基本知識の確認を徹底
テストで社員の学習量を測る
前回、弊社は就業時間の5%を学習にあてていると書いた。
「仕事ができる人」になるためには、「コミュニケーション能力」や「場の空気を読む力」も大事だが、「知識」はもちろん大事で、そもそも「知らなかったら話にならない」のである。
そのための社内研修をおこなっているのだが、「基本的な知識チェックテスト」もおこなっている。図表をみてもらいたいが、切り取ってコピーして読者の方もぜひトライしてほしい。
全15問で、「時事」「リーシング実務」「ものの値段」「計数管理」「投資分析」の5分野から出している。弊社でおこなっているテストの抜粋版だが、少々難しい問題も混じってはいるが、実務をやっていれば解ける問題だと思う。
これくらいのレベルのものを知らなければ「仕事にならない」のではないか?15問で100点満点としたら、正解1問6.7点で計算してほしい。
クライアントと会って話をしているときに、「インボイス制度(Q1)が始まるね」と言われて、ポカンとしていたら、この人は世相に弱い人だな、大丈夫かな、と思われるだろう。
管理ビジネスの新しい法律(Q2)のことも受託営業では必須だろう。
公取(不動産公正取引協議会)が定めた徒歩1分が何m(Q3)かもしらないで賃貸の商売はできない。
Q4はこの情報を知らない人には難しいが、昨今のユーザーの情報リテラシーの高さは覚えておくべきだろう。
Q5は、答えられないとまずいだろう。不動産オーナーに空室対策を述べるときに必ず話すテーマだ。
Q6〜8はものの値段だが、オーナーに負担してもらう工事の金額は知っているべきだ。
Q9、Q10は基礎知識。㎡を坪になおすときに、3.3で割ってはいけない。
Q11では、自分の会社の現在の稼働率を言えないようでは、これまたまずい。
Q12は、ちょっと難しいが、私の著書「賃貸経営マイスター」に詳しく書いてあるので、できれば見てほしい。私は平均空室日数と稼働率(空室率)との関係性は必須の知識だと思う。
Q13~15は投資分析の知識だ。Q13は賃貸経営で一番大事な指標だし、Q14は投資利回りの基礎。
Q15は不動産投資で一番大事な公式だ。
これらは、通常の試験のように、点数で優劣を決めるものではない。
「これくらいは知ってないとまずいよ、まさか知らないということはないよね?」をチェックするテストなのだ。
ペーパーテストというと、学生時代の苦い思い出が蘇る人も多いかもしれないが、仕事に必要な基本的な知識を皆に平等に確認するのには、「テスト」しかないと思うのだ。
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