なぜ業績が上がらない?
それは目の前にある「緊急」で対応しなければならない、「生産性の低い」仕事--例えば「クレーム対応」--に追われ、本来やらなければならないリーシング、空室改善提案、管理受託営業などがおろそかになってしまうことが多いから。
「もう2ヵ月も空いている…オーナーへ空室改善提案をしなくては!」
「管理を増やしたい!受託営業へ行かなくては。」
と考えていても、緊急性の低い業務は後回しにしてしまいます。利益の上がる仕事なのに、です。
時間をつくる、4つの手法
クレーム対応も重要な業務なので、行わない訳にはいきません。
そこで時間をつくる必要が出てくるのですが、 その手法は大きく分けて4つあります。
1.業務フローの見直し
2.業務の仕組み化
3.人材投入
4.アウトソーシング
今回はこのうち、「業務の仕組み化」について、フォーカスしていきます。
仕組み化の第一歩、「テンプレート化」でムダな時間をカット!
テンプレート化とは、繰り返し使う資料や業務を定型化し、社内で共有することです。
毎回必要な資料を作成していては、「資料を作ることが仕事」となってしまいますし、それをスタッフそれぞれで行っていたら・・・膨大な時間がかかっていることになります。
そこで、テンプレート化。 例えば5人のスタッフがこれまで30分かけていた資料作りを5分で終わらせることができたら・・・なんと 約2時間の削減 です!
そんなテンプレート化のすぐに使える事例、当社の兄弟会社で賃貸管理会社の「株式会社アートアベニュー」が実践しているアイデアをご紹介します!
すぐ使える!アートアベニューのテンプレート化 事例
- 【1】通知文
- 【2】賃料査定
- 【3】物件巡回チェックリスト
- 【4】メールのテンプレート機能
【1】通知文
入居者へ向けた通知文は、騒音・ペット・ごみ・工事/点検関係・・・など、場面 に応じて用意しており、その数は30種にも上ります。
誰かが一度作ったものは、すべて共有する仕組みなので、現在も随時増えています。
通知文以外にも、リーシングレポート や解約精算書、滞納賃料請求書などのひな型、約400種を共有しています。
【2】賃料査定
賃料査定も定型化されています。それが、「コンペア式査定法」です。
類似物件と構造・仕様・環境を比較し、社内で決められた基準で査定していきます。
例えば、木造の類似物件に対して査定物件がRCなら、プラス3,000円、アパートに対してマンションなら、プラス3,000円、といった具合です。
これによって査定時間の短縮はもちろんのこと、新入社員の研修時間も短縮されました。
【3】物件巡回チェックリスト
弊社では、時間をつくるために、物件巡回や退去時の室内チェックを アウトソーシングしています。
そこで活躍するのが、アウトソーシング用に作成したチェックリストです。 業者さんに確認してほしいポイントを明文化することで、「抜け」がなくなり、 一定のレベルを保ち続けられるのです。
社内のスタッフで対応する場合でも、有効に使えます。
【4】メールのテンプレート機能
メールを使った定期的な報告や連絡 −−例えば営業報告、日報、議事録、業者への見積り依頼など−−は、テンプレート機能を活用します。
同じフォーマットを使うことでメール作成が格段に早くなる他、伝えモレがなくなるというメリットも。
次回に続く・・・
いかがでしたでしょうか?
本日は「時間をつくる」ことを目的とした仕組み化の「テンプレート化」についてご紹介しました。
目先の緊急性の高い仕事ばかり行っていては、会社は伸びません。
業績を上げるためには「生産性の高い」業務を行うこと、そのための時間を十分に取ることが重要です。
さて次回は、引き続き仕組み化についてです。その中でも最重要ポイントとされる「業務マニュアル化」をご紹介します。 「時間をつくる」だけでなく「営業力を高める」こともできるマニュアル化。 そのメリットとは?
来月の「管理会社の競争戦略」をどうぞお楽しみに!