空室対策100選コラム

公開日:2025年7月18日

空室対策「定期清掃」解説。蓄積された汚れを一掃、美観維持と入居者マナー向上に期待

空室対策「定期清掃」解説。蓄積された汚れを一掃、美観維持と入居者マナー向上に期待
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「定期清掃」で物件の印象を根本からリセット

日常清掃+定期清掃が美観維持のカギ

オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」

今回、注目する空室対策は「定期清掃」です。

丁寧に管理されている物件は「住み心地のよさそうな物件」として、内見者の印象に残りやすいもの。

しかし、日ごろからどれだけ清掃に気を使っていたとしても、入居者が毎日土足で歩く廊下や階段には、ガム・吸い殻の灰・ペットの糞尿・靴の擦れ跡(ヒールマーク)など、頑固な汚れが蓄積していきます。

このような汚れを除去して清潔感を出すには、日常清掃に加えて、定期清掃の実施が不可欠でしょう。

年に1回~3回程度の定期清掃を行えば、建物の美観が長期にわたって維持され、内見者からの評価を得られるだけでなく、入居者満足度の向上にもつながります。

現地内見では共用部の美しさで管理状況を判断される

『第10回首都圏賃貸市場における入居者ニーズと意識調査2024~2025年』(21C.住環境研究会・株式会社リクルート共同編集)より

最近はオンライン内見サービスの利用や、ポータルサイトに掲載された室内動画のみで契約を決める人も増えてきました。

しかし、21C.住環境研究会(※1)と株式会社リクルートが共同で行う「第10回首都圏賃貸住宅市場における入居者ニーズと意識調査2024~2025年」(※2)によると、契約をする際の内見について「現地でのリアルな内見なしでは契約できない」と答えた賃貸契約者は55.8%と、半数以上がいまだ現地での内見の必要性を感じている結果となりました。

また、「部屋選びの際、物件の共用部などの管理状況を重視しているか。または、物件見学の際に管理状況の確認をしているか」という質問では、「物件見学時に管理状況を確認している」と回答した人は71.5%。実際に確認した場所は、「玄関・廊下の汚れ」「ゴミ置き場」「外観の傷み具合」「共用部の傷み具合」「郵便受けの状況」が8割超える結果となっています(複数回答)。

つまり、多くの内見者は共用部の清掃状況を注視し、物件がきちんと管理されているかを部屋選びの重要な判断材料にしているということです。

建物の清潔感は、入居の決定打にまではならないとしても、部屋選びの候補から外す決定打となりかねません。日常清掃の甘さによる汚れや、長年にわたって蓄積した汚れがあるならば、すぐにでも対策を行なうべきでしょう。

(※1)首都圏の不動産管理会社によって組成される組織
(※2)21C.住環境研究会とSUUMO(株式会社リクルート)の共同調査

さらに、建物の清潔感が影響を与えるのは、内見者だけではありません。

共用部が汚れていると、入居者が「廊下などに物を置いても構わないだろう」とルールを軽視しだし、ゴミや私物の放置などが横行して、物件全体のモラル低下につながる可能性があります。

また、家賃のほかに管理費・共益費を支払う物件の場合、共益費などが日常清掃などにそのまま使われている、と誤解している入居者は多いものです。そのため建物の汚れが目立つようになると、「きちんと管理されていないのに、共益費を取られている」と不信感につながる恐れがあるため注意が必要です。

物件への不安や管理体制への不満が募れば、入居者が退去する確率も当然に上がっていきます。安定経営のためには、入居者に納得して賃料・共益費を払ってもらえるだけの“清掃コスト”が必要であることを、オーナーに理解してもらいましょう

長期的な視野で建物価値の維持を図るなら年に1~3回の定期清掃を

「定期清掃」とまとめて呼ぶことが多いものの、その内容・清掃箇所はさまざま。そのため、実施の費用は建物構造や清掃頻度によって大きく変わります。

オーナーに対して具体的な提案をする場合には、建物内の重点的に清掃したい箇所や、汚れやすいエリアを意識したうえで見積もりを複数とり、コストと効果のバランスの良いプランを選択しましょう。

なお、定期清掃はその名の通り、月に1度や3か月に1度など、一定周期での清掃を年間プランで契約するのが一般的です。

もちろん単発での発注も可能ですが、1回あたり3万円~5万円程度の料金は年間契約をしたほうがお得になることが多く、また、そもそも「清掃」は定期的に実施してこそ効果が最大化されます。日常清掃と併せてこまめな定期清掃を行うことで、汚れの蓄積と建物の老朽化が抑えられ、建物全体の資産価値を高く維持する効果も期待できることを、オーナーに丁寧に説明しましょう。

■清掃箇所の例

外階段・共用廊下の洗浄(ポリッシャー洗浄・高圧洗浄など)
窓ガラスの清掃
照明器具の確認・交換
植栽剪定・草取り
排水管の確認・清掃 など

■料金プラン例

○RC3階建24戸 年4回契約・1回あたり4万円
・共用廊下・エントランスホールのポリッシャー洗浄
・窓ガラス、エントランスドアガラスの拭き上げ
・照明器具の拭き上げ
・手すり、集合ポスト等の拭き上げ

○RC3階建9戸  単発・5万円
・共用廊下、階段の高圧洗浄

ところで、定期清掃の効果は「建物を美しく保つだけ」ではありません。

清掃を徹底して美観を維持することは、前述したような物件の治安やモラルの低下を防ぎ、入居者の生活マナー改善や、建物を丁寧に扱う意識の醸成をも促します

管理会社の働きかけによって、オーナーは「清潔感のある美しい建物」だけでなく「マナーの良い入居者」という無形の資産をも得ることができるのです。長年の運営による「蓄積汚れ」が目立つ物件があれば、予算に応じた定期清掃プランをぜひ提案してみましょう。

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●「定期清掃」の掲載ページ(サンプル)


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