空室対策100選コラム

公開日:2024年7月16日

空室対策「オートロック」解説。入居率・家賃アップに欠かせない人気設備

空室対策「オートロック」解説。入居率・家賃アップに欠かせない人気設備
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入居率・家賃アップを叶える「オートロック」を解説

部屋探しの絶対条件とする入居者も増加

オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」
今回、注目する空室対策は、エントランスの「オートロック」です。

誰もが知る人気設備ですが、近年、防犯意識の高まりとともに、オートロックを部屋探しの優先条件・絶対条件とする入居者が増えてきました。

その傾向はニーズ動向の調査結果にも表れており、全国賃貸住宅新聞の人気設備ランキング2023でも、付加価値の高い差別化設備として上位にあがる一方、「この設備がなければ入居が決まらない」設備としても、単身者向け8位・ファミリー向け9位にランクイン。競合物件に差をつける付加価値設備であるとともに、入居者から「最低限あってほしい設備」と思われつつあることが分かります。

(全国賃貸住宅新聞「人気設備ランキング2023」)

オートロック有りの部屋は東京・大阪で7割超!

また、実際の市況を見ても、新築の賃貸住宅の多くでオートロック付きの玄関が備えられるようになりました。ポータルサイトを見ても、オートロック付き物件の割合が以前よりも増したと感じている方は多いでしょう。

事実、LIFULL HOME’Sが行なった、東京23区と大阪府におけるオートロックの設置割合調査(対象:築40年以内・駅徒歩20分以内・面積15~40㎡未満)では、東京23区の募集総数の72.2%・大阪府の74.9%が、オートロック付き物件の部屋として募集されていたとのこと(※)。
もちろん、エリアや物件によって異なりますが、未設置のままでは今後の入居者獲得競争で一層不利になることが予想されます。

※LIFULL HOME’Sが住まいの「セキュリティ設備」の最新動向を調査(2023年3月1日~2024年2月29日)

賃料アップによる利回りをオーナーに提示

とはいえ、オートロックを物件に後付けする場合は設置費用が高額になることが多いものです。一般的な目安費用としては、10戸の物件で100~160万円、20戸で170~300万円ほどが必要といわれ、提案に対してオーナーが難色を示すケースも少なくないでしょう。

そこで、オーナーへの提案時に説明したいのが、オートロックを設置することによる投資の効果です。

例えば、20戸の物件に工事費200万円をかけて設置し、1戸2千円の家賃アップが見込める場合、理論上は一月4万円、一年で48万円の収益が生まれます。200万円の「出費」ではなく、利回り24%・約4年で回収できる「投資」と考えれば、決して悪くない数字です。

■計算例(20戸・工事費200万円・家賃増2千円)
一月の収益増:20戸×2千円=4万円
一年の収益増:4万円×12か月=48万円
工事費回収にかかる最短期間:200万円÷48万円=約4年

もちろん、既存入居者もいる中で、現実にはすぐに賃料を上げられるわけでもありませんし、築年経過とともに賃料低下が起こる恐れもあります。あくまで上記は理想の数字であって、現実には費用回収までにさらに時間がかかる点は注意が必要です。

しかし、オートロックの設置で、この先5年、10年の入居率や家賃収入にプラスの効果が期待できること、入居者入れ替え時の賃料減額を避けられる可能性があることは、オーナーにも伝えておきたいメリットです。何年経てば費用を全額回収でき、何年経つとどのくらいの収益が期待できるのか。具体的な数字とともにオーナーに設置の提案をしてみてください。

格安オートロックで無理なく後付け

ところで、費用が高いと思われがちなオートロックですが、最近は電話回線や赤外線を利用した配線工事不要の格安オートロックも登場しているのをご存じでしょうか。オーナーの予算捻出が難しかったり、エントランスがなかったりする物件では、従来型のオートロックの提案がそもそもできないケースもあるものです。

そういうときの代替案として、簡易タイプのオートロックについても最新情報を押さえておけるといいでしょう。

■無線リモコン型

入居者の固定電話やスマートフォンをインターホンの子機代わりとし、来訪者が来たときは、それらを操作してエントランスドアを解錠するタイプの簡易オートロックです。
無線の遠隔機器でドアの開錠を行なうことで、導入時の配線工事がいらず、従来よりも安価に設置できます。エントランスがない場合でも、製品によっては外構の外扉などに設置できるため、柔軟な運用が可能な点もメリットです。

■IPインターホン型

LAN配線やWi-Fiといったインターネット回線を備えた物件なら、エントランスの集合玄関機に、室内モニターやスマートフォンなどを接続するIPインターホン型もオススメ。商品によっては、顔認証機能や暗証番号による開錠も可能です。

そのほか最近は、初期費用無料で月額利用のオートロックも登場しています。まとまった導入費用が用意しにくい場合は、そうしたサービスを検討するのもいいでしょう。

また、オートロックは、設置により入居率・家賃アップが期待できるだけでなく、物件を売る際には売却価格の引き上げにも貢献します。今後、オーナーがどのくらい物件を所有し、どのような出口戦略を希望しているかなど、将来の展望についてじっくりと話し合ったうえで、最適な提案をしていきましょう。

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