コンサルタントコラム

公開日:2026年4月21日

【コラム】家主の要望、その先を考える管理

【コラム】家主の要望、その先を考える管理
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賃貸管理の可能性に、挑む。

当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。

今回のテーマは「最適な提案の導き方」です。

オーナーの要望から最適解を導く力を養う

人として向き合い、要望をどう受け止めるか

こんにちは、コンサルタントの安藤です。

賃貸管理を取り巻く環境は、ここ数年で確実に変化しています。業務の効率化やデジタル化が進む中で、これまで人手に頼ってきた作業の多くは仕組みで補われ、代替されていくべき領域となりました。

前回のコラムでは、こうした変化の中で、管理会社に求められる価値は「作業」ではなく、オーナーという顧客に「人としてどう向き合うか」に移ってきているのではないか、という話をしました。効率化が進むからこそ、オーナーと向き合う際の姿勢や考え方が、これまで以上に会社や担当者の評価につながる時代になったと感じます。

今回はその続きとして、オーナーからの要望をどう受け止め、その先をどう考えていくのかを整理してみたいと思います。

家主の「キャラ」は表層部分でしかない

管理の現場では、「このオーナーはコストに厳しい」「判断が慎重だ」といったオーナーキャラ(特徴)が、従業員の間で自然と共有されているものです。しかし、その言葉通りのキャラクター理解をもって、オーナーのことを“分かったつもり”になってしまってはいないでしょうか。
なぜオーナーがそうした姿勢をとるのか。その背景にまで踏み込めているかどうかで、オーナーからの要望に対する向き合い方は大きく変わります。

例えば、「なるべくお金をかけたくない」と繰り返すオーナーがいたとします。オーナーの要望どおり修繕工事の提案を控えたとしたら、その判断はオーナーのキャラと要望に寄り添ったものであるように見えます。しかし、話を進めてみると、実はその発言の根底に「相続を見据えて手元資金を残したい」「老後の生活費として収支を安定させたい」という考えがあった、ということもあるものです。この場合、本質は支出を抑えることではなく、将来に向けた不安を小さくすることです。

修繕や条件変更、工事の是非など、賃貸管理の現場では大小さまざまな判断を迫られますが、その際の判断軸にオーナーの「キャラ」や「発言内容」だけを用いてしまうと、オーナーの求めていた結果と現実とが、どんどん乖離していってしまいます。そのギャップから「この会社は何も分かっていない」と見限られてしまわないためには、管理会社は判断軸にオーナーの「投資目的」や「価値観」を据えなければなりません

重要なのは、「言われた通りに動くこと」ではなく、その発言の先にあるもの。「この物件で何を優先したいのか」「賃貸経営で何を大切にしているのか」にまで踏み込み、整理しながら、オーナーにとっての最適解を一緒に考えられるかどうかなのです。

担当者の「引き出し」の数が提案の質決める

図1:発言や要望がオーナーの真意そのものとは限らない

オーナーの要望は、必ずしもオーナー自身の目的にとって最善とは限りません。そのことを感覚論ではなく、数字や選択肢として示し、オーナー自身に気づいてもらうことも、管理会社の重要な役割です。

その一方で、残念なことに私たち管理会社の考える“最善”が浅く、提案がオーナーの真意に合致しない、ということも度々起こります。
例えば、若い担当者が選択肢として示しがちな、リノベーション工事。築年数がかなり経過したアパートに対し、耐用年数や出口を十分に考えないまま、意気揚々とリノベーションを提案してオーナーに苦笑いをされてしまう…、こうした光景は意外と多く見かけます。

オーナーが苦笑いをするのは、リノベーションという選択肢自体が悪いからではありません。その提案が、物件の将来や投資としての現実と噛み合っていないことを感じ取っているからです。ここで問われるのは、「リノベをするかどうか」ではなく、それ以外の選択肢も含めて考えた上での提案になっているかどうかです。

例えば、「将来的には売却も考えている」とオーナーから話が出たときに、現状のまま売却するのか、ある程度費用をかけて手入れしてから売却するのか、建替えや相続を含めて考えるのか。こうした複数の可能性を並べ、「このオーナーにとってどれが現実的か」を一緒に考えられるかどうかが、管理会社の価値を左右します。

担当者に求められるのは、正解を即答することではなく、どれだけ多くの選択肢を持ち、それを整理して提示できるか。その「引き出しの多さ」が、よりオーナーの投資目的や価値観に合致する、質の高い提案へとつながるのです。

価値ある提案と対話で真に寄り添える組織に

担当者の知識を広げて引き出しを増やすための研修、考える余白をつくるための業務設計、必要に応じて外部の知見を取り入れる判断。オーナーに寄り添うとは、気合や精神論ではなく、必要な場面で、自然に一歩踏み込んだ対話ができる状態を組織として整えることです。

まずは、自社の現場がオーナーの指示に従うだけになっていないか、オーナーと深い対話ができているか、提案の引き出しを幅広く持てているかを確認し、状況に応じて外部研修などを取り入れて改善を図ることが、管理会社としての価値を高める第一歩になるかと思います。


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