公開日：2024年9月17日

空室対策「ホームセキュリティ」解説。防犯力を強化し物件の付加価値をアップ

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ホームセキュリティで防犯重視の入居者層への訴求力を高める

東京23区・大阪府で「できれば欲しい」が約8割

オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」
今回、注目する空室対策は「ホームセキュリティ」です。

近年、闇バイトによる凶悪犯罪や外国人犯罪などの影響で、人々の体感治安の悪化が叫ばれるようになりました。それに伴い、賃貸住宅においても防犯設備のニーズが増加。ホームセキュリティにも注目が集まっており、全国賃貸住宅新聞の人気設備ランキングでも、付加価値の高い設備として、ここ数年はトップ10以内に頻繁にランクインしています。

また、LIFULL HOME’Sが実施した、東京23区と大阪府における優先順位の高いセキュリティ設備のランキング調査（2023年3月1日～31日）では、ホームセキュリティに該当する《セキュリティ会社加入済み》が両エリアで5位という結果に。さらに、「できれば欲しい」と答えた割合で見れば約8割と、他のセキュリティ設備の中でも最も高い数字を示しています。

もちろん、ホームセキュリティに関するこの結果はすべての賃料帯・入居者層に当てはまるものではないでしょう。
しかし、初めて一人暮らしをする学生や女性の単身者、小さなお子さまのいるファミリーなど、ターゲットとする入居者の属性によっては、ホームセキュリティの導入は十分に検討のできる空室対策となるのではないでしょうか。

同施策のネックは導入・運用のコスト（後述）ですが、まずは共用部にだけホームセキュリティを入れて様子を見る、といった方法もとれるため、オーナーの予算や物件規模に合わせて提案してみましょう。

ホームセキュリティのサービス内容

ホームセキュリティとひと口に言っても、警備会社や提供プランによってサービス内容は多岐にわたります。初期費用や月額費用にも大きな差が出るため、導入の際はオーナーと十分に話し合い、最適なプランを検討するようにしましょう。

■各種センサー・カメラによる監視

開閉センサーやガラスセンサーなど、ドア・窓の開閉や衝撃、破壊を感知するセンサーを設置し、屋内への侵入を防ぎます。防犯カメラと組み合わせることで、外部に防犯対策をアピールすることができ、犯罪抑止や入居者への訴求にも効果的です。

また、さらなる防犯強化を目指すなら、赤外線センサー（空間センサー）やレーザーセンサーといった、侵入経路を面で監視できるセンサーもオススメ。最近は、小動物や雨風などによる誤検知を排除する機能も改善されており、屋外での監視精度が高まっています。

■駆け付けサービス

センサーなどが異常を検知した際、自動通報することで警備会社のパトロール員が現場まで駆け付けてくれます。パトロール員は現場の状況にあわせて、警察への通報や、消防車・救急車の手配などを行なうため、被害を最小限に止めるなど緊急時にも素早い対応が期待できます。

■安否見守りサービス

警備員などによる定期訪問や電話による確認、各種センサーを使った監視などで入居者の安否確認を行なうサービスもあります。高齢入居者の事故や孤独死に対しても備えたい場合には、こうした複合サービスも検討できるでしょう。

このほか、ホームセキュリティには、火災・ガス漏れの監視機能や、エレベーターなどの設備監視、非常通報機能といった多種多様なサービスがあります。入居者属性や予算にあわせて適切なプランを選ぶようにしましょう。

ホームセキュリティ導入費用の目安

ホームセキュリティの導入費用は、「機器レンタル」と「機器購入」の大きく2種類に分けられます。どちらも物件の構造や選択するプランなどで幅はあるものの、概ね以下のような費用が想定されます。（※機器購入でも、保守・メンテナンス費用として月額費用がかかります。）

■機器レンタル（戸当たり）
初期費用：30,000～60,000円
月額費用：3,500～6,000円

■機器購入（戸当たり）
初期費用：180,000～310,000円
月額費用：2,000〜3,000円

機器レンタルでは初期費用を抑えられるものの、月額費用が割増しに。一方の機器購入では、初期費用こそ高くなりますが、月額費用を安く抑えることができ、解約後も設備が残るといった違いがあります。

また、最近では従来の大手セキュリティ会社と契約するタイプだけでなく、機器をコンセントに差し込むだけ、居室に置くだけといった工事不要の低価格サービスも数多く登場しています。ホームセキュリティの導入にあまり予算をかけられない場合は、手始めにそうした安価なサービスから始めてみるのもひとつでしょう。