週刊住宅

公開日:2016年3月7日

第64回 人を育てるマネージャーの役割

第64回 人を育てるマネージャーの役割
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「叱る」愛情も必要

会社は人財がすべて、と言ったら言い過ぎだろうか。

もちろん、システムの活用や業務改革によって、効率化も進めなければいけないが、業種に関わらず組織の基本的な資本は「人」である。1月の連載で、会社経営で一番大事なのは「採用」ではないかと述べた。次に大事なのは、選抜の結果採用されたスタッフへの「教育」だろう。

 

では、その教育は誰がどう行うのか。研修もいいだろう、社内外のセミナー等に大いに参加すべきだ。新たな知識を得ること、勉強することはとても重要だ。しかし、教育の基本は、会社内にいる先輩スタッフや上司であることを忘れてはいけない。上司ははたして、しっかり部下に指導・教育しているだろうか。

入社して何年かが経って、仕事の実績も作ってきた、そろそろ彼(彼女)を課長にしようか、と経営者は考える。この「実績」が問題だ。営業担当なら営業成績、その他の部門ならミッションの達成度や業務の経験値で単純に判断していないだろうか。

 

かくいう私も以前はそうだった。しかし、それではいけないのだ。その人が「マネジメント能力」があるのかどうかを見極めなければいけない。プレーイングとマネジメント、これはまったく違う業務であり、違うスキルを要求されているのだ。この認識が会社にもマネージャー自身にも少ないのではないか。

 

マネジメントとは何か?

任された部署において、期初に立てた予算やミッションを達成するために、リーダーシップを発揮することは無論だ。しかし、忘れてはいけないのが、「部下を育てる」という仕事だ。それは、その人の現時点での能力に合わせて、一段高いレベルの目標となるステージを提示して指導し、褒めて、叱って、ということを継続できるかということである。

 

この「叱る」という行為はストレスのかかる仕事だ。しかし、マネージャーが一番覚悟を決めなければいけないことが、この行為だ。最近は妙に優しい人が多い。それは本当の優しさか、無責任ではないのか、自分のせいではないと放置してしまっていないか。部下に真の愛情を持ってほしい。
 

また、人が育つ環境を創ることも重要だ。スタッフが辞めるとき、もっともらしい理由をいつもいうが、結局はスタッフ間の人間関係がうまくいっていないから、という理由が本音のことが多い。

 

上司はスタッフ間でうまくいっていない人間関係をわかっているのか、わかっているのならなぜそれを改善しようとしないのか。なぜ間に入って、それぞれの言い分を聞き、それぞれに注意と励ましをし、コミュニケーションを取れるようなアイデアを出さないのか。マネージャーとはそういうことができる人なのだ。逆にいうと、そういうことができると確認ができないうちは、マネージャーにあげてはいけない。

(筆:藤澤雅義/週刊住宅2016.3.7 掲載)


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