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宅建の難易度は資格試験の中で何番目?気になる合格率や合格ラインは?

投稿日:2021年12月22日 更新日:




数多くある資格試験の中で、 難易度 が高いとされつつも人気の高い宅建資格。宅建は「宅地建物取引士」という正式名称で、宅地建物取引業法で定められた国家資格です。国家資格というだけあり、毎年の合格率は決して高いものではありません。それでも受験者が多いのは、宅建取得後のメリットが多いからでしょうか。資格が役立つ業界に就職する方が多いからでしょうか…?

これから宅建取得にむけて勉強していく方は、合格が実現できるかどうかが気になりますよね。
では宅建資格がメインに活かせる不動産業界では、その他の不動産資格と比較して宅建取得の難易度はどのくらいなのか?また業界関係なく全体の資格試験と比較して、宅建取得の難易度はどのくらいなのか?

宅建資格の合格率・合格ラインからわかる難易度について、詳しく解説していきます。

 

 

不動産資格の中での宅建難易度

「不動産業界」と一括りにしてしまうと狭い業界に感じますが、仕事内容はたくさんあり、その内容ごとに必要な資格も変わってくるため、資格は宅建以外にもたくさんあります。
聞いたことがないものもあるかもしれませんが、以下のような資格が存在します。

・宅地建物取引士
・不動産コンサルティングマスター
・FP(ファイナンシャルプランナー)
・司法書士
・競売物件取扱主任者
・マンション管理士
・建築士
・インテリアコーディネーター
・不動産鑑定士
・土地家屋調査士
・住宅ローンアドバイザー
etc…

国家資格から各種団体の公認資格まで、多種多様な資格があります。最近では、複数の資格を取得している方を多く目にします。不動産業は法律や税金、建築など専門的な知識が必要になることもありますので、このような資格を複数取得しているのはご自身の武器になるでしょう。

ただ、資格によってはかなり専門性の高いものもありますので、不動産業の中でもその資格を専門的に使う仕事であれば役立ちますが、業務内容が異なり、ほとんど使うことのない資格もあります。賃貸や売買で最低限必要な資格というのは正直ありませんが、宅建取得をすることがベースになっているのは事実です。

例えば、不動産屋で働いているのに宅建取得をしていない人に対して、他人はこう思います。

 

・不動産屋で働いています。

…「でも宅建持ってないんだ、なんか怪しそう」

・この物件がおすすめです。

…「宅建持ってない人の意見は信用できないな、他の担当にしてくれないかな」

 

全員がこのように思うわけではありませんが、宅建取得が『信用度』に繋がっているのは間違いありません。
そのためにも、不動産業界で働く方には宅建取得をすることがおすすめです。また、不動産鑑定士やFP(ファイナンシャルプランナー)の資格試験は、宅建資格と科目が重なっていることもあるため、1つ取得すると他の資格も勉強がしやすくなります。

他の資格と宅建資格の難易度は、比較してみるとどうでしょうか。

宅建士よりも難易度が低く、合格率が高く取得しやすい資格も多く存在します。それでも宅建士が人気なのは、実際に仕事で役立ち、将来的にも使える資格であると判断しているからでしょう。

宅建取得は、言うまでもなく不動産屋としてのベースになっているようです。

 

全体資格の中での宅建難易度

不動産業に関わらず、人気のある資格はどのようなものがあるのでしょうか。宅建資格と同様、国家資格などの難易度と比較していきます。
2021年人気資格上位5位にランクインした資格は…

・簿記検定(1位)
・公認会計士(2位)
宅地建物取引士(3位)
・税理士(4位)
・中小企業診断士(5位)
※某資格学校の資料請求数を集計し、ランキングしたものです。(2020年1月1日~2020年10月31日)

他の国家資格・士業と比較すると、宅建は比較的取得しやすい国家資格であると言えます。勉強時間も圧倒的に短く済みます。それが人気の理由なんでしょうね。

人気な資格ほど合格しやすい?

人気上位にランクインしている資格は、“合格しやすい資格だから”というわけではありません
人気上位であるには、たしかに合格を目指しやすいからこそ、その資格取得に挑戦する方も多くいらっしゃるかと思います。
ですが先述の上位5つの資格合格率を調べてみると、以下のような結果になりました。合格率は平均的な数値で表記しています。

1位 簿記検定(3.2.1級):11~45%
2位 公認会計士:10%
3位 宅地建物取引士:15%
4位 税理士:18%
5位 中小企業診断士:5%

簿記検定は、受験する階級によって難易度が大きく変わるため合格率の数値にも幅がありますが、ほとんどの資格が低い数値になっています。他の資格では合格率50%を超えるものなど多数存在する中、人気資格であるにも関わらず合格率が低いものばかりなのです。
合格率が低いにも関わらず上記の資格が人気なのは、取得すると「仕事にできる」「さまざまな場面で役に立つ」など実用的な資格であり後に得られるものが大きいから、ということが大きな理由だと考えられます。

人気のある資格だからといって、簡単に取れる資格ではないということがわかりました。
そのため「なにか資格を取りたい」とざっくり考えている方は、資格を取得した後どのように活かせるかをよく考えて選ぶようにしましょう。

宅建試験の合格基準は?

合格ライン

合格ライン(基準点)は毎年異なります。「〇点取れば合格」というものが設定されていません。
他の資格では、合否を分けるラインが試験を受ける前から明確になっているものもあります。
宅建の場合はそうではないので、例年の合格ラインを比較して「このくらいの点数を取っていれば間違いないだろう」と予測を立てて学習していくことになります。

そのため予測よりも合格ラインが上回っていた、ということも起こり得ます。
合格ラインを確証づけるものは何もなく、試験が終わった後でないと誰もわからないのです。

合格率

宅建試験は、合格率15%前後を基準としています。100人受験すると15人受かることができます。
この合格率を厳しいと捉えるか易しいと捉えるかは個人差がありますが、難易度で表すと「やや難しい」レベルではないでしょうか。
数ある資格の中で10%台の合格率というのは、もちろん簡単に合格できるものではありません。ただし同じ国家資格で比較してみると、社労士や司法書士など10%にも満たない合格率の資格も存在しています。

そのため資格取得が難関であるとは言い難く、社会人で仕事をしながらでも学習時間を捻出して合格が狙える資格であると言えます。

合格基準は〇〇で決められる!?

宅建試験の合格基準は、「相対評価方式」で決められています。
資格試験では、「100点中75点以上取れれば合格」とあらかじめ合格ラインが決められている場合のものもあります。宅建試験の場合はそれとは異なり、合格ラインが毎年変動しています。

つまり、合格率を大枠で決めて受験者全体の点数を比較することによって、成績(合格ライン)を決定しているのです。

過去10年分の推移を見てわかるように、宅建試験は合格点の変動は大きいですが合格率はほぼ一定しています。そのため「〇点取れば合格できる!」という目標はあまり安心材料にはなりません。
目標にするのは「上位15%に入るようにすること」です。過去問や模試を解いた際には、合格点だけでなく合格率をより意識するようにしてみましょう。

合格率・合格ラインの推移

以下の表は、過去10年分の合格率・合格ラインの推移をまとめたものです。

実施年度 受験者数 合格者数 合格率 合格ライン(点)
令和3年度(10月) 209,749人 37,579人 17.9% 34点
令和2年度(12月) 35,261人 4,610人 13.1% 36点
令和2年度(10月) 168,989人 29,728人 17.6% 38点
令和元年度 220,797人 37,481人 17.0% 35点
平成30年度 213,993人 33,360人 15.6% 37点
平成29年度 209,354人 32,644人 15.6% 35点
平成28年度 198,463人 30,589人 15.4% 35点
平成27年度 194,926人 30,028人 15.4% 31点
平成26年度 192,029人 33,670人 17.5% 32点
平成25年度 186,304人 28,470人 15.3% 33点
平成24年度 191,169人 32,000人 16.7% 33点
平成23年度 188,572人 30,391人 16.1% 36点

引用:一般財団法人 不動産適正取引推進機構

毎年約20万人もの受験者がいる中で、合格しているのはわずか3万人程度。人気の資格とはいえ、やはり難易度が高い国家資格だということがわかります。
合格ライン(点)の変動は大きいですが、合格率は毎年15%前後と大きな変動はありません。

令和3年度の試験で特に感じたのは、受験者の方々のレベルが全体的に上がっているということです。問題が難しくなっているにも関わらず、合格率が高くなっていました。
そのため、今までは「37点取れれば安心だよ」と言われていた点数が不安なラインになり、さらに上のラインを目標にしなければ合格が難しくなるのではないかと予想されます。

 

宅建取得するとこんなメリットが!

他の国家資格と比べて難易度が低いからといって、それだけで人気があるわけではありません。
宅建取得をすることで、メリットがあるからみなさんがんばって勉強しているのです。

<宅建取得のメリット>
◎仕事で役立つ
◎実生活で役立つ
◎宅建士にしかできない仕事がある

仕事で役立つ

宅建士は、不動産業界はもちろん、その他金融・建設業界でも役立つ資格です。そのため不動産業から違う業種に転職する際にも、資格保有者は優先的に採用されやすくなります。

また、宅建士の独占業務が存在するため、不動産会社は宅建士がいなければ成り立ちません。そのため、ほとんどの会社が宅建士に「宅建手当」という資格手当を支給しています。宅建取得をしていない社員よりも、収入が多くなるということもメリットの1つですよね。

さらに、宅建業で独立を考えている方は、ご自身が宅建取得をしていれば1人でも起業が可能になります。人件費をかけずにより自由な働き方ができ、うまくいけば収入もアップする可能性があるため、不動産業で働いている方は将来独立を考えて宅建取得している方も多いようです。

実生活で役立つ

みなさんが生涯、不動産の購入や売却の取引を行うことがあった場合に、宅建取得をしているとその知識が役立ちます。
物件の相場や不動産の価値、住宅ローンの組み方、また建築の進め方などご自身の判断で、売買が適正であるかどうか見極めることができます。賃貸の場合でも、物件探しの際にうまく交渉ができたり、退去時によくあるトラブルも避けることができたりします。不動産は高額なものなので、その知識を役立てて良い買い物ができるようになるでしょう

宅建士にしかできない仕事がある

不動産取引の中で、宅建士にしかできない独占業務があります。それは以下の3つの業務です。

・重要事項の説明
・重要事項説明書への記名押印
・契約内容記載書面への記名押印

不動産は高額な物件のやり取りが多いため、宅建士が重要事項説明を行い、取引が適正に行われていることを伝えなければなりません。また、宅建業を行う業者は、その事務所で5人に1人以上の専任の宅建士を置くことが義務付けられています。

たとえば、従業員が7人の場合は2人以上の宅建士、15人の場合は3人以上の宅建士が必要となります。事業者は従業員数を増やすだけでなく、宅建士との割合も考慮しなければならないので、不動産業の募集要件で「宅建士優遇!」など記載されているのは、そういった意味もあるようです。

宅建業を行う者にとって、宅建士は必要不可欠の存在なのです。

 

 

まとめ

「宅建士」という資格は、業界関わらず人気の資格であることが分かりました。そして難易度もそれなりに高いです。ただ難易度が高い分、宅建取得をすることで得られるメリットはたくさんあります。

不動産業界では、持っていて当然の資格のようにされていますが、業界歴は長いのに未だに取得されていない方も多くいらっしゃいます。試験会場に行ってみると分かりますが、かなり高齢の方でも私たちと同じように試験を受けているのです。

たとえ「いまは必要ない資格だから」と思っていたとしても、後できつい思いをして取るよりいま苦労して資格を取っておいた方が良いです。後で楽ができるよう、いまのうちに宅建取得を目指して勉強をがんばっていきましょう!




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Saaya

不動産業界歴7年、2014年宅建士取得。 たまにライターのお仕事をさせて頂いています。 休日は映画鑑賞、犬とドライブすることが趣味です(^^)

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