週刊住宅

公開日:2015年3月20日

第19回 駐車場のクレーム

第19回 駐車場のクレーム
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警察や業者に連絡し素早く対応

管理会社にはいろいろなクレーム電話が入ってくるが、それへの対応には手順がある。ともすれば感情的になっている入居者のニーズに、すばやく対処するための最善の道が何かを知っていなければならない。

それは過去の実務の経験からでしか得られないものだ。管理会社のスタッフは日夜その対応に追われる。しかしそのことによっていろいろなノウハウが会社に溜まっていくのだ。(藤澤雅義)

 

断トツは迷惑駐車

賃貸管理物件の契約者(入居者)からの駐車場に関するクレームで、やはり断トツは迷惑駐車である。「契約している駐車区画に他人の車が止まっている!」「敷地内に、いつも無断で車を止めている人がいる!あそこに停められると、車の出入りがやりづらい」という、契約者からの怒りの連絡が入ることが少なくない。この迷惑な無断駐車、全国の管理会社さんでは、どう対応されているのだろうか。

 

迷惑駐車車両の所有者の大半は、物件住民の関係者であることが多いが、犯人探しのために1件1件各部屋の入居者へ連絡をするのも、管理会社としてはかなりの時間と労力を要するし、あまり良い効果は得られないものだ。そこで、取り急ぎ車の移動してもらうために警察へ通報し、所有者へ連絡をしてもらうことが最善だろう。但し、怒っている契約者から、迷惑駐車車両の正確なナンバー・車種・車の色を確認する必要がある。

 

全国約100社の賃貸管理会社から入居者窓口業務を請け負っている弊社『プロコール24』でも、迷惑駐車とくればまずは警察だ。数年前まで、管轄の警察署によっては「私有地でのことなので、迷惑駐車については管理会社自身で対応してください」と断られることが多かったが、なぜか現在では全国どの警察署へ連絡をしても、対応を断られることはなく、所有者を調べ連絡をしてくれる。

 

所有者と連絡がつかない場合でも、親切な警官に当たれば、現地に行って警告文を該当車両に貼付けてくれる。さらにはパトカーを出動させ、深夜・早朝以外であれば拡声器で呼び出してくれる。対応については管轄の警察署によってというより、担当の警官によって異なるが、親身に対応してくれる警官は本当に心強いものだ。

▲ 工事費無料の防鳥対策

 

また、あまりないケースなのだが「駐車区画の真上に電線があり、その電線に止まっている鳥が車に糞を落とす」というクレームが過去に数回入ったことがある。この対処法については、管轄の電力会社へ防鳥工事の対応を求めることができる。もちろん費用は無料だ。具体的な工事内容は電柱や電線に、トゲ付きのカバーの取り付けや、電線の上にピアノ線を張って、防鳥対策をしてくる(写真参照)。

電力線ではなく、電話線やケーブルテレビ線の場合もあるので、その場合はNTTやケーブルテレビ会社へも同様の対応を求めることが可能である。工事後は、ほとんど鳥が電線に止まることはなくなるようだ。

 

こういった人的な問題でない場合には、対策後はほぼ問題が解決するのだが、迷惑駐車等の「人」のモラルが欠けている行為によって起こる問題については、抜本的な解決は困難であり、迷惑駐車に関するクレームが減ることがないのが実情である。
 (筆:遠藤広美/週刊住宅2015.03.30掲載)


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