小さな改善積み重ね効率化
メールの処理の仕方をきちんと習った人はあまりいまい。しかし、ちょっとしたテクニックを知っているだけで随分仕事の効率が違うものだ。また、最近はこういうシステムがないかなあ、と思って検索をしてみると、既にちゃんと用意されていたりするものだ。使わない手はない。合理的に仕事をしよう。(藤澤雅義)
我々は賃貸管理業務において、様々な相手と多くのやり取りをしている。そのやり取りにはメールがよく使われるが、毎日のように使うメールにも関わらず、効率的に使う工夫がされていないことは多いようだ。
例えばinfo@ ~のように、個人ではなく部署や会社全体など、複数のスタッフで共有するメールアドレス。これは、複数の人にメールが届くので、個人にありがちな「メールの見逃し」「対応が遅い」といった問題を回避できるので、特にオーナーや入居者、各種業者、反響など、会社や部署として社外とやり取りをする際に適している。
一方で、「誰かが対応しているだろう」という思い込みによる放置、複数人による重複対応が起きやすい。
これらの問題を解決し、効率的に共有アドレスを利用するためのサービスは色々とある。ネットで「メール共有」といったキーワードで検索すれば、安いものでは月に数千円から利用できるものが簡単に見つかる。
こういったサービスを利用すれば、①未対応・対応中・完了といったステータス管理、②対応者の確認、はもちろん、③一定期間放置されているメールがあれば警告、④対応履歴を皆で共有、⑤メール毎に担当者を割り当て、といったことも容易にできる。ちょっとしたことだが、これだけで共有アドレスの管理は大幅に改善される。
メール作成の効率化には、「テンプレート機能」がお薦めだ。これは、予め登録しておいた文面や連絡先等を一括で呼び出せる機能のこと。毎回同じような文書を一から入力したり、複数の送信先をあれこれ選ぶよりも遥かに早い。
必要項目を書き忘れる、誤送信や送信先漏れといったことも避けられる。同様に、良く使う文章を登録しワンタッチで呼び出せる「文章の登録機能」も便利だ。いずれも、たいがいのメールソフトには備わっている。
日常的に使うメールだからこそ、このような小さな改善の積み重ねが全体では大きな効果になる。メールに限らず、「こんなサービスがあればいいのに」とか「こんな機能があれば便利なのに」といったニーズは、ちょっと調べれば、すでに世の中で提供されているサービスや、気付いていないだけで実は存在していた機能によってあっけなく解消されるということは多いものだ。
こうなれば業務がより効率的になるハズだという「気付き」のアンテナを張り、それを実現するものがないかと調べるクセを付ければ、仕事はどんどん楽しく変化していく!
(筆・先原秀和/週刊住宅2015.11.09掲載)