週刊住宅

公開日:2015年1月19日

第10回 管理替え時の対応

第10回 管理替え時の対応
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クレームなどソフト面の確認で業務効率向上

管理受託の経験を積むと、「最初に」きっちり時間をかけて確認しないと後で苦労することがわかってくる。

特に新築と違って、中古物件というのは既に過去の「歴史」を背負っているのだ。オーナー自身も知らないことが多かったりする。購入直後で管理の移管となると、情報は前管理会社に頼る他はないが、管理離れの物件の引き継ぎにそれほど協力的ではなかったりもする。

情報収集とその整理に別途フィーをいただきたいくらいだ。(藤澤雅義)

保証打ち切りなど事前の取決めも必要

「確認する事が多すぎて、何から手を付けて良いのか、分からなかった・・・・・」
これは、私が初めて管理会社変更による管理受託(以下、管理替え)の業務を終えたあとの率直な感想である。「管理替え業務」は、なにかと確認する項目が多い。その上、確認を怠ったり忘れたりしてしまうと、のちに余計な手間がかかったり、時には痛い目に合わされることもある。

今回は管理替え時に「これを忘れてはならない」という確認項目を、建物や設備のハード系ではなく、ソフト系の部分を中心にお伝えしたい。

 

管理替えとは前管理者より「管理を引き継ぐ」ことから始まる。それは物件を知る事。

その物件がこれまでどのような管理をされてきたのか、どんな事が物件内で起きてきたのか、どんな設備があるのか、どんな入居者がいるのか。当然、確認項目が多くなる。

私は管理替え時、前管理会社に確認すべきソフト系の内容を大きく11項目(「鍵」「金銭」「契約書」「保証会社」「メンテナンス」「クレーム」「物件資料」「自治会」「TV、インターネット」「セキュリティ」「その他(建物独自の注意事項)」)に分類した。【図表参照】

 

この11項目の内容はどれも重要であるが、その中でも特に私が注意していたのが、「金銭」「保証会社」「クレーム」の3点である。

 

金銭」に関しては、賃料滞納の有無に注目すると共に、“なぜか賃料を1か月分ずつ遅らせて振込みを行う入居者”や“3ヶ月に一回、賃料を満額振り込んでくる入居者”など金銭に関する“訳あり入居者”にも注目する。

集金業務の難易度を事前に認識したり、対応策を練る為にも【直近3ヵ月~半年ほどの入金履歴】を確認する必要がある。

 

保証会社」は各社の賃料保証のサービス内容によって注意点がさまざまであるが、まずは保証会社が分かった時点でその会社に連絡し、根回しをしておくのが良い。

例えば、管理会社が変更するとその時点で自動的に保証が打ち切られるタイプのものだとわかった場合は、事前に物件所有者とその後の「新規保証会社加入の費用負担」について事前に取り決めたり、入居者への配慮を模索しておく。という感じだ。

 

クレーム」については、建物本体や設備に関する事、人間関係、近隣住民関係、その他もろもろと幅が広いが、その内容如何にかかわらず、事前にその状況を確認・把握し必要に応じて対応できる体制を整えておくことが重要である。

未解決のクレームなどがある場合、入居者は管理会社が変わったのだからという事で、大きな期待を胸に問い合わせてきたりする。事前にその内容を知っておけば、一次対応で失敗する事は少ない。

 

管理替え業務においては、その確認の1つ1つが後の円滑な物件管理に繋がる。

今回の表1を参考に、必要に応じてカスタマイズしてもらえれば、前管理会社へ確認するべきソフト系の項目がまとまり、簡易的なマニュアルとなる。業務効率も上がるはずだ。

(筆:児玉和俊/週刊住宅2015.01.19掲載)


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