人気設備ランキング上位常連の独立洗面台を解説
今や物件の付加価値から「必須設備」に
オーナー提案のトークに役立つ小ネタ集「空室対策100選コラム」
今回、注目する空室対策は「独立洗面台」です。
今やファミリー向け物件の必須設備になるとともに、単身向け物件でも重要度を増しているこの設備。全国賃貸住宅新聞の人気設備ランキングでは、ファミリー・単身向けの両方で毎年のように上位10位以内にランクインしています。
さらに近年は、単身向けの部屋でも「この設備がなければ入居が決まらない」設備としての認識が拡大中。部屋の広い・狭いにかかわらず設置の必要性が高まっています。
Z世代に人気、メイク人口の増加も影響
独立洗面台が人気を集める理由は、2点ユニットや3点ユニットと比べて空間にゆとりがある・鏡の前に立っても足が濡れてしまわないなど、「使いやすい・身支度がしやすい」という点が一番でしょう。「収納スペースが増える」のも魅力のひとつです。
加えて、最近は「Z世代」における独立洗面台のニーズの高まりが見てとれます。
アットホームが実施した「Z世代のライフスタイルに関する調査」によると、Z世代の入居者が重視する住まいの設備ランキングにおいて、「独立洗面台」は、モニタ付きインターホン(2位)やインターネット無料(3位)を抑えて第1位という結果でした。
驚いた方もいるかもしれませんが、支持される理由のひとつには、若者を中心に美容への関心が高まっていることが挙げられます。
最近は、女性だけでなく、スキンケアやヘアメイクをする若い男性が増えており、実際に男性化粧品の市場規模は年々拡大傾向にあります。インテージによる「SCI(全国消費者パネル調査)」によると、2022年の市場規模は376億円に上り、たった5年間で1.5倍にまで成長しているとのこと。
今やZ世代は入居者層のボリュームゾーン。この傾向が続いていけば、2点ユニットや3点ユニットの不人気と合わせて「独立洗面台がない部屋」はますます不利になるかもしれません。
また、若者だけでなく、中高年のアンチエイジングやエイジングケアのニーズも増加しており、市場規模も拡大中。幅広い世代で美容への関心が高まっていることが独立洗面台の人気につながっていると言えそうです。
機能性・デザイン性で差別化を図るのも手
とはいえ、独立洗面台を設置したいと思っても、新たに配管を引っ張ってくる必要がある場合には導入が難しいものです。オーナーが導入を検討している場合には、管理会社として事前チェックをサポートしましょう。
また、間取りや部屋の面積的に厳しい場合には「コンパクト洗面台」の提案を。一般的な洗面台だと幅60㎝以上が当たり前ですが、コンパクトタイプなら幅40cm前後と小さく、ちょっとしたスペースにも設置可能です。
そして、予算や設置場所に余裕がある場合には、設置する商品にこだわり、プラスαの提案をしてみるのも一手です。独立洗面台の機能やデザインはさまざま。入居者から注目を集める設備だけに、工夫次第で効果的な差別化アイテムとしての活用が期待できるかもしれません。
■丸形ミラー・LEDミラー・三面鏡
洗面台の鏡といえば縦長が主流ですが、丸形ミラーで「賃貸住宅の洗面台」らしからぬ雰囲気を演出するのもいいでしょう。さらに、LEDミラーで鏡×間接照明にすると、さらにオシャレな雰囲気が出てきます。
また、機能面を重視するなら三面鏡もオススメ。ミラーキャビネットで収納も増えるため、訴求力アップに効果的です。
■フロートタイプ
カウンター下の収納棚をなくし、床から浮かせることでデザイン性を高めた洗面台がフロートタイプです。収納棚がないため空間を広く見せる効果があり、入居者自身でカウンター下を自由に使えるメリットがあるのも魅力です。また、洗面台下にロボット掃除機も入れるため、掃除がしやすい点も喜ばれるポイントでしょう。
■オンカウンターシンク
オンカウンターシンクとは、洗面台のカウンターに洗面ボウルをそのまま置いたシンプルなデザインの洗面台を言います。ボウルの色・形状に特徴をつけることで、オシャレな洗面台スペースを演出することができます。
ちなみに、独立洗面台の設置コストは、商品にもよりますが、概ね20万円前後~が目安。既存の洗面台をリニューアルするだけなら概ね8万円~が一般的でしょう。ぜひオーナーと相談して、物件の雰囲気に合う商品を提案してみてください。
すぐ提案、チャンスを逃さない営業必携ツール
書籍『空室対策100選』発売中!
オーナーズエージェントでは、空室対策アイデアを100個つめ込んだハンドブック『空室対策100選』を好評発売中です。
営業社員に1冊持たせておくだけで、空室対策提案の採用率がぐんと高まります。オーナー提案ツールとして、この機会にぜひお役立てください。
●「独立洗面台」の掲載ページ(サンプル)