週刊住宅

公開日:2017年2月27日

第112回 繁忙期の空室対策

第112回 繁忙期の空室対策
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管理状況見直す好機

現在、賃貸業界は繁忙期真っ盛り。問い合わせ、申込みがたくさん入って、ついつい残業も多くなる。物件オーナーには、この繁忙期が過ぎたあとに、空室を残していると辛いですよ、しっかり対策をたてましょう、欲張らないで適正な賃料で決めてしまいましょう、とアドバイスをする時期である。(藤澤雅義)

繁忙期(2〜4月)の3ヶ月間は、年間賃貸借契約数の約4割が集中する(プロコール24、2016新規契約実績より)。この時期は一年を通して圧倒的に賃貸住宅の需要が高まるのである。

 

「空室対策」というと、閑散期に差し掛かった5月後半くらいから、ようやく本腰を入れて動き出すことがあるが、需要が低くなっているその時期では、すでに遅い。閑散期は需要も下がり、ライバル物件が募集条件を譲歩し始めるため、成約させるためにオーナーは、より不利な条件にしなければならなくなる。

需要が集中するこの繁忙期こそ、稼働率を一気にあげるチャンスなのだ。

 

「空室対策」と言うと、特別な何かがあるような尋ね方をする人もいるが、必ずしも特別なことをする必要があるわけではない。管理会社としてどうしたら決まるのかを意識し、当たり前のことをやるだけである。

 

入居者ニーズアンケート意識調査2016(21c住環境研究会)によると、内覧をする人の約60%もの人が、「管理状況を重視する」という結論が出ている。

さらに、「管理状況のどこを確認するか?」と言う問いに対して、第1位は「ゴミ置場」で約75%、第2位は「玄関・廊下の汚れ」で約60%、第3位が約50%で「郵便受け(集合ポスト)」だ。

このように、アンケート結果の3位までと、多くの人が「清潔性」を求めていることは、無視できない。

 

専有部の汚れや臭いは当然であるが、共有部の虫の死骸やクモの巣、既存入居者の放置物、過去の入居者の残置物(放置自転車)などは、大きくマイナス評価になる。また、集合ポスト周りにも気を留めたい。

▲ 玄関や集合ポストなどへの見直しも稼働率に影響する

 

よくあるのが、集合ポストで空室になっている部屋の郵便受けに、大量のチラシが投函されているケース。ポストから溢れるチラシが散乱して、雨水に濡れ、紙がドロドロに溶けた状態になっていることもチラホラ目にする。そんなのを見たら、入居希望者はその物件には申込みを入れないだろう。

このようなことも、空室の集合ポストにテープを貼るだけで、汚れるリスクを大幅に減らすことができる。

 

普段から物件を見慣れている管理会社は気にも留めない部分であっても、初めて見る入居希望者にとっては、全てが新鮮に目に映る。この時期だからこそ、普段当たり前に見えているものを見直すチャンスなのだ。

(筆:今井基次/週刊住宅2017.02.27 掲載)


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