週刊住宅

公開日:2015年1月26日

第11回 仕組みでミスを防ぐ

第11回 仕組みでミスを防ぐ
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退去後の清掃・リフォームで手配ミス

人はものごとをついうっかり忘れるものだ。伝えたつもりが言ってなかったり、メモしたつもりがしてなかったり、日付を間違えたりするのだ。ミスをなくすように、日頃口を酸っぱく指導するのも必要だが、限界がある。

よくミスをおかす人は、なんどもやるものだ。世の中、優秀な人ばかりではない。また社外のベンダーに至っては、教育する機会がない。

そこで、大事なことは、ミスが起きないような「仕組み」を作ることだ。情報を一元化し、ネット上でそれをお互い管理する。双方に「手帳」はいらない。複数あるから、錯誤が生じる。ITのおかげで便利な世の中になった。(藤澤雅義)

発注先との情報共有が重要

いよいよ繁忙期、この時期になると入居者から契約直後に「部屋が汚い!」というクレームが発生することがある。清掃が十分ではなかったという原因が多いのだが、清掃を含めた退去リフォーム工事(以下「工事」と略する)自体がなされていないという、あってはいけないケースもある。

恥ずかしい話だが、当社でも工事の発注が漏れていて、そのことに気づかず次の入居者の引越し日を迎えてしまったことがある。新生活に向けて揃えた家具類は、工事されていない汚いままの部屋に一旦搬入してもらった。

しかし、忘れていた工事をしなければならないので、家具類を一時的に移動できる空間を当社負担で用意してスタッフで移動作業をし、入居者には仮住まいのホテルを準備した。こんなことが頻発しては困るのだが、当社以外でも「似たようなことはうちもあるよ・・・」と聞くので、賃貸業界内では時折あるトラブルかもしれない。

 

こういったトラブルの原因は、

1)解約情報の失念、2)工事の発注漏れ、3)工事発注時等における互いの認識相違、4)工事業者側の失念、5)期日管理ができていない、のいずれかだ。

対策としては、全工事案件の進捗を一元管理できる仕組みと、工事の発注等のやり取りが記録に残る仕組みが必要だろう。

 

例えば、担当が抱えている工事案件を個々に管理しているのでは、その担当が失念すればそれでお終いだ。しかし、一元化されていれば、他のスタッフが工事発注漏れ等にも気付くことができる。

やり取りが記録に残る仕組みを作っておくのが仕事がうまくいくコツだと思うが、実務では電話だけで「この工事、発注でよろしく」となっていないだろうか?後に、「言った言わない」と揉めるパターンだ。

 

当社では、工事業者と当社とがネット上で情報共有できる仕組みを使って、全工事の進捗を管理している。「退去予定日」から「工事完了日」まで様々な期日項目があり、当社・工事業者が互いに必要な情報登録や変更を行える。

また、その内容は自動的に相手にメールされる。「工事完了予定日」を過ぎても「工事完了日」が空白のままだとアラートも出る。工事の発注もこの仕組みの中で行うため、「聞いていない」等の問題は発生しない。この仕組みで工事を管理するようにしてから、前述したようなトラブルは起きなくなった。

 

トラブルは発生すれば大きな手間をとられるものだが、ちょっとした仕組みで避けることができる。その仕組みを作る少しの手間を惜しまなければ、劇的に問題は改善されるはずだ。

(筆:先原秀和/週刊住宅2015.01.26掲載)


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