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【コラム】たかが「苔」だとコケにしてはいませんか? 外壁にはびこるゾンビ苔の取り方・防ぎ方

2021.02.26
  • コンサルタントコラム

    賃貸管理の可能性に、挑む。

    当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。

    今回のテーマは「外壁の苔です。

    実は怖い、ゾンビのように蘇る「苔」

    (胞子が詰まった袋を伸ばす苔)

    皆さんこんにちは、コンサルタントの山城です。

    沖縄の賃貸管理会社に10年以上勤めた後、入居者対応や空室対策などの経験を糧に、現在はコンサルタントとして全国の賃貸管理会社に向けて情報発信および管理サポートを行なっています。

     

    さて、今回お伝えするのは外壁に発生する「苔」のお話。

    苔って色んな場所に生えていますよね。森で見る分にはいいですが、建物のメンテナンスとなると落としても落としても生えてくる、まるでゾンビのような存在です。

    そのうち清掃が追い付かなくなり、「見た目は多少悪いけど仕方ない…」と、苔をそのまま放置している方も多いのではないでしょうか。

    ですがその苔、見た目とは裏腹に、実は外壁寿命を左右しかねない怖い存在なんです…。

    外壁にダメージを与え続ける「苔」の悪循環

    胞子を飛ばして繁殖する苔は、おもに日陰や湿った場所でよく見られます。

    建物の外壁なら、川沿いや日当たりの悪い北側、風のとおりにくい場所などは要注意。しばらく見ないうちに、いつの間にか苔が青々と茂っていたなんて事態になりかねません。

    なにしろ苔の胞子は日常的に空気中を漂っています。繁殖に適した環境さえあればすぐにでも発生し、拡大する恐れがあります。そして厄介なことに、苔が付着した外壁は私たちが知らないうちに、確実に外壁を蝕んでいくのです。

     

    たとえば、コンクリート外壁の場合、苔による「中性化現象」は大きな脅威となるでしょう。

    酸性の苔がアルカリ性の外壁に密着し続けることで中和反応を引き起こす現象ですが、コンクリートの性質が中性に傾けば、鉄筋の腐食やコンクリート自体のひび割れに繋がる恐れがあります。

    さらに、水分を含んだ苔の根がサイディング材などの内部に根付くと、常に外壁内部が水分に晒されることになります。

    最悪の場合、外壁材が腐食したり、剥がれ落ちたりするといった事態も考えられるのです。

    また、表面に付着しただけの苔なら高圧洗浄であっという間に取り除けますが、生い茂っているときは注意が必要です。

    時間の経過とともに苔は外壁内部まですっかり根を下ろしてしまいますので、無理やり取り除こうとすると、根と一緒に塗膜も剥がれてしまったり、外壁材を痛めてしまったりするからです。

    くわえて、苔の清掃で外壁材や塗膜がダメージを負うと、撥水性がさらに損なわれてしまいますので、以前よりも水分を含むようになってしまいます。

    そうなると、苔にとっては絶好の繁殖場所のできあがり。胞子が付着したところから再び苔が発生し、外壁の水分を吸って増殖を繰り返すことになります。

     

    こうした悪循環に陥ると、外壁はどんどん劣化していきます。状態が悪化すれば、外壁材の変形や塗膜膨れが見られるようになり、建物全体のダメージに発展することもあるでしょう。

    たかが苔だからと甘く見てはいけないのです。

    「苔」を防ぐ3つの対策

    では、建物の苔対策としてどのような対策を講じればいいのでしょうか。
    ここでば、苔の発生状況に応じて3つの対策を紹介します。

     

    1.予防としての「高圧洗浄」

    苔の清掃方法としてよく見られるのが「高圧洗浄」です。

    外壁に薄く広がった程度の苔なら、まだ外壁内部まで根を張っていないため、高圧洗浄で洗い落とすことができます。

    また、苔が発生しやすい(あるいは過去に発生した)箇所は、目には見えなくても胞子が付着している可能性があります。予防として定期清掃などの機会に洗い流し、苔の発生を未然に防ぐのも一手です。

     

    しかし、外壁に苔がしっかりと根付いていた場合、高圧洗浄で完全に落とし切ることは困難です。

    外壁によっては凹凸のある形状のものも多く、水圧が十分に行き届かないため根を残してしまう可能性があるからです。

    また、上でも述べたように、力技で苔を除去すると危険な場合もあります。

    苔の根によって、すでに傷付いた外壁や塗膜がさらに痛んでしまう恐れもあります。高圧洗浄をする際は苔の状態をよく見て、使いどころを間違えないようにしたいですね。

    ちなみに高圧洗浄の費用は、私が沖縄の管理会社で働いていた頃だと、RC造2階建ての物件全体で1日2~3万円(自社請負)だったと記憶しています。

     

    2.「初期対応」の中性洗剤・苔専用洗浄剤

    すでに苔が生い茂っている場合、まずは苔専用洗剤(食器用洗剤でも可)とブラシ(洗車用など柔らかいもの)で擦り落してみてください。

    洗剤に含まれる界面活性剤や酵素の働きで、安価に除去することができるかもしれません。

    また、水分が下に溜まりやすいことから、苔は基本的に手の届く範囲内に発生するものです(屋根を除く)。もし苔が高所にある場合は、長柄のモップなどを使って清掃するといいでしょう。

     

    ところで、苔の清掃でハイターやお酢を利用している場面をよく見かけますが、これは危険です。

    ハイターなどの塩素系洗浄液や、お酢のような強酸性の液体は外壁にダメージを与えてしまいます。間違っても使用しないように注意してください。

     

    3.「繰り返すようなら」バイオ洗浄液

    清掃しても、またすぐに苔が発生してしまう場合は「バイオ洗浄液」の出番です。

    高圧洗浄で対象箇所を濡らした後、洗浄液を満遍なく塗布します。それからしばらく時間を置き、苔が充分に浮いたら、もういちど高圧洗浄を行ないます。

    多少の手間がかかりますが、苔を根こそぎ除去できますので再発防止に役立つでしょう。費用は、1㎡当たり500~800円(水道代別)が目安とされています。

     

    ただし、バイオ洗浄でも始めと終わりに高圧洗浄を実施しますので、上にも書いたとおり、外壁材や塗膜へのダメージは気にしたいところ。

    経年劣化が進んでいるのなら塗装塗り替えもセットで行なえるといいでしょう。

    「光触媒」の塗料で苔予防

    苔対策について紹介しましたが、建物によっては、日当たり・湿度・風通しなど立地上の特性でどうしても苔が発生しやすい物件もあります。

    定期的に発生する苔に、その都度対処していたのではキリがありませんよね。

     

    そこで、「苔が生えていた」もしくは「生えやすい箇所」については、「光触媒」などの自浄作用がある塗料で、思い切って外壁を塗り替えてしまうことをオススメします。

    光触媒の塗料はサラサラしていて汚れが付きにくく、親水性により、雨が降れば汚れを浮かせて流してくれる効果があります。

    ほかの塗料と比べて高価になってしまいますが、苔の生えやすい箇所に限定して光触媒塗料を使用すれば、金額を抑えつつ苔を予防することができます。

    塗装塗り替えの時期が迫っている場合はぜひ検討してみてください。

     

    何度なんどもゾンビのように蘇る苔ですが、早期発見・早期対策に徹すれば、解決はずっと楽になります。

    物件巡回のときは人目に付かない場所もしっかりと確認し、苔が生え始めていないか、その予兆はないかと、外壁周りを丁寧にチェックしていきましょう。

    • 山城 祐人
      コンサルティング事業部
      プロフィール:

      管理会社での経験を活かし、現場の効率化・業務品質の向上をご提案します。

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