週刊住宅

公開日:2015年7月27日

第35回 個人のノウハウを共有

第35回 個人のノウハウを共有
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ウェブ掲示板活用で情報共有

マニュアルの重要性を否定してはいけない。実務で得られたノウハウを自分以外の、そして未来のスタッフに共有するために情報をマメに出し合わなくてはいけない。

このことに不動産業の人は意識が低すぎる。これは、仕事にクライアントに個人で向き合うのではなく、会社全体で向き合う姿勢があるということだ。不動産屋さんは、個人の力でなんとかするのだ、と考える古いタイプの人が多い。(藤澤雅義)

 

現場管理はスタッフの知識や経験に依存する部分が多く属人的だ。仕事のノウハウが担当者個人の中に溜め込まれ、会社には残っていないということが起こりやすい。ベテランスタッフが退職した途端、彼が行っていた業務が正常に機能しなくなるということもある。

仕事のノウハウは担当者ではなく会社に残すべき財産だ。

 

そのために業務マニュアルを作成することが重要なのは言うまでもないが、ここでひとつ問題がある。実務で起きるトラブルは多岐にわたり、その時の状況次第で対応方法も異なるため、これら全てをマニュアル化しさらに更新を続けるのが困難だということだ。

 

そのため、当社でも細かい案件対応は思うようにマニュアル化が進まない状況が続いていた。 そこで、通常のマニュアルとは別に、簡易マニュアルとしてWEB掲示板を活用することにした。これは当社スタッフが見ることのできるWEB上の掲示板で通常のマニュアルと比べ、非常に簡単に使える情報共有ツールだ。いつでも誰でも書き込むことができ、閲覧する際もキーワード検索するだけで必要な情報を得られる。

 

例えば、「漏水」と検索すると、「パイロットメーターの確認」「給水、排水、雨水の漏水の特徴」「ピンホールや結露の可能性」「特に怪しい箇所は」「業者選定のコツ」といった漏水対応におけるポイントを知ることができる。

 

ただ、いくら書き込みが簡単だからといって、日常業務で忙しい担当者がコツコツと掲示板に書き込んでくれる訳ではない。そのため、彼らのもつノウハウを収集するためのミーティングを開催する必要がある。

このミーティングでは各案件について思い付くポイントを全員がポストイットに書き出し、集計する。

先日、物件巡回で気づくべきポイントについて意見を集めた際は、共用部で140項目、専有部で180項目、合計300項目を超える意見が集まった。一人ではこれだけの意見は出ないが、三人寄れば文殊の知恵というわけだ。

 

定期的にテーマを決めて全員から情報収集する習慣をつけることで、個人が持っているノウハウを会社に落とし込むことができる。制度はまだ始まったばかりだが、これらのノウハウを蓄積し、掲示板やマニュアルにまとめることで、近い将来の社内教育システムにも活かしたいと考えている。

(筆:片平智也/週刊住宅2015.07.27掲載)


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