週刊住宅

公開日:2015年6月29日

第31回 リニューアル提案

第31回 リニューアル提案
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具体的な収益見直し示す

賃貸経営は、立派な不動産投資なのだから、全て数字で分析し解説できなければいけない。そのためには投資分析理論を学ばなければいけない。

はたしてオーナーに対してリニューアル提案をしている人の中でこれをマスターしている人はどれだけいるだろうか。もちろん説得(クロージング)は数字だけではない。しかし最低限必要なものだと思うのだが。(藤澤雅義)

 

オーナーにリニューアル工事を勧める際、どのように提案しているだろう。

「リノベーションしないと入居が決まりません」「今回は退去リフォームの工事金額が大きいので、この際リノベーションしましょう」と数字的根拠の無い提案をしたりして、担当者によって費用対効果、また投資の考え方や提案内容にバラつきが多いのではないだろうか。

恥ずかしい話だが、当社でもこのような状況が見受けられる。

 

オーナーは「事業」として不動産を運用しているのだから、我々はオーナーの不動産価値を最大化するために、勘や経験だけでなく、「数字的根拠」を示して提案すべきである。また、担当者の提案力のバラつきを減らし、どの担当者でも一定の提案ができるサービスレベルを整えるべきである。

そこで、CPM(米国不動産経営管理士)の資格取得時に学んだファイナンス理論を元に、だれでも簡単にリニューアル工事のファイナンス分析ができるツールを作ることとなった。

 

入力するのは「①募集条件のみを改定した場合」、「②リニューアルした場合」、「③何もしない場合」のそれぞれに対し、想定される「適正賃料」「空室期間」「工事費用」「キャップレイト(売却時想定利回り)」などいくつかの簡単な項目だけだ。

入力すると現在から10年後までの物件のキャッシュフロー表が自動作成される。

 

その結果、①②③を選択した場合の「NOI(手取り収入)」や「物件価値」の変化がわかる。表はその一部分なので、実際には数字の根拠を表示したり、ローンを使った場合の分析もできるようになっている。

これを使うことで、だれでも簡単に数値的根拠のあるリニューアル提案ができるようになる。

 

また、このシステムの運用に慣れるために、当社では「ファイナンス・ゲーム」と称した定期的な社内勉強会を開催し、分析ツールを実際に使いながら、ファイナンス理論を学ぶ機会を設けることにした。

 

苦手な人には取っ付きにくいと感じるファイナンス理論をゲーム感覚で身に付け、参加者同士が分析結果に対し、どのようにオーナーへ提案することが有効なのかを共有する場にできればと考えている。

(筆:片平智也/週刊住宅2015.06.29掲載)


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