週刊住宅

公開日:2014年11月17日

第3回 取引業者の評価制度

第3回 取引業者の評価制度
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取引業務を数値化してランク分け

協力店と定期的に勉強会

管理業務を遂行するなかで、いろいろな業者さんと連携してことにあたるが、その仕事ぶりは各社様々である。個人にも会社にもそれぞれ個性とか文化の違いもある。

よって、弊社では、各社の仕事ぶりの「評価」をしている。

誰でも、働く人はその会社の「評価制度」の中で生きているわけで、提携する業者さんを発注する側から数値を用いて客観的に「評価」をしてもいいでのはないか、と思った次第である。(藤澤雅義)

オーナーや入居者が、我々賃貸管理会社に求めるサービスのレベルは年々高まっている。

その背景には、賃貸経営を「一つの事業」と捉え熱心に勉強され、実践に活かすオーナー様が増えていること、賃貸市場の「借り手市場化」が進み、それに伴って入居者様の要求が強くなっていることなどがあるだろう。

求められるサービスを提供できないままでは、オーナーが我々から離れたり、入居者様が退去する可能性がある。サービスレベルの向上は、管理会社にとって最重要課題のひとつと言える。

 

現場の実務では、我々管理会社だけでなく、ビルメンテナンス会社や内装業者など複数の業者が物件の運営に携わる。以前、当社に管理をお任せいただいているオーナーから「あなたが手配した業者の対応について納得できない」とご指摘をいただいた。

最大の責任は、本来業者をコントロールすべき私にあるのだが、現地で作業する業者の責任もある。自社だけでなく、取引業者と共にサービスレベルを向上する事が大切だと痛感した。

当社の取り組みのひとつに「協力店会」がある。
これは定期的に当社と取引業者が集まり、各業者の対応力の比較、実際に起きた失敗とその対策、成功事例の共有などを行う会である。

例えば、リノベーションを得意とする内装業者が施工事例を発表し、内装の仕様におけるポイントや工事受注に至った経緯を発表し、皆でこれを共有する。他社の成功や失敗事例を共有する事で、能力を高めてもらうことが狙いだ。

 

また、最近では、事例共有だけではなく、よりレベルを高めるため「評価制度」(表1)の取り組みを開始した。まず、当社の担当が各取引業者を数値で評価する。これにより、各社の良い部分と悪い部分を数値で捉える。

次にその結果を各業者に報告する。最終的には一定期間、評価が低い状態を改善できない場合、これまで取引が多かった「J1業者」であっても、評価が高い「J2の一番上の業者」と入れ替えられるという制度だ。

 

「J1」とは、年間ある程度まとまった仕事を発注することが約束されている業者群のことで、「J2」群は単発でしか発注されない業者群のこと。点数の低い業者を切り捨てる事が目的なのではなく、各社に現状を把握してもらい、良い部分を伸ばし、悪い部分を改善していただく事が狙いである。

 

当社自身のサービスレベルもまだ発展途上ではあるが、こういった取り組みにより、少しずつ良い結果が生まれている事を実感できている。管理業務は日々多忙であるため、管理会社と取引業者が一堂に集まるだけでも一苦労ではあるが、こういった取り組みを通じて、取引業者と共に自社のサービスレベルを高めていきたい。

(筆:片平智也/週刊住宅2014.11.17掲載)


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