週刊住宅

公開日:2015年5月4日

第23回 鍵の預かり

第23回 鍵の預かり
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管理鍵を作らない選択肢も

鍵の預かりを廃止する管理会社がちらほら見受けられる。

管理会社が鍵を預からないという姿勢は、一見奇異に感じるが、冷静に考えると合理的かもしれない。

弊社ではまだ、決断できていない。消防点検の時に唯一、困るかなといったところか。それさえ解決すれば、弊社も踏み切っていいかと思っている。(藤澤雅義)

紛失の心配なくなり業務低減

賃貸管理会社では、管理物件の鍵を預かっている会社がほとんどであるが、そのうち「鍵は厳重に管理をしている」と胸を張って言える管理会社はどのくらいあるのだろう。

過去に何度か不動産会社の従業員が、管理鍵の合鍵を作製し、入居者宅へ侵入してしまう事件が起きている。管理者としての責任が問われる、重大問題であるが、現在でも関係部署の従業員であれば誰でも、持ち出しが可能という管理会社は少なくないだろう。

 

賃貸管理物件の入居者窓口業務を請け負っている弊社『プロコール24』は、現在、全国約100社の賃貸管理会社にご利用いただいている。そのうち、3社を除いて、すべての管理会社で管理物件の鍵を預かっている。

 

弊社コールセンター利用の、ある管理会社(福岡県・管理戸数約7,000戸)は、鍵の預かりを廃止してから4年になる。鍵の預かりを廃止する旨を、入居者へ告知をした当時、弊社コールセンターへは、廃棄する鍵を受け取りたいという入電以外に、鍵の預かりを廃止することへのクレーム等は特に無かった。改めて管理会社担当者へも、鍵預かり廃止以降、弊害があったかを聞いてみたところ「まったく無い」という。

 

鍵の預かりを廃止してからは、鍵の管理が楽、紛失の心配なし、個人情報保護と、メリットばかりだという。

弊社コールセンターへ「鍵を紛失したので貸して欲しい」という内容の問い合せが、2014年度の入電率は年間1.35%であった。担当者がその都度、鍵の所在を確認し、入居者へ鍵を貸し出し、戻ってくるまでの管理をしなければならない。また、どの会社でも鍵の所在が不明になり、探すために時間を費やした経験があるだろう。鍵には物件名と号室のシールを貼って管理している場合が多いので、その鍵を紛失してしまったとなると、管理者としての責任が問われる問題となる。

 

鍵を預かっていない賃貸管理会社3社からの入居者窓口業務を請け負っていて、鍵の預かりが無いことによって、管理業務に大きな支障が生じたケースはない。そもそも管理会社にぜひ鍵を預かって欲しいと望んでいる入居者がどのくらいいるのだろうか。鍵の預かりについては賛否両論で、各管理会社の事情も様々だ。

 

だが、今一度、預かっていることのリスク、預かりを廃止した場合の利点や弊害等を洗い出し、思い切って鍵の預かりを廃止するという選択肢の検討をしてみてはどうだろう。

(筆:遠藤広美/週刊住宅2015.04.27-05.04掲載)


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