空室対策100選コラム

公開日:2023年12月26日

空室対策「バランス釜⇒給湯風呂」解説。あるだけで損かも…、不人気物件の代表設備に注意

空室対策「バランス釜⇒給湯風呂」解説。あるだけで損かも…、不人気物件の代表設備に注意
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不人気「バランス釜」を取り替え入居率回復へ

入居者のほとんどが「借りるのをためらう」忌避設備

 オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」
今回、注目する空室対策は「バランス釜⇒給湯風呂」です。

過去には多くの物件に設置されていたバランス釜ですが、最近はすっかり数が減り、若い入居者の中には「見たことがない」「さわるのが怖い」という声も上がるほど。管理会社でも、入社するまで使い方を知らなかった!という若手スタッフは多いのではないでしょうか。

そんな時代遅れの設備だけに、バランス釜に向けられる入居者の視線は実に冷ややかです。例えば、21C住環境研究会がまとめた『第9回首都圏賃貸住宅市場における入居者ニーズと意識調査2021-2022』では、「借りることをためらってしまう物件の設備・仕様はどんなものですか?」という質問に対して回答者の56.3%がバランス釜を選択していました。

Q.借りることをためらってしまう物件の設備・仕様はどんなものですか?
…「風呂がバランス釜」と回答
全体:56.3%(ひとり暮らし:54.5%、ふたり:67.7%、ファミリー:56.3%)

回答者の中にはバランス釜自体を”知らない”がために選択しなかった人もいるはずですので、実際の数はもっと多くなるでしょう。バランス釜が設置されたままの風呂は、ただそれだけで入居者募集の足かせとなりかねないのです。

まずは敬遠されない部屋づくりを目指すためにも、オーナーに対してバランス釜の取り替えを早急に提案したいところです。

バランス釜交換で築古物件にもチャンス!

とはいえ、オーナーの中には、

「物件自体が古いからバランス釜を替えても入居者は見つからないだろう」
「もう古い建物だからジタバタしても仕方がない」

と、築年数の古さを理由に交換に消極的だったり、

「お湯を温め直せるし、年配の入居者に需要は残っているはず」

と、ニッチな層のニーズに期待をして頑なに交換を拒んだり…といった方もいるでしょう。

ところが、築年数に限って見ると、お部屋選びの現場ではそれほど「建物の新しさ」「築浅であること」が重視されていないことが分かります。

前述した入居者ニーズと意識調査(2021-2022)でも、築年数をどの程度意識するかという質問に対して、「リフォームされていてきれいなら、築年数が古くても構わない」と答えた回答者が46%。次に多かった「築年数が古い物件は候補にしない」(28.4%)を抑え、最も多い結果となりました。

Q.お部屋を選ぶ際の基準として築年数をどのようにお考えですか?
・築年数が古い物件は候補にしない:28.4%
・リフォームされていてきれいでも、古い物件より築浅の物件を優先:18.2%
・リフォームされていてきれいなら、築年数が古くてもかまわない:46.0%
・むしろ築年数が古い物件のほうがよい:0.8% 特に築年数は気にしない:6.7%

また、エイブルが20・30代の入居者を対象に実施した入居者ニーズ調査でも、築年数の許容範囲について築20年以内(新築を含む)が53%を占めたものの、「築年数にはこだわらない・リフォームしていれば気にならない」と答えた入居者が32%に上ります。

「バランス釜の交換」という単体で見てしまうと「それだけで入居が決まるのか?」「コスパが悪いのでは?」という疑問も出てきてしまいますが、「バランス釜の交換を前提に部屋のリノベーションまで行なう」という選択になると、たとえ築古物件であったとしても、途端に「入居が決まる」「家賃が上がる」という期待が持てるようになります。

もちろん、実施の是非はオーナーの賃貸経営の展望・経営を継続する予定期間次第ともなりますが、将来的に物件を売却するにしろ建て替えるにしろ、それまでの期間の入居率・家賃収入アップを叶えたいなら、バランス釜の取り替えを軸としたリノベーションは十分に検討の余地があります。

むしろ、どんなに費用をかけてリノベーションをしても、入居者が忌避するようなマイナス要素を残したままでは入居も決まらない…と考えれば、「バランス釜」は何よりも優先して見直すべきポイントです。オーナーには市場のリアルを伝え、根気よく説得していきましょう。

バランス釜のリフォーム方法&費用

バランス釜から給湯風呂にリフォームする方法は主に3つがあります。いずれも施工方法やコスト、リフォーム後の見え方に違いがあるため、オーナーと相談のうえ最適な方法を選んでください。

①浴室外のガス給湯器に交換

バランス釜本体を撤去し、浴室外の給湯器から浴室内に配管をつないで給湯するタイプのリフォームです。目安費用は20~30万円程度。給湯器の設置場所(室内、ベランダ・バルコニー、共用廊下など)や配管の長さで費用が変わります。

●メリット:低コストで実施可能、給湯器の機能が豊富
●デメリット:給湯器から給水口までの距離が長いと工事費が高くなる

②壁貫通型給湯器(ホールインワン)に交換

バランス釜にある既存のガス管を活かし、壁貫通型給湯器を浴室の壁穴から外に突き出すタイプのリフォームです。バランス釜本体がなくなるため、浴槽の拡張も可能。施工規模も小さく済み、目安費用は15~25万円程度とほかのリフォーム方法よりコストを抑えることができます。

●メリット:大規模な工事が要らず、最も低コストで交換できる
●デメリット:浴槽の交換までが必要になる

③ユニットバスに交換

既存のバランス釜だけでなく、浴槽・壁・床などをすべて撤去し、浴室スペースにユニットバスを導入するリフォームです。目安費用は80~150万円程度と、ほかのリフォーム方法と比べて割高ですが、浴室が一新され物件のイメージアップが期待できます。

●メリット:浴室内が一新されるため印象改善に最も効果がある
●デメリット:コストが高くなるため、リノベーション費用の回収に時間がかかることが多い

オーナーに提案する際は、目安費用だけでなく、給湯風呂への交換で賃料がどの程度上げられそうか、費用は何年で回収できそうかといった採算性についても具体的に伝えられるといいでしょう。また、バランス釜の交換だけに終わらず、他にも入居者に敬遠されやすい設備があるなら、そちらも合わせて改善提案していきたいものです。

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●「バランス釜⇒給湯風呂」の掲載ページ(サンプル)


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