週刊住宅

公開日:2016年3月14日

第65回 採用難の時代が到来

第65回 採用難の時代が到来
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意識の切替え必要に

昨今は企業の採用意欲が旺盛で、リーマンショック後に有効求人倍率は0.47倍にまで落ち込んでいたのが、アベノミクス以降徐々に回復して、いまは1.28倍と20年数年ぶりの高水準だ。

 

かくいう当社もどうも最近は、以前に比べて良い人が採れなくなってきた。というか、応募そのものが少なくなってきたのだ。中途採用も現在進行中の新卒もだ。そして、おそらく内定を複数社からもらっているのだろう。

はっきりいって大手企業も採用レベルを一段階下げてきていると思われる。一次面接の合格通知のために電話してもまったく出なかったり、面接をすっぽかす人が増えてきた。こうした中で、どうやって人を採用していけばいいのか?

 

現状を冷静に分析してみよう。まず、我々企業側が採りたくて仕方がない若い世代、つまり20代から30代前半までの人口だが、2000年当時、2700万人(20歳から34歳まで)いた。15年経って、いまは2016万人だ。なんと25%も減っている。4人いたのが3人になったのだ。そもそも、若い人が昔とくらべてずいぶん減っているという現実があるのだ。そして、この求人倍率だ。採れないのも無理はない。

 

こうなると、いままでのやり方を変えていくしかない

また一方、女性の就業率はずいぶん上がっているという事実がある。25歳から29歳までの人が、2000年当時、65%だったのが、2013年度で75%になっている。30〜34歳では、54%から67%まで上昇している。ということは、女性の採用にもっと注力すべきだ。育児休暇規定等の整備は必須だろう。また、働く意欲がまだまだある中高年も対象の枠に入れてもいいだろう。また、外国人もいいのではないか。

 

マイナビより発表された、「2016年度卒の大学生を対象とした業界別イメージ調査」によると、不動産業界にはマイナスイメージとして「残業が多い」、「福利厚生の不遇」、「ノルマに追われる」、「離職率が高い」ということが挙げられている。加えて競争力を無くしているのは、年間休日が少ないこともあるだろう。これらを改善するしかない。

 

休日を多くして、残業を減らして、福利厚生を厚くして、営業ノルマを・・無くすわけにはいかないが、ただ尻をたたくのではなく、どうしたら成果が出るかを一緒に考える姿勢が大事だと思う。

 

スタッフが辞めないようにする、大事に育てる、ことも重要なのは自明だ。新卒の離職率だが、1年以内に12%〜13%が退職し、3年以内では3割以上が辞めてしまっている。「今の若いものは・・・」と4000年前のエジプトの石版にも書かれているようなことを言っても仕方がない。

 

今の若い人をいかにやる気にさせて、自立したビジネスパーソンに仕立てあげられるかは、その会社の力量だろう。当社も偉そうなことはいえない。今回は自分に言い聞かせながら書いた。

(筆:藤澤雅義/週刊住宅2016.3.14 掲載)


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