週刊住宅

公開日:2016年6月27日

第79回 稼働率の定義を考える

第79回 稼働率の定義を考える
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リフォーム中も空室期間

稼働率の定義を考えてみたい。

不動産オーナーにとって、稼働率という数値は不動産の収益を左右するものであり、大いに関心があるものだ。また賃貸管理会社にとっては、その会社のいわば「成績表」のようなものであり、その数値を上げるべく日夜努力をしている。しかし、その稼働率の定義がどうも定まっていないようだ。

 

稼働率が97%とか99%というふうに自社サイトで提示している管理会社があるが、発行している募集一覧表を見ると数百戸も募集している空室があって、公表されている管理戸数で割ると、どうも数字が合わない。結果的に数%「盛っている」ような気がする。その稼働率なら、そんなに空室があってはおかしいのだ。

 

▲ HPで稼働率を掲示する企業も多い(写真はアートアベニューのHP)

 

稼働率は、通常ある一定の時点の「稼働率=空室戸数÷管理戸数」で定義されると思う。

分子の「空室戸数」の定義であるが、「賃料が発生していない部屋」と言っていいだろう。入居者が退去した時点で、賃料は払われてはいないだろうから、その時点から次の入居者が決まり賃料が新たに払われるまでが、賃料が発生していない期間と言える。

 

「賃貸借契約が存在していない部屋」とも言えるが、厳密にいうとフリーレントを付与すれば、その間は賃料収入がないわけだから、契約があっても空室期間に数えるべきである。そこまで厳密な運用は計算が難しいところだが、会社によっては、退去後の室内リフォーム中の物件を分母・分子から外す会社もある。明確にまだ「募集」をしていないから、「空室」と認識しないというのだ。

 

気持ちはわかるが、オーナーの求める稼働率とのズレは否めない。オーナーは当然に稼働率の数値の違いは、賃料収入の差と認識している。それ以外に意味はないだろう。よって、あくまで賃料発生ベースで計算すべきだ。

管理会社としては、「募集していて、かつすぐ契約できる戸数の中の空室戸数の割合」としたい気持ちはわかるが・・・。

 

分母の「管理戸数」であるが、これは、「営業戸数」と当社では言い換えている。オーナーと管理受託契約はしているが、まだ完成していなかったり、他の管理会社でまだ管理されているものを除外しているのだ。

つまり「管理戸数=営業戸数+準備戸数」という定義をしている。毎春の繁忙期などは、新築物件が多く建ち上がったりして、一気に空室戸数が増えることがある。せっかく稼働率を徐々に上げてきたのに、供給戸数が多いから、稼働率が急に下がってしまうことがある。

 

会社によっては、完成や管理移管後、2ヶ月は分母・分子に参入せずに稼働率を計算するというルールで運用しているところもある。これは、新規戸数の急な増加というイレギュラーなことなので、継続的な数値を点検し分析するという観点から、あっても良いルールではないかと思っている。

少なくとも、それら新規物件を除いた状態での稼働率を計算しないと真の運用力が測れないのだ。

(筆:藤澤雅義/週刊住宅2016.06.27 掲載)


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