限があります。

修了期限以内に登録をしないと、また登録実務講習を受けなければいけなくなるので注意しましょう。

実務経験が2年以上の場合

2年以上の実務経験がある場合には、登録実務講習が不要になるため、登録の流れは以下のようになります。

(1)宅建の試験に合格する(宅建士試験合格者になる)

(2)宅建の資格登録の申請をし、登録される(宅建士資格者になる)

(3)宅建士証の交付申請をし、宅建士証を受け取る(宅建士になる)

実務経験の有効期限は自治体ごとに異なるため、対象の自治体のガイドラインを参照してくださいね!

登録実務講習を終えたことを証明する登録実務講習修了証

登録実務講習の様子はこちら↓

 

宅建士の登録手続きに必要な書類

登録実務講習を終えればいよいよ宅建士に登録ができます。

さぁ、登録に当たっては以下の書類が必要です!!!

・登録申請書
・誓約書
・身分証明書
(※本籍地の市区町村が発行。成年被後見人及び被保佐人とみなされる者に該当しない旨の証明、並びに破産者に該当しない旨の証明)
・登記されていないことの証明書
(※法務局が発行。成年被後見人及び被保佐人ではないことを証明する)
・住民票
(申請者本人の分。本籍・続柄の記載は不要)
・合格証書
(提示用の原本と提出用のコピーの両方)
・顔写真
(縦3cm×横2.4cmのカラー写真)
・登録資格を証する書面
(実務経験証明書や登録実務講習の修了証など)
・従業者証明書
(宅地建物取引業者に勤務し、宅地建物取引業に従事している人が対象)
・印鑑
・登録手数料、37,000円
(現金で。収入証紙ではないので注意)

また未成年の方(婚姻していない人のみ)は、営業に関する法定代理人の許可書と戸籍謄本も必要となります。

※こちらは東京都の場合。各都道府県で異なりますので、お住まいの地域の手続き案内をご確認ください。

身分証明書といっても運転免許証やパスポートではなく、本籍地の市区町村が発行するものだったり、法務局が発行する登記されていないことの証明書だったり、聞きなれないものが多いですね。

とにかく!これだけのものを用意しなければならないわけです。

それにしても「なんや?」「どこでもらえるの?」ってものがずらりと並んでいるので、申請方法を紹介します。

 

登録申請書

東京都では東京都庁のHPよりひな形をダウンロードできます。こちらを印刷し、記入例を見ながら記入していきましょう。

まずはこちら「登録申請書」

誓約書

こちらも東京都庁のHPよりダウンロードできますので、内容を確認して署名&捺印。「私は、宅地建物取引業法第18条第1項第3号から第12号までに該当しない者であることを誓約します」と誓いを立てるわけですが、こちらは宅建試験の出題範囲でしたね。

ひな形はダウンロード可。内容を確認し、問題なければ署名&捺印

身分証明書

「運転免許証持ってるのでOK」いえ、違います。この身分証明書は、成年被後見人及び被保佐人とみなされる者に該当しない旨の証明、並びに破産者に該当しない旨を証明するものです。本籍地の市区町村長が発行する書類で、本籍地より取り寄せなければなりません。

こちらが例の身分証明書

登記されていないことの証明書

東京法務局後見登録課及び全国の法務局・地方法務局(本局)の戸籍課で発行されます。

こちらも身分証明書のように成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の登記事項を証明します。

東京法務局後見登録課または全国の法務局・地方法務局の本局の戸籍課で取り扱っていますが、東京法務局後見登録課では郵送でも申請も可。

東京法務局後見登録課の郵送申請は住所地、本籍地に関係なく行うことができます。(申請書送付から手元に届くまでは1週間~10日程度かかります)

こちらがウワサの「登記されていないことの証明書」

住民票

お住まいの地域の役所で発行してもらえます。

いろいろ種類があるのですが、本籍・続柄の記載は不要。発行日から3か月以内、個人番号(マイナンバー)の記載されていないものを用意します。

電話予約、郵送、コンビニエンスストアの自動交付サービスもあるので、「忙しくて役所に行けないよ」という人はこれらを利用しましょう。代理人による請求も可能です。

わりと馴染みがある住民票

というわけでいろいろ申請して用意しなければならない書類があるわけです。

登録手数料の37,000円も痛い出費(合格は嬉しいけど)ですね…。とは言っても不動産会社では資格手当がつくことが多いので先行投資としましょう!

必要書類を提出し、宅建士の登録ができると登録完了通知が届きます。

さぁ!!残すは取引士証交付申請です!!

宅建士証を受け取るまでの流れ

宅建士の登録手続きが完了したら、いよいよ宅建士証を受け取ります!

宅建士証の資格がなくても、資格登録が無効になることはありません

しかし、宅建士として業務に従事するためには、宅建士証の発行が必ず必要です。宅建の資格登録が完了したら、宅建士証の受け取りまで行いましょう。

宅建合格から一年以内の場合

試験に合格してから一年以内の場合、窓口申請か郵送申請を行います。

試験合格後1年以内の方は、東京都住宅政策本部住宅企画部不動産業課へ。

必ず本人が来庁する必要があります(本人が来庁できない場合は、事前に不動産業課へお問い合わせください)。

ここで必要になるのが以下の5つです。

  1. 宅地建物取引士証交付申請書
  2. 顔写真(縦3cm×横2.4cmのカラー写真、同一のものを2枚)
  3. 印鑑
  4. 登録通知(ハガキ)
  5. 交付手数料4,500円(現金で※収入証紙ではない)

写真を2枚用意!こちらの写真で取引士証が発行されます。ワクワク。

うんっ!登録のときよりも簡単ですね♪東京都では即日交付(約30分)されます。

なお、試験合格後1年を経過している方は法定講習(1日間)を申し込み、受講する必要があります。

さぁて、かくして無事に取引士証を1年前にゲットしたわけですが、いかがでしたでしょうか?

宅建合格から一年以上の場合

宅建の試験合格から1年を超えた状態で申請する場合は、都道府県が指定する1日間(6時間)の法定講習を受講する必要があります。

申し込みには、以下の3つが必要です!

  1. 印鑑
  2. 写真3枚(登録申請や交付申請と同じ条件)
  3. 現金16,500円(受講料12,000円、取引士証の交付申請手数料4,500円)

法定講習は講習のみで試験などはありません。ただ、追加費用や時間的な拘束があるため、できるだけ一年以内に宅建士証の申請がおすすめです。

宅建士(宅地建物取引士)の登録でできるようになること

宅建士証の交付を受け、登録することで、不動産取引において重要な業務を行うことができます。

具体的には、以下の3つの業務が挙げられます。

  • 重要事項説明(35条書面)
  • 重要事項説明書(35条書面)への記名・押印
  • 契約書(37条書面)への記名・押印

参考:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

ここからは、それぞれの業務について解説します。

重要事項説明(35条書面)

重要事項説明とは、不動産取引を行う際に必ず行う業務です。不動産の状態や買い手と売り手が公平な取引をするために行います。

不動産の取引は、買い手と売り手の間に情報の非対称性があることが多いうえに、取引金額が大きい取引です。

手持ちの現金だけではなく銀行などの金融機関から借り入れを行っているケースも少なくありません。

「知らなかった」では済まない不動産取引では、買い手と売り手の間で、公平な取引ができるように専門資格を持つ宅建士による取引のサポートが必要です。

宅建士として登録することで、重要事項説明もできるようになるため、より責任のある業務を担当できるようになります。

重要事項説明書(35条書面)への記名・押印

重要事項説明をする際には、重要事項説明書という説明に必要な書類を利用します。

重要事項説明をしたあとには、宅建士が記名や押印をし完了したことを示すことが必要です。

宅建士になると、重要事項説明書記名や押印という公正な不動産取引の証明ができます。

契約書(37条書面)への記名・押印

重要事項説明と記名・押印が完了した後には、契約書を作成し記名と押印をします。

宅建士として登録することで、不動産取引を最初から最後まで担当できます。

宅建士は登録しないと資格失効するの?

宅建士は資格登録しなくても合格が取り消しになることはありません。

しかし、宅地建物取引業法第18条第1項各号に掲げる欠格要件に該当すれば、合格や登録の効力は欠格してしまいます。

一 宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者

二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

三 第66条第1項第8号又は第9号に該当することにより第3条第1項の免許を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者(当該免許を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前60日以内にその法人の役員であつた者で当該取消しの日から5年を経過しないもの)

四 第66条第1項第8号又は第9号に該当するとして免許の取消処分の聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に第11条第1項第5号の規定による届出があつた者(宅地建物取引業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で当該届出の日から5年を経過しないもの

五 第5条第1項第2号の3に該当する者

六 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者

七 この法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反したことにより、又は刑法第204条、第206条、第208条、第208条の3、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者

八 暴力団員等

九 第68条の2第1項第2号から第4号まで又は同条第2項第2号若しくは第3号のいずれかに該当することにより登録の消除の処分を受け、その処分の日から5年を経過しない者

十 第68条の2第1項第2号から第4号まで又は同条第2項第2号若しくは第3号のいずれかに該当するとして登録の消除の処分の聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に登録の消除の申請をした者(登録の消除の申請について相当の理由がある者を除く。)で当該登録が消除された日から5年を経過しないもの

十一 第68条第2項又は第4項の規定による禁止の処分を受け、その禁止の期間中に第22条第1号の規定によりその登録が消除され、まだその期間が満了しない者

十二 心身の故障により宅地建物取引士の事務を適正に行うことができない者として国土交通省令で定めるもの

参考:宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)

例えば、宅建合格後に破産した場合や禁錮以上の刑に処されてしまった場合には、宅建登録資格を失効してしまいます。

合格後も宅建士の登録は欠かせません!

試験の合格発表から取引士証交付までの道のりは…長いです!(こうして書くのも時間がかかりましたww)

そうは言っても、試験勉強の頃から振り返ると取引士証を手にしたときには、込み上げるものがありました。

さぁ!!今年の試験に合格された方、
試験勉強の日々に比べたら登録から交付申請なんてイージーモードですよ!

ただし、宅建試験に合格していない方は、スタケンの試験攻略に特化した動画講義で合格を目指しましょう。

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