月刊不動産

公開日:2018年3月11日

vol.18 管理物件受託時におけるヒアリングと提案

vol.18 管理物件受託時におけるヒアリングと提案
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質問

管理物件の管理受託時において、オーナーとのやり取りで押さえておくべきことはどのようなものがありますか?

回答

オーナーが賃貸経営で何を目的にしているのか、管理会社に何を期待しているのか等をヒアリングしておきましょう。

また、管理受託時に存在する建物設備や管理運用上の問題があれば、後回しにせず指摘・提案しておくことが大切です。

新たに管理を受託するときは、管理会社にとってクライアントであるオーナーとの長い取引がスタートする大切なタイミングでもあります。このときに、オーナーとどのようなやり取りをしておくかで、後の管理業務や依頼される仕事の広がりに大きな違いが出てきます。最初がとても肝心なのです。

オーナーからのヒアリング

管理受託の際には、オーナーが賃貸経営で何を目的にしているのかをヒアリングしておきましょう(表1)。多くのオーナーは収益を期待していますが、売却時の値上がりや長期的な安定収入、将来の年金補完など、一言に収益期待といっても様々なものがあります。期待する額や収益率にも違いがあります。所得税や相続税などの節税対策もよくあるオーナーの目的の1つです。良い賃貸物件を提供し、地域貢献の一翼を担うなど、オーナーであること自体に価値を見いだす人も少なくありません。
管理会社は、「オーナーの目的を達成する」ために様々な提案をしていくべきですが、その目的によって提案すべき内容や方向性が異なってくるため、目的を知らなければ始まりません。

例えば、数年以内に売却して利益を得たいと思っているオーナーに、「将来、大きな漏水事故が起きると多額の費用がかかるので、屋上防水や給排水設備の早期改修を検討しましょう」との提案は響きません。しかし、多少費用がかかっても家賃アップにつながるような提案には興味を示してくれます。売却価格の上昇にもつながるからです。

一方で、長期的な安定収益を期待するオーナーは、将来の事故予防につながる提案にも耳を傾けてくれます。所得税の節税目的があるオーナーには、経費となる修繕、減価償却対象となるリノベーションのタイミングを、不動産収入以外の収入状況を考慮しながら提案すると喜ばれます。

管理会社に期待することや、管理替えであれば旧管理会社への不満も聞いておきましょう。オーナーが、どういったサービスの提供を求めているのか、不満を感じていた点が何かを把握できれば、ツボを押さえた管理サービスを提供しやすくなります。

ちなみに、旧管理会社への不満では「積極的な提案が何もなかった」という声を多く耳にします。「オーナーの目的」や「管理会社への期待」という点は、あまり意識していない管理会社が多いようですが、実はとても大切な部分です。管理受託時にこそぜひそういった話をオーナーとしておきたいものです。

しておきたい提案や情報提供

管理受託の際、管理状況や物件設備に問題がないかを確認し、改善すべき項目があれば後回しにせず、指摘・改善の提案をしておきましょう(表2)

本来、問題点があれば改善提案を随時していくものですが、管理受託時には最初から細かい指摘をしてオーナーに嫌われたくないとの気持ちからか、問題点をスルーしてしまうことも多いようです。しかし、それは問題の先送りであり、オーナーのためにもなりません。すぐに改善を実行してもらえないこともあるかもしれませんが、管理会社として指摘・提案をしたという事実、そして改善提案ができる管理会社だとオーナーに知ってもらえることが大切です。しばらくしてから、「当初からあった問題点によって、入居者募集がうまくいきません」と言い訳のようになってしまっては、かえって信頼を失います。改善提案によってオーナーに嫌われることはありません。管理受託早々から積極的に自信を持って提案してください。

 

最後に、売買仲介や相続相談など、管理業務以外のサービスも対応できるのであれば、しっかりとそのことをアピールしておきましょう。

オーナーは、「管理会社だから売買仲介業務や相続相談はできない」と誤解していることもあります。所有物件を売却したオーナーの70%が「管理会社以外の不動産会社に売却依頼をした」とのアンケート結果もあるくらいです。売買仲介もできる管理会社にとっては、ビジネスチャンスの損失そのものです。

会社が提供できるサービスをオーナーに最初から知っておいてもらえれば、管理業務以外でも相談を持ちかけられる機会が各段に増えていきます。オーナーとの関係がスタートする管理受託時という絶好のタイミングを大切にして、しっかりとしたコミュニケーションをしておきましょう。そこでのやり取りは、必ず管理業務開始後に効いてきます!

ポイント

  • 貸経営における目的や、管理会社に期待することはオーナーによって様々です。管理受託時はそのことを特に聞きやすいため、積極的にヒアリングしましょう。
  • 管理受託時に発見した問題点は、後回しにせず最初からオーナーに伝えましょう。後回しにすれば、なぜ最初に言ってくれなかったのかと信頼を失いかねません。
  • ビジネスチャンスを逃さないためにも、管理業務以外に提供できるサービスがあれば、積極的にアピールしておきましょう。管理会社側からすれば当然のことであっても、「管理会社だから売買業務はできないだろう」とオーナーには誤解をされていることも少なくありません。

(公益社団法人 全日本不動産協会発行「月刊不動産」2017.3月号掲載)


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