週刊住宅

公開日:2015年1月12日

第9回 設備の盗難

第9回 設備の盗難
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狙われる築浅物件のエアコン室外機

「室外機はありますか?」などと問われたら、入居者は面食らうことだろう。しかし、今までにはなかったことが現実には起きている。

昨年来、全国的にこの手の窃盗が増えている。よく見たらエアコン室外機は簡単に持っていけるようになっている。今までが平和だったということか。(藤澤雅義)

2ヵ月で未遂含め29台被害

賃貸管理会社より委託を受け、入居者窓口業務を請け負っているコールセンター『プロコール24』には、日々全国各地の入居者より様々な連絡が入ってくる。

 

設備故障に関するクレームの中で最も多いのが、エアコンの不具合である。入居者から「エアコンが作動しません」との連絡を受け、オペレーターは不具合の原因をさぐるために、

①コンセントは抜けていないか?②ブレーカーは落ちていないか?③風がまったく出ないのか?④リモコンの操作に誤りはないか?等の質問をマニュアルを確認しながらヒアリングし、故障しているかどうかの見極めを行う。

最近そのマニュアルに新しいヒアリング項目を追加した。

「室外機はありますか?」という内容だ。

▲ 築浅物件にある直置きの室外機は注意が必要

 

昨年(2014年)10月~11月にかけて、エアコン室外機の盗難が相次いだ。当社コールセンターで受けた室外機の盗難件数は、7物件、計24台の室外機が被害に遭った。

配管を切断される未遂のものも合わせると合計で29台になる。いずれも2階建て築浅のアパート、室外機が地面に設置されているものだ。室外機に使われている銅、アルミ、鉄等の金属が1台3,000~4,000円で取引されるとのこと。

 

2011年にも同様の被害が数件あり、当時こんなエピソードがある。

室外機が盗まれてしまったため、業者が新しいエアコンを設置した。後日、その業者が、再発防止のために室外機の固定作業をしていたところ、入居者が窃盗犯と間違い警察へ通報。業者作業員が数台のパトカーと数人の警官に囲まれるという事件があった。室外の作業だったため必要がないと思い、業者が入居者へ事前に伝えていなかったのである。

 

窃盗の手口として、作業服姿で業者を装い、堂々と盗むことが多いようなので無理もない。また、別件だが、室外機の窃盗犯を追いかけて捕まえた、格闘技を習っているという勇敢な入居者もいた。

 

今後も被害が発生する可能性があり、当社コールセンターでは冒頭のようにマニュアルに追加をした。

管理会社としてもエアコン室外機設置の際、窃盗犯の恰好の的にならないよう、室外機盗難防止の工事を行うことも必要ではないだろうか。

(筆:遠藤広美/週刊住宅2015.01.12掲載)


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