週刊住宅

公開日:2015年2月16日

第14回 営業トーク

第14回 営業トーク
Scroll

質問の回答例をマニュアル化

営業は個人のセンスでやるものだ、と思っている人がいたら、それは間違いだ。

私は営業ですらほとんどのことをマニュアル化できると思っている。場面場面におけるいろいろな話法を学び、ロープレを何度もやって、それを第三者が採点して課題を克服していくのが一番効率がいいと感じている。

成績がいい人にはその人なりのコツがあるのだから、それを同僚、後輩に体系的に伝授できる人が本当の意味で優秀なスタッフといえる。(藤澤雅義)

トップ営業マンの技術共有

「営業」についての話である。

お客様の元を訪問、自社の商品やサービスについて営業トークを駆使してプレゼンテーションをおこなう。

2度3度と足を運び、そのまま契約まで辿り着ければしめたものだが、クロージング(最終判断)時になって「一度考え直す」「検討する」とお客様に判断された場合、どのようにその場を切り抜けているだろうか。

「ああ、そうですか・・・」と受け入れてしまえば、契約も然ることながら、それまで費やした時間と労力も泡と消えてしまう。契約が成約に至るか否かの大事な局面である。

 

私はこのような場面に数回立ち会っている。駆け出し営業マンだった頃は、頭が真っ白になり、切返しの営業トークも見出せずにいた。契約間違いなし!と思っていた案件だったのだが、契約締結に至らなかった。その時の自分の不甲斐なさと悔しさは今でも覚えている。

しばらくして同様の場面が訪れた。

同じ轍は踏むまいと私が実行したのは「質問」をする事だった。なぜこの段階になって考え直すのか。もしくは検討しなければならないのか。

その理由を聞きたいと問うたのである。

するとお客様は「今は○○だから」「○○の部分が気になるから」と理由を教えてくれた。

理由がわかれば解決することもできる。契約に至るケースが増えた。

 

後に、わたしはこの「質問」が【質問話法】という営業トークの話法の1つだと知る。クロージング時、話がこじれた場合に有効な話法とのことだ。

クロージングに至るまでの過程でも意識していたことがある。お客様の理解度を深めるため、“例え話(事例説明)”を多く取り入れた。これは営業トークの話法では【類推話法】という。

その他にも【イエス・バット法】【二者択一法】という話法も使用していた。

また、最近では落語に触れる機会が多く、【】の大切さをより実感している。「間」を取ることで、トークに余裕が生まれるという効果がある。また「間」の時間で自分の言っていることが相手にしっかりと熟成されて届くのだ。

」を使いこなす事で営業トークはさらに映えるのだ。

 

このような経験を営業マンのそれぞれの中だけで温めておくのはもったいない。2014年、当社ではこのような営業トークについてマニュアルを作成した。

営業トークマニュアル」と名付けられたそれは“Q&A方式”が採用され、コンテンツや場面毎にお客様から問われるであろう質問について、適切な回答例が記載されている。記載される回答については社内のトップ営業マンの営業トークを記載するのが良い。

そうする事で営業マン全員がトップ営業マンと同等か、それに近い水準で営業活動を行う事が可能となる。極端な話、新入社員であってもその例外ではない。

 

営業トークという一見マニュアル化しづらく見える業務も、体系的に把握・分析し、検証する事で「標準化」・「仕組化」出来るのである。

営業トークを磨き、それをマニュアル化することで、営業活動の効率化を図るのはいかがだろうか。    

(筆:児玉和俊/週刊住宅2015.02.16掲載)


初回相談無料

ゴリラの顔相談してみるバナナ

この一歩から、未来を変える方法が見つかります

現状を変えたいけれど、
取り組むべき課題がわからない。
そんな時もぜひご相談ください。
オーナーズエージェントが貴社と一緒に、
課題を見つけ出し具体的な解決法を考えます。

メルマガ登録

無料セミナー情報や事例などをお知らせします

ゴリラ メルマガ登録する