効率の良い巡回ルート組みが可能
便利な世の中になったものだ。Googleはすごい。
検索エンジンだけでなく、特にGoogle Mapにお世話にならない日はないくらいだ。
また、PCだけでなくスマートフォンでも。これらを使って合理化をしない手はない。
業務合理化のパターンの多くはITによるものだ。特に情報がクラウド化されることによって、いつでもスタッフがそれに接することができるのだ。(藤澤雅義)
担当者同士の協力も促進
繁忙期に突入したこの時期、管理会社の現場担当者は通常の物件巡回やクレーム対応に加えて、退去立会、リフォーム工事、空室の管理と、いつも以上に物件に足を運ぶ機会が多い。
当社の場合、管理物件が首都圏全域にあるので、埼玉県はAさん、神奈川県はBさんという具合にエリア担当を定めている。担当者が現地に足を運ぶことは大切だが、そのための移動には結構な時間がかかる。現場ではこの移動時間を効率良く管理できているだろうか。
当社では次のような問題が起きた。
以前、管理戸数が少ないうちは、担当者はほとんどの管理物件の位置を頭の中で把握できており、「A物件に行くなら、帰り道にあるB物件も巡回しよう」という具合に一度の移動でいくつもの仕事ができていた。この段階では効率の良い移動ができていた。
しかし、管理戸数が増え、新しいスタッフが増えるとともに、担当者が自分の頭の中で物件の位置関係を把握することが難しくなった。そうすると「A物件とB物件の対応で現地に行ったのに、すぐ近くにあるC物件に行き忘れた。改めてC物件に行かなくては」という具合に、本来は一度で済むはずの移動が二度になってしまうという事が起きるようになった。
これが増えると、担当者はいつもバタバタと忙しいのに、よく考えたら同じような場所を行ったり来たり移動ばかりしているという、何とも効率の悪い状態が見受けられるようになった。
そこでグーグルマップの「マイマップ」を使い、管理物件を地図上に登録した。添付図のように、地図上のピンをクリックすると物件名・住所の他に、戸数や竣工年といった簡単な情報を閲覧できる。
ピンの色で一棟管理・区分管理・駐車場・店舗などを分類する事もできる。ちなみに、当社スタッフ以外はマップを閲覧できない設定にしている。
「マイマップ」を利用する事で、全ての担当が以前よりも効率の良い巡回ルートを組むことできるようになり、移動時間が短縮できた。また、自分の担当エリア外の近隣物件も把握できるので、担当者同士で、エリア境界近くの物件を越境して対応する事が可能になった。
現場に足を運ぶ機会の増えるこの時期、「マイマップ」を利用して現場担当者の移動時間を効率化するのはいかがだろうか。
(筆:片平智也/週刊住宅2015.02.02掲載)