評価を数値化し能力向上
ロープレは営業パーソンにとっては、絶対に必要なものだ。営業だけでなく、内勤の人にだって必要な研修手法だと思う。
ロープレでうまくできていない人が実際の場面でうまく立ち回れるわけがない。当社では、かなり厳しめのロープレを行う。お客の役をやる人が意地悪で優しくないことを言うのだ。
うちの営業担当は、本番のほうがずっとやりやすいと言っている(笑)。(藤澤雅義)
営業トークを活かし、契約に近づくためには繰り返し営業ロールプレイング(以下、ロープレ)をおこなう必要がある。
ロープレとは実際の商談を想定し、社内の営業マン同士で「営業役」と「オーナー役」をそれぞれ演じることにより、商談の理想的な応対を反復して練習する手法である。
反復練習する内容は、商談時の実戦的な内容となる為、経験の浅い新入社員などはベテラン営業マンの営業手法を知る貴重な機会となる。また最新の成功体験や成功ノウハウを共有化する場ともなるため、ベテラン営業マンであっても得られるものが多い。
このように各段階の営業マンが同じ場で練習を重ねることで、様々な良い効果【図表】が生まれるのがロープレの良い点であり、商談成立(契約)の確度を営業部署全体として底上げすることができるのだ。
しかし、このように営業能力を高められる効果を秘めたロープレではあるが、これを定期的におこなうことが意外に難しい。
その理由として、評価基準の曖昧さが挙げられる。多くの会社ではロープレの評価基準が感覚値で表され、評価者によって指摘箇所もバラバラ。ロープレの回数を重ねても営業能力が向上しているのかどうか判断がつかず、その内、ロープレをすることに意味を見いだせなくなるという姿があるようだ。
我々オーナーズエージェントでは各営業マンのロープレ内容の評価について、感覚値で判断するのではなく、一定の基準を設けて数値化していくことを考えた。
最近実施したロープレ研修ではチェックリストを使用し、各営業マンのロープレ内容を評価した。このチェックリストを使用することで、誰を評価する際にも一定の基準と項目を設けられるので、評価者の感覚で判断される事がなくなる。
また、全員が同じ項目を用いてお互いの良い点・改善点を指摘し合えるため、相互理解も深まりやすい。
忙しく動いている営業マンが顔を揃えてロープレをおこなう。貴重な時間を割くことにはなるが、そこから得られる効果は大きい。
ロープレで磨かれた営業トークや共有した情報を駆使して商談成立(契約)の確度を高めて欲しい。
(筆:児玉和俊/週刊住宅2015.06.08掲載)