コンサルタントコラム

公開日:2026年10月26日

【コラム】効率と収益を強化、総括保険の魅力

【コラム】効率と収益を強化、総括保険の魅力
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賃貸管理の可能性に、挑む。

当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。

今回のテーマは「総括保険の活用」です。

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担当者のマンパワーを「仕組み」に置き換える

担当者の頭を悩ませる保険失効問題の解消法

こんにちは、コンサルタントの安藤です。

漏水事故が発生し、入居者へ火災保険の加入状況を確認したところ、「入っていると思います」との返答。しかし、いざ調べてみると更新手続きがされておらず、実際には保険が失効していた――、賃貸管理の仕事をしていると、一度はこんな経験があるのではないでしょうか。

私自身も現場を担当していた頃は、何度もこのようなケースを経験しました。ただでさえ事故対応で気が重い中、入居者の保険が使えないことをオーナーへ報告すると、返ってきたのは「なぜ入居者に保険の加入をさせていないんだ」という厳しい言葉。

もちろん、故意に保険未加入を放置していたわけではないのですが、事故が起きれば矢面に立つのは管理会社です。「そこまで我々の責任なのだろうか…」と理不尽さを感じながらも、オーナー、入居者、保険会社の間に立ち、解決に向けて奔走した案件は一つや二つではありません。

私たち管理会社は、入居時の火災保険加入の案内も、更新時の通知もきちんと行ないます。しかし、保険の更新手続きは入居者任せとなる以上、更新忘れや更新拒絶を完全になくすことは不可能です。そして、いざ事故が起こって「保険が切れていた」と判明するたびに、担当者は長期の事故対応と関係者間の板挟みを強いられる…、これは最早、入居者の保険管理における構造的な問題といえるでしょう。

だからこそ、この問題を根本から解消できる仕組みとして、近年注目されているのが「総括保険」です。

管理会社が主体的に 保険対応を進行可能に

総括保険とは簡単に言えば、管理会社が保険契約者となり、入居者を被保険者とする仕組みです。管理会社が保険契約を一括で管理するため、入居者は個別に保険を契約・更新する必要がありません。ただし、保険料の支払いも管理会社が一括して行うため、何らかの方法で入居者から保険料相当額を回収することになります。

少し面倒そうに見えますが、管理会社は入居者の「保険が切れていた」を大幅に減らせるというメリットを得られます。さらに、管理会社が契約者であるため、保険会社とのやり取りや保険金請求も主体的に進められます。

事故の直後は、入居者の動揺や、「仕事が忙しい」「必要書類が分からない」といった理由で保険申請が滞ることが珍しくありませんが、管理会社が契約者として手続きをすれば、修繕工事の手配やオーナー・近隣住戸への対応も円滑に進みます。

私自身、総括保険を導入している会社とそうでない会社の両方を見てきましたが、事故対応のスムーズさや担当者の精神的負担には想像以上の差があります。保険の加入状況の確認や更新漏れの督促といった事務作業が減らせるのも嬉しいポイントです。

ちなみに、メリットがあるのは管理会社だけではありません。保険料は月額化できるため、入居者も入居時の初期費用を抑えられるほか、更新手続きを忘れる心配がなく、事故時に管理会社のサポートを受けやすい安心感もあります。

図1:総括保険の基本的な仕組み

会員サービス構築し 管理会社の売上増強

さらに、総括保険は管理会社の売上づくりに活用できる点も大きな魅力です。

例えば、総括保険の契約にコールセンターや駆けつけサービス、福利厚生サービスなどを組み合わせた「○○クラブ」「○○サポート」等の会員サービスを組成し、これを管理物件の入居者に月額制サービスとして提供するのです。前段にて、総括保険は「保険料相当額を回収する必要がある」と述べましたが、単に保険料として回収するよりも、独自サービス化して提供するほうが利ザヤは大きく取れます。

管理料だけでは利益を確保しにくい昨今、会員サービスは収益源の多様化と、付加価値提供による他社との差別化につながります。

ただし、会員サービスの組成には注意点もあります。

まず料金設定は、収益を優先して保険料を下げ過ぎると、補償内容まで不足し、本来提供したい安心を損ねてしまいます。また、近年は保険料の値上げも続いているうえ、付帯する福利厚生サービスなどには原価が生じます。利用率や費用対効果を踏まえた料金の定期的な見直しが欠かせません。

加えて、見落とされがちなのが管理会社変更(管理離れ)時です。総括保険は管理会社が契約者となるため、管理会社が変われば入居者の保険契約も終了してしまいます。オーナーには予め、管理解約の際には新管理会社で保険の手続きが必要なこと、入居者が意図せず無保険状態になる可能性があることを説明しておきましょう。

人力を仕組みで補い 管理品質と経営強化

私は、総括保険は単なる保険商品ではなく、担当者のマンパワーを仕組みに置き換える制度だと考えています。更新漏れを確認し、事故のたびに保険加入状況を調べ、入居者へ何度も申請をお願いする――、こうした運用は担当者の努力でも成り立ちます。しかし、それは個人の経験や頑張りに依存した管理です。

人手不足が進み、一人当たりの管理戸数が増え続けるこれからの時代、求められるのは「事故が起きてから対応すること」ではなく、「事故が起きても困らない仕組みをつくること」です。その点、総括保険は保険未加入リスクの低減、事故対応の迅速化、担当者の負担軽減に加え、新たな収益モデルの構築にもつながります。

管理品質を高めながら経営も強くする。そんな「仕組みへの投資」という視点で、総括保険の導入を一度検討してみてはいかがでしょうか。

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