週刊住宅

公開日:2016年9月19日

第90回 エリア・イノベーションの時代

第90回 エリア・イノベーションの時代
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宮古島にヴィラと相撲巡業

5月の連載で「プロパティマネジメントからタウンマネジメントに進化」する時が来た、と書いた。

「PMからTMへ」だと。

今後の日本は急激な人口減に見舞われる。東京の世田谷区でさえ、20年後に若い人(20〜34歳)が23%も減ると予想されている。それは、賃貸住宅の稼働率が23%落ちるということと同じだ。我々がいくら管理物件の空室対策に苦心しても、そのエリアそのものが滅んでしまったらどうしようもないのだ。

 

今後、我々は物件単位で考えるのではなく、そのエリア全体のことを考えなければいけない時代になったのではないか。そのエリアを街ごとリノベーションする必要がある。

そのエリアを活性化させ、雇用を作り、子供を産む若い世代が集まってくる人気の街を作る必要がある。「エリア・リノベーション」の時代なのだ。

エリア内の不動産オーナーのみならず、他業種の事業者、また行政とも連携して、街づくりを行う必要がある。

 

さて、私はひょんなことから、沖縄県の宮古島と縁ができた。宮古島の北端に位置する狩俣という集落でvillaを作ることになったのだ。

今年完成し、1日1組限定で、1泊20万円で貸している。300㎡の一戸建てなのだが、目前にビーチがあり、ちょっと他にはないロケーションが売りだ。

▲ 宮古島の「Villa Karimata」

 

そういうわけで狩俣に縁ができたのだが、ここは人口減が激しく、現在600人程の人口だが、若い人がどんどん減ってきている。狩俣小学校は生徒数33人で、このままでは廃校の危機が迫っている。

そんななかで、地域住民と親しくなるにつれ、狩俣の活性化、そして宮古島の活性化に思いをはせるようになってしまった。

 

そこで、思いついたのが、冬枯れ対策としての観光コンテンツとして、

「お相撲」文化を宮古島に導入してはどうかということだ。

▲ 宮古島で相撲巡業を企画することに

 

お相撲体験を提供することによって、内地から、また外国人のインバウンドに繋がればいいと思う。この発想の一環として、年末に宮古島で大相撲巡業をすることにした。

そして、その勧進元を引き受けさせてもらうことになった。

 

横綱大関はじめ幕内力士40名全員が宮古に来る。大いに盛り上がることだろう。

賃貸管理会社が南の島で相撲巡業の企画、というとまったくつながりが見えないかもしれないが(笑)、私としては、空室対策の延長線上にこの企画はある。

不動産会社は今後、「地域活性化」というテーマが重要になってくると思っている。

(筆:藤澤雅義/週刊住宅2016.09.19 掲載)


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