賃貸管理の可能性に、挑む。
当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。
今回のテーマは「賃貸経営を支える管理」です。
賃貸管理の業務改善・生産性向上にお悩みなら
オーナーズエージェントは賃貸管理ビジネスに特化したコンサルティング企業です。管理戸数拡大やオーナー満足度向上など、貴社の目標・お悩みをお聞かせください。共に悩み、成果を喜ぶ「伴走型」のコンサルティングが、貴社の成長と課題解決を強力にサポートします。
不安に寄り添い、判断をサポートする人材を育てる
強い不安を抱えるオーナーのため、「経営支援型」へのシフトを
こんにちは、コンサルタントの安藤です。
建築資材や設備価格の上昇、人件費の高騰、さらに直近では中東情勢の影響もあり、この数年は賃貸管理を取り巻く環境の変化を強く感じます。経営者や現場責任者の方々からも、工事費や設備更新費用について「これまでの相場観が通用しなくなってきた」と伺う機会が増える一方、管理獲得の現場では管理料の値下げ競争が続いており、管理会社の利益確保の難易度と、この先の“不透明感”に対する危機感は非常に大きくなっているものと思います。
ただ、こうした状況の中で管理会社として売上をつくり、オーナーの満足度を高めていくのであれば、改めて認識しておきたい根本的な課題があります。それは、多くのオーナーが「この先どうなるのか分からない」という強い不安を抱えているということ。数多くの不動産経営に接してきた管理のプロ=管理会社と違い、自身の所有物件の経営しか知らない不動産オーナーにとって、この不安定な市況の“不透明感”への不安は比べ物になりません。
退去時の原状回復費用はどの程度になるのか。設備更新はいつ必要なのか。今の家賃設定で問題ないのか。修繕積立金は十分なのか…。賃貸経営の様々なリスクを背負うオーナーにとって、「先を見通せないこと」は最大の不安要因です。
なればこそ私の提言は、オーナーの手足となって働く従来の「業務代行型」の管理からの脱却、そして、オーナーの“耳目”となって判断を援ける「経営支援型」の賃貸管理へのシフトです。
「支出の見通し」を仕組みで支援
オーナーにとって不動産運用は経営判断の連続です。その判断の労力を最小化する手段として、以前から支持されてきたのが空室保証・滞納保証といった収益安定化のサービスでした。安定化とは、言い換えれば「将来の見通しの立つ状況」です。見通しが立つ…、つまり収益安定化は、先の見えにくい状況を解消するために管理会社が「オーナーの目」となるサービスとも言えます。
これを踏まえれば、建築資材や工事費が高騰する現在、管理会社が提供できる経営支援の仕組みも見えてきます。例えば、退去時の原状回復費用を毎月定額化し、将来発生する費用負担を平準化する仕組みの提供。つまり、オーナーの「将来の支出の見通し」が立つようにする「目」となる経営支援サービスの構築です。
弊社では以前より「退去リフォームゼロプラン」という名前で原状回復の定額サービスを提供していますが、このところ改めてオーナーから注目され、問い合わせも増えています。数年前まで見通せていた将来コストが不明瞭になり、「いくら必要になるか分からない」を抱える今の状態を、多くのオーナーが経営上のリスクと感じています。
支出を平準化してより安定した経営を実現したいと考えるオーナーにとって、この「ゼロプラン」は将来の見通しを立たせるための有益な経営支援サービスなのです。
管理会社はオーナーの支出変動リスクを背負う代わりに、定額化によって収益の拡大や工事の効率化等のメリットを見込めます。要は空室保証の原理を“支出保証”に置き換えた形であり、料金設定さえクリアできれば提供を始めやすいサービスです。

「経営の見通し」を人材育成で支援
ただし“経営支援型”の管理を謳うのであれば、やはり「人」の力による直接的な支援サービスは欠かせません。収支分析や、その結果に基づいた収支改善計画・長期修繕計画等の立案、買い増しや売却の支援、保険活用の提案、節税や相続を見越したアドバイスなど、オーナーのより良い経営の支援ができるようになろうと、人材育成に力を入れる管理会社は増加の一途です。
しかし、“手足”としての実務経験をいくら積んだとて、先を見通せない時代にオーナーの「目」として機能し、情報過多の時代に「耳」として活躍するような人材には育たないものです。先に挙げたような経営支援の提供を目指すなら、まずは個人としての知識や資格の取得、そして会社としての事業への挑戦(=実務経験)が必要となります。
特に重要となるのは、個人の知識習得を会社が応援し、促進する仕組みです。ここを個人の意欲に任せてしまうと、会社としての挑戦や計画のコントロールが効かなくなってしまいます。
資格手当や受験費用を支給するだけでなく、時には研修受講を強制することも、昇格要件に資格取得を置くことも必要でしょう。社内勉強会やセミナーの定例化、異業種交流会や不動産系イベントに参加させるなどで視野も広げさせたいところです。
経営の補佐役には相応の知識と教養が必要であり、会社としてそれを目指すならば、学びや自己研鑽が尊ばれる組織風土を会社が主体的につくらねばなりません。弊社が提供するような企業向け研修を活用するのも一つの手段かと思います。
ただ一方で、仕組みの構築も人材教育も、見失いたくないのが「オーナーの不安に寄り添い、将来を見据えた判断を支える」という目的です。ここが欠け落ちてしまうと、そもそも“オーナーに求められる管理会社”からかけ離れた姿へと進んでしまいます。変化の激しい時代だからこそ、一番近くで経営を支え、オーナーが安心して判断できる環境を提供する。そんな管理会社ほど、オーナーに選ばれる理由を持つようになっていくと思います。

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