週刊住宅

公開日:2015年9月7日

第40回 AirBnbと賃貸管理

第40回 AirBnbと賃貸管理
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無断転貸などのトラブルも

「エアビ(AirBnB)」は、確かに法律論では微妙なところがある。しかし、これも時代の流れではないか。そして、最近これは、管理会社の仕事ではないかとおもっている。自社の管理物件を「ホテル化」する時代になったのだ。新しいビジネスチャンスが生まれたのではないか。(藤澤雅義)

このところ急激に注目を集める「Airbnb」
2008年にサンフランシスコで誕生した「宿泊施設マッチングサイト」だ。掲載される宿は個人の住宅、そして宿を提供するのはその住宅を所有する個人である。誕生以降、世界各国でユーザーを増やし、現在190か国、3万4000以上の都市で、4500万人のユーザーを集めている。

2012年のロンドン五輪では市内の宿不足を緩和し、大会終了後の現在も定着している。2016年のリオ五輪では大会公式スポンサーになっているほど大変な活況だ。日本国内においても、2020年の東京五輪での宿不足緩和や、空き部屋の有効活用への期待に加え、政府が国家戦略特区において旅館業法の規制緩和を進めていることもあり、今後さらにユーザーが増えることが予想されている。表の通り、訪日外国人の数は増加傾向にある。

 

Airbnbを利用するメリットは、空室から宿泊費を得ることや、通常に賃貸するよりも多くの収入を得る機会があることだ。新宿区の区分マンションでは、通常家賃10万円のところ、Airbnb利用により月当たり17万円の収入を得た事例もある。もちろん運営コストもかかるので収入増がそのまま利益になるわけではないが。

 

一方、デメリットは、個人のAirbnb利用が旅館業法に抵触する可能性あることや、実際に運用してみると思わぬ事故や近隣住人とのトラブルが起こる可能性があることだ。賃貸物件において、賃借人が他者へ無断転貸することが禁止事項であるにも関わらず、賃借人が無断転貸を行うことで近隣から苦情が入ることもある。

 

当社の管理物件においても、近隣の通報により、賃借人がAirbnbで無断転貸をしている事実が発覚し、賃借人と契約解除または、誓約書を書き契約継続するかを取り決めるといった案件が増えている。

賛否両論はあるが、市場がこれほど盛り上がっている以上、その流れを止めることは難しいように思える。現時点では法整備が追い付いていない印象だが、将来はAirbnbが新しい宿泊形態として定着することも考えられる。

 

いずれにしても、旅館業は宿泊者の命を預かる仕事であるため、運営側には一定のモラルと運営基準が必要だろう。そう考えると、Airbnbの運用は賃貸管理と近い部分が多い。管理会社であれば、宿泊者の管理や近隣とのトラブル防止の指導も可能だ。

賃貸管理会社こそ、このビジネスモデルにチャレンジすることを検討しても良いのではないだろうか。

(筆・片平智也/週刊住宅2015.09.07掲載)


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