外部委託決断で合理化した組織づくり
あのアップル社は、企画・開発、そして販売はやっていますが、部品の調達及び製造はすべてアウトソーシングしています。製造ラインの工場を持っていないのです。アウトソーシング先の台湾の鴻海(ホンハイ)社は有名ですよね。アップル社は「メーカー」であるのに、一切「作っていない」のです。製造を思い切って自社で行わないことによって、より肝心な企画・開発と販売・マーケティングに専念できるのです。また、その部分こそが利益の源泉であることを知っているともいえます。そして製造業だけがアウトソーシングできるわけではありません。我々のようなサービス業でも同じことが考えられます。
我々賃貸管理会社は、「管理受託」、「リーシング」、「現場管理」、「出納(賃料集送金)」とかなり広範囲の業務を行っています。これをすべて内製化するのはどだい無理があるのではないでしょうか?また不動産会社の経営者はなぜか入った収入を外に出すのが嫌いらしく、フィーを払ってアウトソーシングすることに抵抗を感じるようです。他者に頼んでも問題ない定型的な業務は思い切ってアウトソーシングしてみてはどうでしょうか。①の「アウトソーシング導入の判断」にあるように、アウトソーシングには様々なメリットがあります。要は、支払ったフィー以上の稼ぎがあればいいのです。アウトソーシグした結果、空いた時間を使ってもっと生産性の高い仕事をすれば良いのです。アウトソーシングを進めると、ときにはそれに抵抗する社員が現れます。自分の仕事が無くなってしまって、自分が必要ないと思われるのではないかという不安がそうさせるようです。この誤解を経営者は解かなくてはなりません。「社員」という存在は、コストが高いのですから、他者でできることをやっていてはいけないのです。もっと稼いでもらわなくてはいけません。もっと新しいプロジェクトに挑戦したり、コア・コンピタンスに集中してもらわなくてはなりません。
コア・コンピタンスとは、その会社にとって重要かつ差別化すべき業務のことをいいます。②にありますように、コア業務とノンコア業務に仕事の内容を分類し、また、その中でも「戦略的業務」と「定型的業務」に分けてみましょう。コア業務のうちの戦略的業務だけは自社で行うべきです。しかし、他はアウトソーシングしても問題ありません。契約書を作成したり、募集案内図面を作ったり、システムへの入力や、物件の写真を撮ったり、室内リフォームはもちろん、入居者立ち会いや鍵交換も、社員がする必要があるでしょうか。また、「社員」ではなくコストの安い「アルバイトさん」にやってもらうのも「社内アウトソーシング」といえるでしょう。よく考えると我々賃貸管理会社の業務のほとんどはアウトソーシグしても良い業務といえるかもしれませんね。こういうと、最近の管理会社は、集金も、滞納(保証)も、入居者電話対応も、はたして空室のリスクまでアウトソーシングできる時代になっているが、管理会社ってじゃあ何をするのか、仲介会社に喰われてしまうぞ、などという方がいます。では、逆に質問しますが、現在の管理会社が賃貸不動産のオーナーに対して良質なパフォーマンスをはたして提供できているでしょうか?入居者がきまらない部屋への空室対策を適切に提案できているでしょうか、既存入居者が満足できるような管理体制を本当に保持できているのでしょうか。弊社も含めてまだまだ足りないことばかりではありませんか。もっともっとやらねばならないことは多くあると思うのです。「オーナーの収益を最大化する」のが賃貸管理会社の役目です。
外部委託決断で合理化した組織相互
さて、皆さんの会社の「コア・コンピタンス」はなんでしょうか?自ずと答えは決まってくると思うのですが、是非スタッフ間で話し合っていただきたいと思います。うちの会社にとって一番大事な業務な何か?について。
③の「アウトソーシングの意思決定」の7項目のチェックをしてみてください。この中で「Yes」がもしあったら、それはアウトソーシングすべきではない業務かもしれません。しかし、皆「No」であったら迷うことなくアウトソーシングすべきです。
また、コア・コンピタンスに集中するために⑤にありますように、合理化の手段はまだいろいろありますね。
(筆:藤澤雅義/全国賃貸住宅新聞2013.09.23掲載)