体験談

初心者が宅建試験に挑む!「本人の責任を問う表見代理」

投稿日:2020年8月18日 更新日:

初心者が宅建試験に挑戦!今回は無権代理の一種とされる「表見代理」をマーキング!

スタケン宅建講座で初心者が宅建合格をめざすブログにようこそ。

さて、今回のテーマは「表見代理」です。


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表見代理 とは?

表見代理とは、「無権代理人にあたかも代理権があるかのように見える場合、信頼して取引関係に入った相手方を保護するため代理の効果を認める制度」のことを言います。

無権代理行為が原則として無効だからとは言え、それで契約がおじゃんになってしまっては相手方が損をしますよね。

それで、相手方が無権代理人を代理人だと信じたことについて本人にも落ち度があり相手方が善意・無過失であるならば、無権代理人が行った契約の責任を本人が負うものとしたのです。

もちろん、相手方は表見代理を主張せずに、無権代理人の責任を追及することもできます(詳しくは前記事をご覧ください)。

表見代理

さて、相手方の保護を目的とした表見代理。これには次の3種類があります。

  • 本人が、無権代理人に代理権があるような外観を作り出していた場合
  • 代理人が権限外の行為をした場合
  • 代理人が代理権消滅後に代理行為をした場合

1.代理権があるような外観

外観とは、日常語と同じで「見た目」「様子」みたいな意味です。

それを踏まえて、表見代理となるシチュエーションの一つは、無権代理人があたかも代理人であるかのような表示を本人が相手方にしており、正当な代理人としての外観を作り出してしまっていた場合となります。

具体例が難しいですが、例えば、本人が相手方に対して「〇〇君(無権代理人となる者)に契約はすべて任せてある」といったことを伝えていた場合や、

受任者の氏名や委任事項などを空欄にした【白紙委任状】を無権代理人に渡していた場合などが考えられます。

誤解を招くような言葉を本人から聞かされたり、白紙委任状を見せられた相手方が、無権代理人を代理人だと過失なく信じてしまったとき、表見代理が成立するわけです。

というか、そういう状況だと普通は信じますよね。むしろ、通常の代理行為が行われたと言ってもいいかもしれません

後から本人が「無権代理だ!」と言っても、難癖みたいなもの。本人が招いた誤解ですから、本人にも責任が認められるわけです。

表見代理が成立するための要件を細かく書くと次の通り。

  • 本人が相手方に対して、無権代理人に代理権を与えた旨の表示をした
  • その無権代理人が、表示された代理権の範囲内で代理行為をした
  • 相手方が代理権のないことを過失なく知らなかった(善意・無過失)

上記の要件が満たされ、表見代理が成立したとき、無権代理行為の責任は本人が負うことになります。

2.権限外の行為

正式な代理人が、与えられた代理権の範囲を超えて代理行為を行った場合も表見代理となる場合があります。

例えば本人所有の物件について、本人から賃貸の代理権を与えられた代理人が、なぜかは知らないけれど相手方に売却してしまった場合。

このとき、代理人に代理権があると信じられる正当な理由が相手方にあるとき、表見代理は成立します。

わからない

「え、そんなことってあるんですか」

「正当な理由って何ですか」

そうツッコミを入れられそうな例えで申し訳ないですが、表見代理の例を挙げるって難しいですね。

特に「正当な理由」には複数の解釈があるみたいです。ただ、民法を深掘りすると泥沼にハマってしまいますから、ここは試験対策として覚えておきましょう!

権限外の代理行為が表見代理となる要件は次の通り。

  • 代理人に何らかの代理権がある
  • 代理人が与えられた代理権の範囲を越えた行為をした
  • 代理行為を信じる正当な理由(善意・無過失など)が相手方にある

3.代理権消滅後の代理行為

元代理人が行った代理行為も表見代理と見なされることがあります。

例えば、代理人だった時に渡していた委任状をそのままにしていたせいで、無権代理人の持つ委任状を見た相手方が信じてしまったような場合ですね。

このとき、相手方が無権代理行為であることを知らず、知らなかったことに過失もないと証明できたとき、本人が責任を負うことになります。

整理すると、表見代理が成立する要件は次の通り。

  • 本人が代理人に与えた代理権が消滅している
  • 代理権が消滅したことについて相手方が善意・無過失

消滅

ここまで表見代理の3種類について見てきました。最後に例題を解いて、さらに理解を深めていきましょう!

例題1.見た目は代理人

【〇×問題】AはBの代理人としてB所有の甲土地を売る代理権を有していなかった。しかし、Aは代理人であることを示すようなBからの委任状を持っており、代理人だと信じたCと甲土地の売買契約を結んだ。Cが、Aに代理権がないことを知らなかったことについて過失がないとき、CはAに契約の履行を求めることができる。

【解説】
正解は「

本人が、無権代理人に代理権があるかのような外観を作り出していた場合を問う問題です。

委任状という形で相手方Cに表示をしてしまい、Cも代理権がないことについて善意・無過失ですので、表見代理が成立。契約は有効となります。

外観は代理人

例題2.越権行為

【〇×問題】AはBの代理人として、B所有の甲土地をCに売り渡す売買契約をCと締結した。BがAに対し、甲土地に抵当権を設定する代理権を与えているが、Aの売買契約締結行為は権限外の行為となる場合、甲土地を売り渡す具体的な代理権がAにあるとCが信ずべき正当な理由があるときは、BC間の本件売買契約は有効となる。

【解説】
正解は「

代理人が、与えられた代理権の範囲を超えて代理行為を行った場合を問う問題です。

文中に、権限外の行為についてCに信じるべき正当な理由があると書かれていますので、表見代理が成立し、売買契約は有効となります。

正義

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ですから、仕事が忙しい人、通勤時間が長い人、そもそも勉強にあんまり時間をかけたくない人(笑)、そんな人たちにこそ使ってほしいですね。

条文で見る「 表見代理 」

第109条

第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

第110条

前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。

第112条

一 代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。

二 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後に、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。

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<監修>スタケン宅建講座ナビゲーター / 宅地建物取引士 / マーケティング事業部 / デザイナー / マーケター / スタケン宅建講座を7年間運営。当講座を使った自身の合格体験を元に、プロの講師陣と共同で講座開発に携わる。現在は動画を中心に元受験生として、宅建に最短合格するための「ノウハウ」を伝える活動に従事。デザイナーとしてスマホアプリのUI・UX開発実績も多数。

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