やる気尊重し能力引出す
スタッフの育成は、会社にとって大きな課題だ。本文にあるセミナーを私も一緒に受講していたのだが、本人の自主性が大事だという話しは大変勉強になった。やる気さえあれば、現時点でのスキルは気にせず「リーダー候補生」として処遇するというのだ。
上司が部下にそろそろリーダーだね、と引き上げるのではなく、リーダーを目指します、という立候補を受け付けるというのだ。本人が宣言をしたら、その時点から「リーダー候補生」なのだ。よい話しだと思った。(藤澤雅義)
日々の業務に追われる中で、新入社員を育成することはとても大変なことだ。
とはいえ、この新入社員たちが育たなければ、一向に仕事が楽にならず、会社の事業拡大にも影響する。「仕事は先輩の背中を見て盗め」という無言の指導は、通じない時代だ。求人の面接時に応募理由を聞くと、募集媒体の「研修制度の充実」とい記載に惹かれた、という声も多い。
やるべきこと、覚えるべきことはきちんと言葉で伝えなければならない。そして、行動に対してはこまめにフィードバックをし、成果に対しては褒めることが、新人のモチベーションを上げることに大きく影響する。
また、研修の内容だが、知識だけを一方的に説明する「詰め込み型研修」を行いがちであるが「仕事=丸暗記」となってしまい、知らず知らずに自分の頭で考える力が弱まる。
もちろんマニュアル通りにこなしてほしい業務が大半であるが、稀に起こるイレギュラーな事態に「機敏な判断力」「先を読める予測力」「知識を単独(点)で覚えるのではなく、網目のように紐づけて活かせる能力」などが備わっていないと、重大なミスやクレームにつながり、延いては会社にとって大きな損害を与えてしまう場合もある。
賃貸住宅の入居者対応を行っている、当社コールセンター「プロコール24」では、常時多くの人の育成を必要としており、育成のプログラムの試行錯誤を重ねている。そして、人の育成については新人だけではない。中堅社員の将来のリーダーやマネージャーへのステップアップのための育成も重要である。
最近、「コールセンター管理者(リーダー)の育成について」のセミナーを受講し、とても良い話を聞くことができた。リーダーの育成については、本人の「自主性」を第一に考え、現状のスキルで判断せず、潜在能力を活かすという考えだ。
その成功事例として、まったくリーダー的な資質を持ち合わせていないと思われていたスタッフが、たまたま得意分野だったがゆえに自ら立候補をし、あるテーマについて他のスタッフの前で研修を行った。研修の資料もしっかり作成をして準備をしたという。そして、その研修をきっかけに、ついにリーダーとしての成長を遂げたそうだ。
現在、私はコールセンターでのマネージャーという役割を担っている。スタッフの潜在能力を引き出し、成長させることが、マネージャーの職務であることを改めて実感した。
(筆・遠藤広美/週刊住宅2015.10.12掲載)