全国賃貸住宅新聞

公開日:2011年10月24日

第34回 賃貸業界の将来像

第34回 賃貸業界の将来像
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自社管理物件のみを仲介する米国式への転換の時期

仲介事業は社員の能力次第

今回は賃貸ビジネス業界の将来について、考えてみたいと思います。日本における賃貸業者は、仲介手数料売上が主の会社と、賃貸管理業での売上が主の会社の2つに大きく分けられると思います。
その実情は、次の図のように、4つのパターンに分けられます。仲介と管理とちょうど50%ずつという会社もあるでしょうが、大体はどちらかに偏っていることが多いでしょう。

仲介という仕事は、比較的すぐに始められ、売上になるまでの期間も短く現金商売なので、良い営業担当さえ集めることができれば、売上も上がり資金もまわりやすい商売といえます。
しかし、部屋探しのお客が来なくなったりすればとたんに売上は落ち季節によって売上の波も大きく1年を通し安定はしていません。
また、営業職というジャンルでいえば、それほどノウハウのいる仕事でもないので、営業担当は比較的すぐに転職するし、ちょっと営業センスのいい人が辞めたりすると、すぐに売上に影響してしまいます。

それに比べて管理という仕事は、家賃の数%の月次管理料が主の売上であるので、最初は売上もたいしたことはないし、より細かい商売にみえます。それに、クレーム対応やメンテナンスなどの業務は地味にみえるかもしれません。
しかし、管理物件がだんだんと増えてくると、毎月必ず入ってくる管理料というものがありがたくなってきます。ストック経営の見本のような商売なので、売上が落ちることはありません。
そして、実は管理の方がもうかります。仲介業が主でやっている会社も、できたら管理物件を増やしていきたいと思っているものなのですが、この2つの業態は結構「文化が違う」というか、「体質が違う」ものなので、うまくバランスをとりながらやるというのが意外に難しいのです。

ちなみに、東京に店舗をエリアごとに何店舗も配置して幅広くやっている会社があります。外からみると仲介が強調されているので、その売上が多いように見えてしまいますが、実は管理売上が主で、仲介店舗は自社の管理物件を決めるために存在しています。
つまり、内情はまごうことなき管理会社なのです。その証拠に、その会社はなんと他社物件仲介を禁止しています。

ネットの進化で仲手ゼロへ

今後、仲介から管理への流れは加速すると思われます。
インターネットの進化と情報の充実により、仲介営業担当の存在意義というものが年々薄れてきています。オーナーだってインターネットを使って自分自身で募集する時代です。

下図に示したように、「ITの進化」、「空室の増加」、「管理ビジネスの興隆」、「住まいの差別化」などの時代の変化により、仲介業から管理業への転換が進み、また、管理会社が自社管理物件のみを自分自身で決めるという体制、つまりアメリカ型のPM会社のビジネスモデルに近づいていくのではないでしょうか。

ちなみにアメリカでは、オーナーは管理会社に必ず管理料を払い、管理会社が入居者に直接リーシングを行っています。リーシング(仲介)専門業者というものはほとんど存在しないし、当然、仲介手数料というものは存在しません。

企画提案力が問われる時代に

業界では仲介業から管理業への転換が図られ、そしてさらに、「プロパティマネジメント」という業態に進化を遂げることになるでしょう。
そしてまた、オーナーの収益により責任を持つようになると、物件の収益改善のための企画提案力が重要になってきます。
長期の空室に入居者を再び呼び込む、という技術は、新築・リニューアルを問わず収益物件の企画プロデュースに応用されます。

下図に図解したように、プロパティ・マネジメント会社が企画提案力を生かして、時代の変化に合わせた新たな入居者ニーズを捉えて、高付加価値型の賃貸住宅を企画プロデュースし、それを実際に運営することが求められています。

現在の日本では、「住まいの差別化」という大きな流れがあります。
「住む」こと以外の「住む楽しさ」、「住む必然」といったものに価値を見いだす動きです。
シェアハウス、サービスアパートメント、高齢者住宅、コンセプトマンションなどの企画と実際のオペレーションは、より高度な賃貸管理業務といえるでしょう。

そして、これらの流れは、世間一般のイメージの不動産業とは明らかに異なる展開です。われわれは、不動産業者として「宅地建物取引業法」をベースに展開してきました。
しかしこれからは、「賃貸住宅管理業者の登録制度」(2011年12月施行)、そしてその延長線上にあり、将来的にはおそらくできるであろうと予測される「賃貸住宅管理業法」に軸足を移してビジネスを展開する、そうした時代が近づいているのではないでしょうか。

(筆:藤澤雅義/全国賃貸住宅新聞2011.10.24掲載)


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