業務改善の取組み評価
「毎日のように改善のアイデアが浮かぶ」、というようなスタッフ欲しいものだ。そういうスタッフが何人もいる会社は最強であろう。どんな会社でも日々改善が必要だろうとおもう。停滞は衰退の始まりだ。では、そのアイデアをどのように創出するか。その仕組みが必要である。(藤澤雅義)
会社が成長していくためには、現状のやり方に固執せず、業務改善を繰り返しながら変化(進化)していくことが必要になる。そのためには、スタッフが日常的に問題提起や改善提案をするような文化があれば理想的だ。しかし、いつも忙しく仕事をしているスタッフに業務改善の意識や視野を持ってもらうためには、仕掛けがなければなかなか上手くはいかない。
当社では、その仕掛けの1つとして「ミッション制度」がある。これは人事評価のための制度であり、個人別に半年毎のミッション(タスク/役割)をいくつか定めて、その達成度に応じて5段階で評価をする仕組みだ。
ミッションの1つには、必ず「改善ミッション」を入れることになっている。業務効率化、マニュアル作成、経費削減、職場環境の改善、新サービスの構築など、現状を変えたり、新たな取り組みをすることで会社にプラスの影響が期待できるものであれば、全てこの改善ミッションの対象となる。
大切なのは、どんな改善に取り組むのかをスタッフ自身が考えることにある。
改善項目が見つけられない場合には、例えば「募集図面の作成をもっと効率的にできないか」というようにテーマを与えて、その中で考えてもらうとやり易いようだ。
最終的には期待される効果や難易度を考慮し、上司が承認して正式にミッション化するのだが、自らが考えた改善項目なので、取り組みへのモチベーションや責任感も違ってくる。
この制度は、「会社は業務改善への取り組みを評価する」というメッセージをスタッフ達に送り、社命として改善に取り組んでもらう仕組みとも言えるのだが、制度を導入したことにより、徐々にではあるが次のような効果が出てきている。
①スタッフ達が現状を変えることに対して柔軟になる、
②後回しになり滞っていた改善が進む、
③改善実施のために他部署や上司などの協力や調整が必要なケースも多く、社内コミュニケーションに繋がる、
④皆が何かしらの業務改善タスクを持つため、会社全体に業務改善に取り組むことへの理解や文化が生まれる、
⑤改善を実現するために、他社の取り組み、市場、外部サービスなど、社外の情報に目を向けるようになる。
スタッフ達が、現状のやり方に満足し「このままでいい」と改善に消極的になってしまうことは、決してめずらしいことではない。是非、社内に「改善をする!」という雰囲気を生み出すような仕掛けをしてみてはいかがだろうか。
(筆:先原秀和/週刊住宅2015.12.14掲載)