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公開日:2022年2月18日

自分自身が鍵になる。実用化が進む「生体認証セキュリティ錠」の種類とポイント

自分自身が鍵になる。実用化が進む「生体認証セキュリティ錠」の種類とポイント
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何も持たない究極のセキュリティ「生体認証」スマートドア

三菱地所レジデンスの賃貸マンションで導入

三菱地所レジデンス(株)は28日、同社物件で初めて血流認証装置を導入した賃貸マンション「ザ・パークハビオ 江坂公園」(大阪府吹田市、総戸数88戸)を着工したと発表した。

血流認証装置により鍵を持たなくても指だけでエントランスや各住戸、宅配ロッカーが開錠できる。同装置は、指の血管パターンを利用した生体認証技術の一つで、同物件ではバイオニクス(株)の「AQUBIO」を採用した。あらかじめ登録したデータを認証時の撮影データと照合させ、認証後にドア等を開錠する仕組み。利便性やセキュリティの向上のみならず、ヘルスケアにも活用することができ、専用アプリと連携することで、開錠時に心拍数や血中酸素飽和度の測定・記録を行なうことも可能。

最新不動産ニュースサイト「R.E.port」2022年1月28日掲載記事より抜粋)

着実に実用化が進む「生体認証セキュリティ錠」

皆さんこんにちは。コンサルタントの引地です。

昨今、技術革新が進み、不動産業界のDX化や、IoT(Internet of Things)住宅の登場など私たちの生活が次から次へと進化しています。

少し前までは、玄関錠がスマートロックに変わり、スマホや交通系ICカードでの解錠ができるようになった!と驚いていましたが、この「三菱地所レジデンス株式会社が血流認証装置を導入した賃貸マンションを着工」というニュースを目にし、人の体内情報で玄関錠やオートロック、宅配ボックスなどが解錠可能になるという内容に、まるで映画のワンシーンのような世界だなと、とても興味を惹かれました。

私たちの周りで着実に実用化が進んでいるという「生体認証セキュリティ錠」

一体どのような認証技術が登場しているのでしょうか。

生体認証の種類とポイント

指紋認証

生体認証の中では比較的古くから利用されているのが指紋認証です。

身近なところではスマートフォンのロック解除機能やパソコンデータの保存USBなどに導入されていたりと、馴染みのある生体認証のひとつです。住宅業界でも最近では、後付けタイプの指紋認証ドアロックが比較的安価で普及しています。

指紋は人によって大きく異なるため、別人の指紋で認証されることがほぼないことからセキュリティの高さが魅力です。

一方で、指紋はあくまで身体の表層情報であるため、指先に怪我があったり、指紋が摩耗していたりするとうまく認証されないデメリットも。また、指紋の偽造による盗難被害の恐れもゼロではないようです。

静脈認証(血流認証)

静脈認証(血流認証)とは、血管の形や分岐点・方向などから認証する方法で、認証精度が高いため、銀行のATMなどで利用されています。鍵となる血流は「体内」の情報であるため、けがや乾燥といった人体の表層部の変化や、暑い・寒いなどの環境の変化にかかわらず個人を厳密に特定でき、偽造や複製、紛失・流出などのリスクが最も低いのが特徴です。

取り扱いメーカーがまだ少ないこともあり、費用が若干高額であったり、小学生以下の子どもの登録ができない(※静脈が成長中で情報が安定しないため)などの課題もありますが、セキュリティは非常に高いため、今後の普及次第で一般的な生体認証になってくるかもしれないですね。

虹彩認証

初めて聞く方もいらっしゃるかもしれませんが、虹彩認証とは、人の瞳孔の光彩濃度をパターン化して読み取り認証する方法です。人の目の光彩は生涯不変と言われており、似た光彩を有する親子や兄弟の違いも感知されます。非接触であり、高精度・高速での認証であるため、他の生体認証の中でもトップクラスの精度を誇ると言われています。

現在は、複数人が利用する建物やオフィスなどで使われています。既存の電気錠に虹彩認証モジュールを後付けできる商品もありますので、セキュリティ面の強化や、手軽な入退室管理システムを採用したいという方にはお勧めの生体認証です。

顔認証

ここ数年で一気に普及したのが、顔の形から個人を判断して認証する顔認証です。目や鼻などのパーツの位置・顔の輪郭を立体的に捉える生体認証(3D認証)技術などが採用されており、顔のダミーや写真による不正解錠を防ぐことができます。

他人を本人と誤って受け入れてしまう確率(他人受入率)は100万分の1という高い精度を誇る顔認証。虹彩認証と同様に、非接触かつ、高いセキュリティの製品は、今後の暮らしの中で、多くの人気を集めそうです。

近未来の技術で賃貸物件の差別化を

「自分自身が鍵になる」なんて未来の話だと思っていましたが、上に挙げたように、いろいろな生体認証技術がすでに私たちの生活に多く取り入れられてきています。

もし賃貸物件にも導入することができたなら、セキュリティ面の高さから、オートロック物件と似たように家賃増額も期待できるでしょう。また、管理会社にとっては鍵の紛失などによる緊急対応なども減るでしょうし、管理鍵の保管コストを下げられる可能性もあります。

携帯電話がガラホからスマホに変わったように、鍵も物理鍵の時代から「自分自身」に変わり、それが当たり前という時代はすぐそばまで来ているかもしれません。他物件との差別化を図るためにも、時代の変化をいち早く取り入れ、研究し、オーナー様への提案につなげていきたいですね。


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