具体事例示しファン増やす
セミナーを開催することはとても良いことだ。セミナーは誰でもができるものではない。セミナーを開催する実力があるのだ、ということを地域の方にしってもらうだけでも意義がある。そして、一番肝心なことはなにか、それは「継続」することだ。1回か2回、ぱっとやって、それで終わってはいけない。定期的に開催するのだ。(藤澤雅義)
管理物件獲得のための手法としては、セミナーの活用が有効である。オーナーへの個別訪問とは違い、一度に多くの方と触れ合うことができるのがメリットだ。また、賃貸経営に有益なセミナーを開催することによって、顧客獲得につなげるだけではなく、「自社のブランド」をアップさせることができ、また、当然既存オーナーも招待することで「既存顧客の満足度向上」にも寄与することができる。
セミナー成功の秘訣は、
①一方的な「講義調」のものにしないこと。
②実際の事例をなるべく用いること、である。
例えば、「空室対策」というセミナーを行うとする。ただ講師から空室対策手法を話してもらうだけでなく、合わせてスタッフから自社ではどのような取り組みをして、どのような成果を出しているのかを具体的に伝える時間を作ることが重要だ。
オーナーが学んだことをすぐに実践するヒントにもなるし、自社をアピールしてファンを増やす非常に良い機会にもなる。
以下、セミナーの構成例を記載する。
【例】メインの講演(1部:外部講師)+事例紹介(2部:自社社員)
1部:空室対策・土地活用・法改正など
2部:リノベーション実例による賃料上昇の紹介・トラブル対応事例による居住年数向上・事例見学会など
また、できるだけ単発開催ではなく、全部で4〜5回のシリーズものにして、月一回開催などにするとよい。最初は警戒されていても、2〜3回目くらいには顔なじみになるため、自然と相談が発生して参加者から案件が上がりやすい。
さらに比較的、参加者と主催者側がなじみやすい方式を取り入れるやり方もある。それはセミナーの中にワークショップを取り入れることだ。参加者と共に管理会社側のスタッフが参加して、例えば空室対策のアイデアを一緒に考えることによって、親近感がますのだ。
管理獲得というと、ひたすら地主まわりなどをする方法等とよく聞くが、自然な形で大家さんとコミュニケーションが取れる仕組みを作ると良いと思う。
(筆:今井基次/週刊住宅2016.05.16 掲載)