週刊住宅

公開日:2017年1月7日

第104回 「気分転換に退去」は1割

第104回 「気分転換に退去」は1割
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解約抑止はヒアリングから

解約理由の1割が「気分転換」というのは、実に大きい数字だ。賃貸管理会社には、こういった無用な解約を減らす取り組みが求められる。入居者とコミュニケーションを深めるのもひとつだろう。

スポーツイベントや婚活パーティを開催する会社もある。やれることはたくさんありそうだ。(藤澤雅義)

 

 

間もなく、入居者からの退去申し込みが増える時期に突入する。図①は、2015年12月からの1年間に当社に入った、部屋数に対する退去申し込みの割合だ。1~3月の数値が突出しており、年間退去申込総数の約35%がこの3ヵ月で発生している。

では、その退去理由を把握しているだろうか。

 

表②は、世帯タイプ別に退去理由を多い順に並べたもので、男性単身は「転勤」、女性単身は「結婚」、家族世帯は「自宅購入」が最も多い。これらの理由による退去は防げないないかもしれない。

しかし、退去理由の傾向が分かれば、定期的に実需不動産の物件情報提供、結婚を理由に管理物件内で引っ越した人に特別割引適用など新たな仕事につなげる戦略はある。

 

一方、無用な退去を防ぐ視点から注目すべきは「気分転換・不満」による退去だ。

これは、強い理由はないが何となく退去、物件・管理会社・近隣住民に不満があるので退去、といったもので、防げたかもしれない退去と言える。それぞれの世帯で退去理由トップ5に入っており、退去全体の10.69%を占める。

つまり、10世帯中1世帯以上が「必要にかられての退去ではない」ことになる。

 

特に女性単身は他世帯に比べて高くなっており、入居中の不満や満足度の不足感が退去につながりやすい傾向を示している。入居満足度向上のための取り組みや、不満の把握と解消が大切であることに改めて気付かされるデータだ。

 

退去理由の中に「より広い物件へ」というものがある。

30歳未満ではあまり目立たないが、30歳以上になると各世帯タイプともに退去の8%程度と無視できない割合になってくる。同じ地域内でより広い物件を希望する人に対して、管理会社の出番は大いにあるのではないだろうか。

 

退去の理由は退去申し込み時にヒアリングすれば、多くは快く教えてくれる。自社の管理物件における退去理由と傾向をつかめば、無用な解約の抑止や新たな仕事にもつながるので、退去理由を聞くという一手間を、退去受け付けの業務フローに加えてみてはどうだろうか?

(筆:先原秀和/週刊住宅2017.01.02 掲載)


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