全国賃貸住宅新聞

公開日:2021年2月8日

第145回 「自由」が強い組織を作る

第145回 「自由」が強い組織を作る
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社員を信頼し、自由に働ける社風をつくる

プライベートの充実が活力の源になる

■働く場所と時間を自由に決める

新型コロナは「風邪の一種」であり、今の世相は「騒ぎすぎ」であり、本当にデタラメなことを1年もかけてやっているなと思う。

 

日本においてはコロナの死者は例年のインフルエンザの死者よりも少なく、特別な数字ではない。そもそも「風邪」がもとで亡くなる方は従来たくさんいるのだ。

 

視聴率を上げたいマスコミや、騒ぎが大きくなるほうが儲かる人たちの「煽り」に皆がのってしまっているのだ。

 

まったく、いい加減にしてほしいと思っている。しかしコロナ騒動のおかげで、昨年来、会社の今後のあり方について深く考えることができた。ものごとは悪いことがあれば、その裏に良いこともある。

 

在宅勤務やサードプレイス(コーオフィスなど)での勤務、またワーケーション(リゾート地で遊びながら働く)など、多様な働き方が許される時代が来たのだ。

 

今後は、「働く場所と時間を自由に決めていい」時代が来たのだ。キーワードは『自由』である。

 

私はちょうど25年前に会社を設立しスタートさせた。最初は私をいれて4人だ。資金繰りのプレッシャーはあったが、サラリーマン時代と違って楽しかった。

 

それは、何をするのも自分の判断でしてよい自由を与えられたからだ。誰も自分を管理していない、制約がないというのはとても快感だった。

 

それと同じことをスタッフにも感じてもらえれば良いと思う。すべての人が自由を与えられて嬉しいわけではないとは思うが、多くの人は「権限移譲」をされて、自分の「判断」を受け入れてもらって、「自分で決定」することに喜びを覚え、「やる気」が出るのではないか、モチベーションが上がるのではないか。

 

たとえば、会社に言われて強制的に日曜出社をするのと、自分の意思で日曜出社するのでは気分がぜんぜん違うと思う。「自由に自分で決められる喜び」というものが必ずあるはずだ。仕事は結果で判断される。

 

9時から18時まで会社の机に向かっているから給与が払われるわけではない。結果を出すなら、自由にしていいではないか。

 

自由を与えるとサボったり勝手なことをする人が現れる、また成績が下がるという人がいるかもしれない。そうだろうか、スタッフは子供ではない、れっきとした大人なのだ。もっとスタッフを信用しようではないか。

 

自由を与えるといっても、所属する部署内の会議や定例の行事等には当然参加をしなくてはいけない。それに参加しないのはそれは駄目なスタッフである。

 

また、今日はトラブルが発生して皆でその対処に当たらなくてはならないということが起こったとしよう。そのときに皆を無視して自宅に帰ってしまうような人がいたら、それは制度の問題ではなく、個人かマネジメントの問題ではないか。

 

そして、リーダーシップとはなんだろうか。全部トップが決めていては、スタッフに考える力が育たない。少々失敗してもいいから権限移譲をして、それこそ失敗をさせればそれが本人のための勉強になると思う。皆が経営者の立場で仕事ができれば最高だ。

弊社は今年から、「フレックスタイム制」を導入することにした。

 

これは、社員が始業・就業時刻を自由に決めてよく、早朝に働くのが一番その人にとって生産性が上がるなら、午前5時出社で午後2時退社でもいいし、朝は弱いし夜型なんだというのなら、午後1時出社で午後10時に退社でもいい。

 

また、月に働く時間の総計がたとえば164時間(8時間✕20.5日)が正規の労働時間なら、今日は3時間働いて、明日はその分13時間働くということも可能だ。

 

月の合計時間が164時間になればいいのだ。コアタイム(必ず来なくてはいけない時間)を設けることもしない。これがあまり大きくできない部署も確かにあるが、全社に導入する。

 

毎朝、全員が9時に顔をあわせて朝礼をしなくてはやっていけない、ということはないはずだ。往々にして「朝礼」は形骸化しているものだ。勤務時間を自由に決められると、プライベイトが充実することになる。そのほうが、仕事にも良い影響がないわけがない。

 

 

■ワークライフバランスの解釈

「ワークライフバランス」、というが、どういうふうに解釈すればいいのだろうか。仕事のために自分の生活を犠牲にしては本末転倒ではないか。何のために働くのか。

 

自分にとって大事なことを、たとえ勤務時間だからといって犠牲にすべきなのだろうか。

 

たとえば、仕事だからと子供の授業参観や運動会を欠席すべきではないと私は思う。家族のほうが、その日たった1日の仕事より大事だろう。1日くらいの仕事を調整できないわけがないだろう。

 

子供が欲しいと願っている女性社員がいて、それが自分にとっていま一番重要なことだとして、それを会社の社員としていることで、思うようにいかないということがあってはならない。

 

それを実行できるよう配慮するべきだろう。そして、男性社員が育児休暇を取ることを妨げるべきではない。夜泣きをする幼児期に配偶者ばかりに負担をさせたくない、一緒に子育てをしてあげたい、という気持ちを尊重すべきだ。

 

また、自分にとって楽しいことを、もっと大事にしてもいいとおもう。

 

私は相撲が好きだし、時津風部屋を応援もしているから、大関正代の勝敗は気になって仕方がない。よって、仕事中だが、場所中は午後5時半くらいになると同じく気になっているスタッフをともに、会社の休憩室に入っていってテレビで相撲観戦をするのだ。それほど、悪いことだろうか。

 

サッカーの試合、野球の試合、見たければみればいいではないか。本人の判断に任せて。ある人は、毎週火曜の午後に休みをとって家族とのイベントがあってもいいではないか、子供の保育園への迎えがあるから、朝7時から出社して、午後4時に帰ってもいいではないか。そういう環境を会社が与えることで、スタッフには責任感が芽生えてゆくのではないかと思う。なぜなら「自分で決めたから」である。

 

「管理」をなるべくしないことが良い結果を生むことになるのではないか。そして、会社が楽しいものになってゆくような気がする。もっと仕事を「楽しいもの」に変えられないか。楽しければ、能動的に仕事にどんどん取り組んで良い結果を出すと思う。

 

「自分で考え自分で決めて、自分の責任において進める」ことができたら楽しくなるのではないか。

 

今回の原稿を書くのに、多くの本を読んだ。参考文献としてあげておきたい。「奇跡の経営」(リカルド・セムラー著)、「ティール組織」(フレデリック・ラルー著)、「モチベーション3.0」(ダニエル・ピンク著)、「全員経営」(野中郁次郎・勝見明著)、「管理なしで組織を育てる」(武井浩三著)、「教えないから人が育つ」(天外伺朗著)等々。これらの本はみな同じことを言っていた。

 

それは「自由を与えられると人は頑張る」ということである。

 


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