週刊住宅

公開日:2015年11月16日

第49回 広がり見せるAirbnb

第49回 広がり見せるAirbnb
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無断賃貸と現場対応

Airbnb(エアビーアンドビー)といい、Uber(ウーバー/個人がタクシーの替りを勤め、スマホで呼び出せる)といい、サンフランシスコって街はなんとも革新的なものを次々と生み出すものだ。日本では「法律に抵触する」か「法律違反」として非難され、まず「発祥の地」になることはないだろう。Airbnbへの政府の対応が興味深いが、訪日外国人の急増、そして観光立国を目指す観点から、締め出すことは無理だろう。しかし、現場レベルでは、いつも事件が起きている。(藤澤雅義)

 

賃貸物件での「無断転貸(又貸し)」が急増している。

当社ではこの半年間に4件の無断転貸が発覚し、対応を行った。これらの対応から読み取れる傾向は表の通りだ。やはり、今年はAirbnbの影響が大きい。

Airbnbについては、個人的には今後発展していくべきとは思うが、オーナーや管理会社に無断でやられてはたまらない。いずれにしても賃貸物件において無断転貸が発覚した場合、管理会社として然るべき対応をとることになる。

■現場対応の流れ

 多くは近隣からの通報によって発覚する。通報を受けたからといっても単純に賃借人に問いただすべきではない。唐突に質問しても否認される可能性が高い。まずは証拠を固めるべきだ。Airbnbならばサイト上での掲載確認を行う。掲載が確認できても「Airbnb上のホスト」と「賃借人」が異なることもある。

 

両者の因果関係を調べる際にはフェイスブックが有効だ。Airbnb利用者はフェイスブックを利用していることが多く、フェイスブック上で検索するとホストと賃借人の繋がりを確認できることがある。また、サロン(習い事教室)開催の場合は主催者のブログを調べることが有効だ。出入りする生徒からサロンの手がかりを伺い、それを元に主催者のブログを発見、ブログにはサロンの様子を紹介する写真が掲載されていることが多い。

 

ある程度証拠を固め、賃借人へ事実確認を行う(またはAirbnbのホストやサロンの主催者にメッセージを送る)。証拠を提示することで、事実を認めるケースが多い。内容を確認し、悪質であれば契約解除を行うが、是正することを条件に賃貸借契約を継続する場合もある。

その場合、罰則規定のある「覚書」を取り交わすことで再発の抑止とする。賃借人がシラをきって否認し続けた場合でも、同様の覚書を取り交わすことを推奨する。否認している以上、覚書にサインできない理由もないだろう。

■事前対策が理想

無断転貸の対応には時間と労力もかかる。

本来は、契約前の段階で無断転貸を行おうとする申込者を排除することが理想だ。当社では無断転貸が実際に起きた物件や、起きる可能性の高い物件に対しては、申込時に別途「無断転貸をしない」という内容の確認書に署名をしていただく。

中には確認書に署名できないという理由で申込をキャンセルする方もおり、一定の効果があるようだ。

 (筆・片平智也/週刊住宅2015.11.16掲載)


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