全国賃貸住宅新聞

公開日:2009年9月28日

第9回 「リニューアル提案」について 2【事例】

第9回 「リニューアル提案」について 2【事例】
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キッチン・バスを開放し相場の2割アップ

類似物件なければ高めの家賃設定も可能

「リニューアル提案」には、主に7種類のカテゴリーがあると思っています。

1、 内装変更
2、 間取り変更
3、 水周りの交換
4、 外装(外壁)塗装等
5、 外構工事、特にエントランス回りのバージョンアップ
6、 セキュリティの強化(防犯カメラ・センサーライト・オートロック・モニター付インターフォン等の設置、玉砂利を敷くなど)
7、 デザイン

特に、7のデザインを重視すべきと思います。

(1)外観をイメチェン

では、実際に、私がプロデュースをした企画案件を説明いたしましょう。

これは、仙台で行ったものですが、築23年のビルです。外観を縦ルーバーでデザインしました。ルーバーは最近の「はやり」ですが、外観の印象を一気に変える力を持っています。

(2)スタジオタイプ

部屋は2タイプで、まず事務所だった60平米のものを思い切ってそのまま大きなスタジオタイプにしました。

約30畳ほどの所謂「ワンルーム」です。
これはちょっと、トンガっている企画ですが(笑)、オープンバスにオープンキッチンとしました。
入浴をしながら映画をみたり、本を読んだり、ワインを飲んだりというライフスタイルの提案です。まあ、正直に言って賛否両論ではありましたが、結果としては、同じ面積のものより2割くらいは高く決まったので、良かったと思っています。

私は、企画をする際には、なるべく他とは違うものにしたいといつも考えます。「これは嫌だ」という人もいるかもしれないけれど、「すごく好きだ」と言ってもらえる人がいればいいではないか、と考えます。
どこにでもある最大公約数的なものではなく、「ここが他と違う」と言えるもの、いかに差別化するか、が大事だと思っています。なぜなら、他にないものなら、他の物件と比較ができないからです。

この場合も、同じような2LDKを作ったら相場賃料は大体10万円、と簡単に誰でもはじき出せてしまうのです。しかし、このようなスタジオタイプなら比較しようにも、比較する物件がありません。だから12万円以上で決まったのです。

(3)白いワンルーム

これも、同じビル内なのですが、和室の1DKタイプという、今時決まらない間取りのものです。

これを思い切ってワンルームにして「白い部屋」にしてみました。
これも賛否両論(笑)でした。

床・壁・天井を真っ白にしました。床も白くしましたので、汚れが目立つとか、寒そうとか、いろんな意見がありましたが、結果は現在ファンド攻勢で大変な状況で、空室の大変目立つ仙台で順調に満室になりました。これは床を普通にフローリングにしていたら「普通のワンルーム」になってしまっていて、まだ満室になっていなかったのではないかと言われています。
大正解であったと思っています。最近では、この手法はけっこう使っています。

(4)外壁塗装

次は、三重県でやったものですが、築24年の外観が陳腐化しているファミリータイプの賃貸マンションの改装です。

これは、内装をきれいにしても、まったく空室が決まらないという最悪の事態を迎えていました。

近辺の物件2500戸の市場調査をした結果、RC造のファミリータイプはこの物件をいれてたった3棟しかない、ということがわかりました。
実は希少な物件なのです。
ということは、外観さえきれいにすれば、また入居者が戻ってくるであろうことが推測できます。

予算の範囲内で最大限の効果を得るために、「塗装のデザイン」が一番のカギになると感じました。
白地に赤いラインを3本入れて、側面はそのラインを集約してスピード感のようなものを演出しました。
たったこれだけのことと思われるかもしれませんが、このデザインに行き着くまで結構、試行錯誤しているのです。

デザインは重要ですね。現物を見ていただくのが一番いいですが、迫力もあり、またシャープなイメージもある、ちょっと他にはない建物になりました。かなり目立っていますよ。
結果、44戸中、最大15戸空いていたものが、春の完成とともに2ヶ月で「満室」になりました。

(筆:藤澤雅義/全国賃貸住宅新聞2009.9.28掲載)


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