全国賃貸住宅新聞

公開日:2012年6月25日

第42回 完全保存版!賃貸基礎知識一覧

第42回 完全保存版!賃貸基礎知識一覧
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業界人必須の記号・用語を総復習せよ

長さと面積の単位は基礎中の基礎

今回は、ガラッと趣を変えて、われわれが賃貸ビジネスの業務を行う上で、知っておかなければいけない基礎知識を検証したいと思います。「基礎」というわけでもなく結構皆さんが普段意識しないような用語も入っていると思います。もちろん、不動産オーナーの方も知っておいたほうがよい知識ですよ。
 まず、「長さと広さに関する項目」ですが、このあたりは業界人としては、本当に「基礎」でしょう。特に「1畳=1.62㎡」は絶対に知らなければなりません。1や2から計算すると1畳は1.82m×0.91m≒1.66㎡になってしまいますが、これは不動産公正取引協議会の広告表示の規定で、「1畳の面積は1.62㎡以下の数値で割り出してはいけない」ことになっているのです。「京間」から「団地間」まで日本にはいろいろな「1畳サイズ」があるので、基準を設けているのです。また、○○㎡を○○坪に変換するときに「3.3㎡で割ればいい」と覚えている人は「モグリ」ですね(笑)。必ず「×0.3025」で計算しましょう。「1坪=0.30578㎡」も丸暗記しましょう。

無知だと恥かく記号の定義

「記号」に関しては、昨年と同じく不動産公正取引協議会が「DK」と「LDK」の定義をはっきりさせました。個人的には1ベッドルームだろうが2ベッドルームだろうが、本来の機能を考えれば「DK=6畳以上」「LDK=10畳以上」だと思うのですが…。あとは知らないと恥をかくといったレベルだと思います。
 「空室率」はわれわれが一番口にする言葉かもしれませんが、定義をはっきりさせておくと頭がクリアになります。①時点ベース、②稼働ベース、③想定賃料ベースの「3種類」あります。①は、たとえば6月25日のその日の瞬間の空室率のことです。季節とタイミングによって誤差があるのは想像できると思います。②は年間を通して、空室だった日数割合で計算しますので、①より実質的な空室率と言えます。③は想定する満室収入の場合の100%にたいして、いくらの賃料収入ロスがあったかという割合を指します。②と③では同じにならない場合がありますね。つまり当初の想定賃料より安く決めた場合には、②では、空室率5%でも③では8%というふうになる場合があります。年間事業計画の予算に対しての実績をより明確にすることができます。

空室対策提案に数字で説得力出す

「用語の定義(計数管理編)」は、結構難しく感じるかもしれません。じっくり検証してみてください。2の「解約率」だって定義が2つあります。本体的にはbが正しいのでしょうが、aのほうが使い勝手はいいです。3の「平均空室日数」は、解約ごとに出る平均の空室日数のことです。「空室率」と「解約率」のデータがあれば、退去ごとの空室日数を想定できます。つまりオーナーに空室対策提案の基礎となる数値を提示することができるのです。もちろん実数を拾ってもいいですが、最近の傾向はすぐには提示できませんね。4の「平均居住期間」も大事な計数です。それが50カ月なら月額1000円上げれば(下げれば)5万円の差が発生することがわかります。7の「内見率」は、分母を募集物件戸数にしています。月ごとにみることによって、営業分析に役立ちます。新築の物件戸数が増えた月には誤差が生じますが(新築は内見がしづらいので)。10の「審査落ち率」も重要です。あまり「辛い」審査ばかりやっていると稼働率にひびきます。12~15は、とても重要な計数です。その管理会社の現状を分析し、今後の展開を考える上で欠かせない指標です。出していない会社が圧倒的に多いので、すぐ今月から計算するとよいでしょう。

オーナーとの管理契約定義は明確に

「オーナーとの委託契約別の主な業務内容」は、賃貸管理業界が定義にあいまいなので、整理してみました。「管理物件が○○○○戸」といいますが、1から4まで全部入れている会社もありませんか? 「管理物件」とは1の「月次管理料」を頂いている物件(いわゆるサブリース物件を含む)にほかならないと思うのですが。2の「準管理物件」とは、月次管理料は頂いていないが、他の業務でフィーを頂いているという形態です。特に首都圏や京都あたりでは更新時にフィーが発生します。3や4は、基本的にただ募集をさせてもらっているだけなのですが、「現場管理」の面でオーナーに「無償」でやらされていませんか? 3や4の形態が多い会社は今後は大変厳しいでしょうね。1への転換を図りましょう。

(筆:藤澤雅義/全国賃貸住宅新聞2012.06.25掲載)


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