入居率99%の影に入居者様対応の重い負担。スタッフの業務改善が焦点
プロパティエージェント株式会社
東京都新宿区に本社を置く不動産会社。2004年2月6日設立。東京・神奈川を中心に展開する高級賃貸マンションシリーズ「CRACIA(クレイシア)」など、不動産投資物件の仕入開発から販売・管理までをワンストップで提供するほか、不動産投資型クラウドファンディング「Rimple(リンプル)」の運営も行なう。東証プライム上場企業。
導入前の課題
- 入居者様からの電話が鳴りやまず、残業時間の増加や作業効率の低下につながっていた
- たび重なるクレーム対応によりスタッフが心理的に疲弊していた
- 入居者様の故意・過失以外の設備トラブルはオーナー様負担で業者を手配していたが、出費についてオーナー様を説得するのが大変だった
導入の効果
- 電話がほとんど鳴らなくなり、残業時間が減り、作業効率も改善した
- スタッフがクレームを直接受ける必要がなくなり、精神的な負荷が減った
- 駆けつけサービスで小規模なトラブルなら追加費用をかけずに対応できるようになり、オーナー様を説得する苦労が減った
入居者様対応で迎えた自社対応の限界
賃貸管理をするうえで入居者様対応は外すことのできない重要業務。そのため、信頼のおける自社スタッフを総動員して、多くの問い合わせを自社対応のみでこなし、サービスの品質確保を図る企業も少なくありません。しかし、管理戸数が増えてくると入居者様対応の数も増加し、今いる人的リソースでは対応が追いつかなくなってしまうのが賃貸管理の難しいところです。
今回インタビューしたプロパティエージェント株式会社も、膨大な入居者様対応に課題を抱えていた企業のひとつです。日中は入居者様対応に費やし、安心して事務作業ができるのは電話を締めきった夕方以降…。そんな日常を激変させ、働き方を大きく改善した同社にお話を伺いました。
鳴り止まない電話…、入居者様対応の負担改善が大きな課題に
——はじめに、御社の特徴や事業内容を教えてください。
森(プロパティマネジメント課 課長):
弊社のメインの事業は投資用マンションの企画・販売で、特に自社開発のマンションシリーズ「CRACIA(クレイシア)」の展開に力を入れています。また、最近は中古物件の買取再販も始めました。我々PM課では、そうした物件をお客様にご購入いただいた後のアフターフォローとして管理・運営を担当しています。
——売って終わりではなく、賃貸経営のサポートとして管理も担っているのですね。
守山(プロパティマネジメント課 専任課長):
はい。やはり不動産投資は購入してからが本番ですし、購入後に慌てて管理会社を探すのも手間ですから、物件自体も管理サービスとのセットを原則として販売しています。ほとんどのオーナー様に弊社の管理を選んでいただけていますね。幸い、入居率も好調で、現在は99%以上を維持できています(2023年8月現在)。
——99%以上! すごいですね。入居率の高さの理由は何でしょうか?
森:
そうですね、やはり物件自体の良さでしょうか。システムキッチンや浴室換気乾燥機はもちろん、光回線やBSCS放送といった分譲マンション並みの設備に加えて、最新の顔認証システムが全物件に搭載されているなど、充実した設備が気に入ってもらえているのだと思います。
また、特に気をつけているのが賃料を間違わないこと。いくら物件が良くても、賃料設定が相場より高すぎれば当然決まりません。それに、査定を間違えると、物件の施工費や販売価格にも影響しますので、計画通りの収益を確保しつつ満室経営を目指さなければならない新築の家賃設定は常に気が抜けないですね。
——高い入居率を維持するにはそうしたご苦労もあるのですね。一方で、入居率の維持には入居者様対応も重要だと思いますが、こちらはいかがでしたか?
森:
ええ、それはもう…、大変でしたね…。ひたすら電話対応していた記憶があります…。
守山:
昔を思い出すと、涙なしでは語れないですね…(笑)
――それほど大変だったんですか(笑)
森:
以前はコールセンターを使っていなかったこともあり、オフィスには電話の着信音がひっきりなしに鳴っていました。派遣社員で電話受付のチームをつくって対応したこともあるんですが、少しでも込み入った対応になるとすぐに社員のもとに電話が回ってきてしまうので、PM課の社員は本当に「ひたすら電話対応」という印象ですね。
守山:
そもそもピーク時は電話の本数が多すぎて、PM課全員で対応しなければいけない状況でした。それでも手が足りなくて、他の部署が代わりに電話を受けてくれたりも…。入居者様からこういうクレームがありましたよと、後から報告を受けることも珍しくなかったです。
——それほどとは…。それだけ電話が多いと、一日が電話対応で終わってしまうのでは?
森:
幸い、電話受け付けは19時で終了だったので、そのあとは多少余裕も…、いいえ、これ全然“余裕”じゃないですね(笑)
でも当時は、電話が鳴らなくなってようやく安心して業務を進められる、といった環境でした。必然的に残業時間も長くなりますし、身体はもちろん、精神的にもしんどかったですね。
守山:
精神的な面で言えば、一日の大半が入居者様対応となるとクレームを受け付ける機会も増えますし、スタッフのメンタルもかなり削られていたと思います。場合によってはひどい暴言を吐かれたり、意思疎通が難しかったり…。人の出入りの多い業界ですのでスタッフの離職も当然ありますが、入居者様対応のストレスが離職原因に多少なりとも影響していたように思います。
業務負担が一変。電話が鳴り止み、働き方が大幅改善
——ほかのコールセンターも検討されたと思いますが、プロコール24を選ばれた決め手は?
森:
いろいろありますが…、一番の決め手は架電してくれることですかね。
同時期に話を聞いたコールセンターのほとんどは、電話は受けるけれど、その先に入居者様への連絡や交渉があっても電話はかけないと話していました。ですが、プロコール24はそれをやってくれる、と。入居者様からの問い合わせに対して架電対応までしてくれるサービスは素晴らしいと思います。鳴った電話を受けて、管理会社に要件を伝えるだけでは、結局私たちが行なっていた「派遣さんに電話を取ってもらう」という仕組みとあまり変わらないですから。
——ありがとうございます!
森:
それと、コールセンターを検討していた当時(2022年6月当時)、プロコール24で駆けつけサービスが始まったのも大きかったですね。オーナー様や入居者様の心情はもちろん、管理業務のさらなる効率化を考えるなら、現場として駆けつけサービスはぜひ欲しいと考えていました。でも、すごく助けになりそうなプロコール24には、残念ながら駆けつけサービスがないという…。どうしようかと悩んでいたところに、タイミングよくプロコール24で駆けつけサービスが始まったいう話が来て。それを聞いて、もう「最高じゃん!」となりました(笑)
——実際に使ってみて、使い心地はいかがですか?
森:
ただ一言、電話が鳴らないって素晴らしいですねって(笑)
プロコール24を導入して、オフィスが本当に静かになりました。それに、ただ電話が鳴らないだけではなくて、入居者様からの問い合わせには、プロコール24の皆さんがしっかりと対応してくれている。これまで自分の時間を削って対応していたのが、対応報告を見たら案件がすでに解決して終わっている。いやぁ…、非常にありがたいです。
守山:
プロコール24は電話を受けてくれて、架けてくれて、駆けつけてくれる。もちろん、入居者様対応にあたってオーナー様の意向を確認するなどの業務は私たちの役目ですが、多くの入居者様対応を一から十までお任せできるのは、本当に助かっています。
——ご満足いただけているようで何よりです! プロコール24を導入して、業務面ではどのような変化がありましたか?
森:
電話を取らなくてもよくなったことで仕事の質が上がったっていうのは絶対にあると思います。電話対応で業務が中断すると、どうしても集中力が途切れちゃうじゃないですか。そうすると業務に戻ったときに、「あれ…、どこまでやったっけ?」と、思い出す作業から始めないといけない。下手したら、思い出したときにまた別の電話が鳴るなんてことも…。
電話を取らなくなって、業務を後回しにすることも減って、事務作業にも没頭できる。やはり生産性は上がったように思いますね。
――駆けつけサービスはいかがでしょうか?
森:
急な設備トラブルでも対応しやすくなり、入居者様の安心感につながっていると思います。設備が故障して使えなくなると、やっぱり不安じゃないですか。「すぐに来てほしい」という入居者様の思いにすぐに応えられるのはすごくいいですよね。
それと、設備トラブルの支払いでオーナー様を説得したり、怒られたりといったことが減ったのも個人的には嬉しいです。以前は、経年劣化等を原因とする設備トラブルは当然にオーナー様の負担で業者を手配していましたが、プロコール24の駆けつけの場合は、一定レベルまでの応急処置ならオーナー様に負担してもらわずに、プロコール24の料金内でやってくれるじゃないですか(※)。弊社は個人投資家のオーナー様が多く、出費にシビアな方も多いので、費用をお支払いいただくための説明や説得をする苦労が減ったのはありがたいですね。
(※特殊作業を要しない60分未満の応急処置なら、プロコール24オプション料金内で対応します。詳しくはこちら)
——そのほか、導入前と後で大きく変わったことはなんでしょう?
森:
僕は残業時間が減りましたね(笑)
守山:
私も減りました(笑)
ちょうど同時期に、ペーパーレス化など業務改善の取り組みをしていたのもあるのですが、プロコール24の導入も重なり、業務全体がスリム化されましたね。
――それは大きな変化ですね!
守山:
あとは、PM課の雰囲気も前より良くなったと思います。
忙しい管理会社だと“あるある”だと思うんですが、前は入居者様受付の回線が鳴ると「誰か出ろよ…」みたいな圧がちょっとあったんですよ(笑) 電話は2コール以内に出る、というルールはあったものの、クレームの電話かもしれないですし、どうしても迷いが生まれるじゃないですか。そうすると皆、「誰か出て」と、つい思ってしまう。しぶしぶ電話に出た後も、「なんで私ばっかり」とか「あのひとは電話に出ない」とか…、いろいろ不満を感じていた人はいたんじゃないでしょうか。
なのでプロコール24の導入によって、そういう圧が減ったり、不公平感につながる状況が減ったのは精神衛生上たいへん良かったと思います。
遊び心を忘れない賃貸管理を目指して
——賃貸管理をするうえで、今後の目標を教えてください。
森:
管理戸数を増やしていくことはもちろんですが、僕らスタッフが働く環境として、なるべく心理的負荷を少なくして楽しく仕事ができればと思います。以前のように、入居者様対応に時間を取られて業務に追われてしまうと、楽しくやるというのはなかなか難しい…。仕事に役立つことをもっと学びながら、遊び心を持って働きたいです。
守山:
私も同感です。仕事に追われるんじゃなくて追いかけたいですね。
——最後に、御社にとってプロコール24を一言で表すとしたら、どういった言葉になりますか?
森:
うーん、難しいですね…、守山さん、何かありますか?
守山:
うーん、臓器で例えるなら、肺ですかね。心臓が我々だとしたら、プロコール24は肺。ないと生きていけないみたいな。手足とも違うし、耳・口では説明し切れていない気もします。何というか、生命維持に欠かせない感じ(笑)
森:
確かに(笑) プロコール24がないと、普通にダメになっちゃいますからね。なくなったら死んじゃう。日々頼りにしていますので、今後も弊社の賃貸管理を助けていただけたらと思います。これからもよろしくお願いします。
——ありがとうございます! こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします!
アウトソーシングは多くの課題が好転するきっかけに
入居者様対応のアウトソーシングがもたらす効果は、ただスタッフの業務負担を改善するだけに止まりません。インタビューでもあったように、外部の手を借りたことで、電話で事務作業が中断されることによる業務の質の低下や、オフィスの雰囲気の悪化、スタッフの心労、オーナー様との難しい折衝など、多くの悩ましい課題が好転するきっかけにもなり得るのです。
そうしたアウトソーシングの恩恵を実感しているからこそ、近年、全国の管理会社で入居者様対応のコールセンター活用——とりわけ問い合わせを解決まで導く案件解決型サービスへの注目が高まっているのかもしれません。